学びに、遊びの要素を取り入れることなんてできるのですか?
多くの子どもは、遊ぶことが大好きです。しかし、学ぶことは、遊ぶことほど好きではありません。
そこで、ここでは、「学びに遊びを取り入れる」ことについて書きます。
学びに遊びを取り入れる
🟠遊びの定義
遊びの定義としては、様々なものがあります。
有名な定義の1つにフランス人のロジェ・カイヨワさんによる定義があります。
意志のあるなし、規則のあるなし、という2つの軸をもとに、遊びを4つのカテゴリーに分類し、それぞれに名前をつけています。
<アゴン:意思も規則もある遊びのカテゴリー>
競争を伴う遊び、例えば、野球や将棋など
<ミミクリ:意思はあるが、規則のない遊びのカテゴリー>
真似・模倣を伴う遊び、例えば、ものまね、ままごとや仮装、演劇など
<アレア:規則はあるが、意思のない遊びのカテゴリー>
運や賭けを伴う遊び、例えば、じゃんけん、双六など
<イリンクス:意思も規則もない遊びのカテゴリー>
めまいやスリルを伴う遊び、例えば、ぶらんこ、スキーなど
🟠学びに遊びの要素を取り入れる
授業の上手な教員は、学習という学びの中に遊びの要素を取り入れることがあります。
低学年の子どもは、隣の子どもどうしておしゃべりをしたり、そのおしゃべりを聞いた子どもが自分もしていいと思って同じようにおしゃべりをしたりして、騒がしくてなかなか授業に集中できなくなることがあります。
芸もなく、能もない教員は、大きな声を出したり、時には怒鳴ったりします。
このような時に、静かに集中できる方法をいくつ知っているか、知っていなくてもその場で思いつくかということはとても大切なことです。
思いつくまま書きます。
1.じゃんけんを始める。
教師の方を向いている子どもとだけ、黙ってじゃんけんを始めることがあります。そのうち、一部の子どもと教師が楽しそうにじゃんけんをしていることに気づく子どもが出てきます。自然と、その子どもたちも教師と子どもがしているじゃんけんの輪に入ってきます。
2.じゃんけんで同じ形を出す。
黙って、手を少し上にあげ、チョキやグーの形を示すことがあります。その形をゆっくり、違うパーやチョキの形に変えていきます。気づいた子どもは、自分が勝つ形に指の形を変えています。
中には、「先生、じゃんけんしているよ」という子どもがいますが、じゃんけんの形を出していない方の手の人差し指を口の前にもってきて、黙っているように、うながします。そのうちに、勝手に始めたじゃんけんの輪に加わる子どもが増えてきます。
3.じゃんけんを10回する。
これは、最初に今からじゃんけんを10回することを告げます。そして、勝てば、立つことができること、負ければ、座ること、引き分けで場合は、立ったまま、負けたままになることを告げます。そして、最後に、立っている子どもたちに「優勝」と告げます。
最後に勝った子どもが全員優勝なのですが、純粋な子どもはとても喜んでくれます。
4.「ダウト・ゲーム」をする。
ダウトというのは、「間違い、嘘」という意味です。本来は、「読書へのアルマシオン」という読書方法の1つです。「今から、昔話をしますので、間違いや嘘があれば、『ダウト』と言ってください。」と言って、「桃太郎」や「うさぎとかめ」などの多くの子どもが知っているお話を始めます。お話の途中で、間違いをたくさんちらばめていきます。嘘を言うたびに、子どもたちは、「ダウト」と声を出します。ある程度、子どもが満足したところで終わります。
5.話をしているときに、口だけ動かして、声を出さない。
教師が説明しているときに、何人かの子どもが、おしゃべりを始めて騒がしくなることがあります。そのような時は、口だけ動かして、声を出さないようにします。口で、「あれ、おかしいな」「声が出なくなった」などと口だけ動かします。静かになったら、また普通に説明の続きをします。
🟠楽しみつつ、試行錯誤を繰り返す
大きな声を出したり、怒鳴ったりせずに、授業をするためには、冷静な判断が必要です。どうすれば、子どもたちは、楽しんで、こちらの話を聞いてくれるようになるのか、ということをよく考え、いろいろと試してみること、いろいろと失敗をしながらも、試行錯誤をすることが大切です。
うまくいくこともあれば、うまくいかないこともあります。でも、教師が楽しみつつ、対応することで少しずつ、楽しい学級が作られると思います。
学びを教えつつも、遊ぶ心を忘れずに取り組んでほしいと思います。
なお、関係する次の記事もお読みください。
なぞなぞ(1)に遊び②に進む(内部リンク)
なぞなぞ(2) 遊び③に進む(内部リンク)
言葉遊び(1)折句 遊び④に進む(内部リンク)
ビンゴゲーム 遊び⑤に進む(内部リンク)
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