トイレットペーパーで性教育をしている鶴田七瀬さんという人がいます。
学校では、さまざまな教育がなされています。
その中で、大切だとされている教育の1つに「性教育」があります。
トイレットペーパーで性教育をしようとする取り組みがあります。
今回は、「トイレットペーパーで性教育を」について書きます。
トイレットペーパーで性教育を
🟠トイレットペーパーで性教育を
<性教育のむずかしさ>
性教育はとても大切な教育です。
しかし、性に関することは、日本ではあまりオープンな会話の中には出てこないことが多いです。
性に関心をもつことも、性を話題にすることも人前ですることは、はばかれる傾向にあります。
子どもにとっても、教える側の大人にとってもどうしても恥ずかしいという感情があります。
その感情を無理に封印しないで、上手に性教育に取り入れた取り組みがあります。
それが、「性教育トイレットペーパー」を開発した鶴田七瀬さんの取り組みです。
<鶴田七瀬さんという人>
鶴田七瀬さんは、1995年生まれで、静岡県で育ちました。幼少期より社会問題に関心をもっていたそうです。大学では経営学を専攻していました。22歳のときに大学を休学し、海外留学されました。
鶴田さんは、友人が、共通の知人から性暴力を受けていた事実を知ったことをきっかけに性の問題に関心を持つようになったそうです。
日本で性教育を行うNPO法人でインターンをしたのち、文科省トビタテ留学ジャパン日本代表として、性教育を積極的に行う国の教育・医療・福祉などの施設を30か所以上訪問し、視察されました。
帰国後の2019年に、性や妊娠にまつわる課題解決のためにソウレッジを設立されました。
そして、クラウドファンディングを介して資金を調達して、ソウレッジの最初のプロジェクトとして「性教育トイレットペーパー」を開発し販売を開始しました。
ソウレッジのホームページに進む(外部リンク)
次世代を担う30歳以下の30人を表彰する「30 UNDER 30 JAPAN」や、社会活動に従事するユースリーダーを応援する「若者力大賞ユースリーダー賞」を受賞されています。
ソウレッジの行ったクラウドファンディングは、「性教育トイレットペーパー」以外にもあり、2022年には、「緊急避妊薬の無償化と性知識を届ける仕組みを作る」ために、2363人から21,823,388円を集めました。CAMPFIRE寄付型クラウドファンデイングでは、過去最高額・過去最高支援者数を集めました。
<性教育トイレットペーパーとは>
性教育トイレットペーパーは、性に関する情報が子どもでもわかるように書かれたものです。
性教育トイレットペーパーは、ユネスコの「国際セクシュアリティ 教育ガイダンス」をもとに4種類作られています。
国際セクシュアリティ 教育ガイダンスに進む(外部リンク)
・体の仕組み
・性的同意
・性暴力
・セキュシャリティ
性教育トイレットペーパーは、4種類×各5ロールで税込8000円で購入できます。
鶴田さんは、「性教育を日常に・『性について学べるトイレットペーパー』開発の経緯と想いとは」というYouTube動画の中で次のように語っています。
今日本社会でタブーがある状況で、どうやったら、性教育を少しずつでもいいから、取り入れることができるかということを考えた時に、プライベート空間ってすごくいい場所だなと思って、お風呂とトイレが、基本的に一人でいる場所じゃないですか。だから、(性教育の情報をトイレットペーパーに印刷すれば)人目を気にせずに、読みたい人は読むことができます。
ほとんどの子どもとかは、関心はあるけれども、ちょっと人に聞くには恥ずかしいとか、それを小学校3年生ぐらいから感じたりするので、トイレに設置して読みたい人は読んでねという感じで試作品を作って置いてみたら結構反応が良くてそのままやっています。
性教育を日常に・『性について学べるトイレットペーパー』開発の経緯と想いとは
鶴田さんは、動画の中で、さらに次のようにも語っています。
性暴力をなくすというのは、現実的な達成目標じゃないと思っていて、自分が失敗した時に失敗に気づけるとか、悩みを持った時に、誰かに悩みを相談できるとか、自分で解決していけるとか、そういうのは、現実的な実現可能な目標だと思っていて、悩みを持った時に自分で解決していけるような環境づくりをしたいなと思っています。
性教育を日常に・『性について学べるトイレットペーパー』開発の経緯と想いとは
『性について学べるトイレットペーパー』開発の経緯と想いとはに進む(外部リンク)
現在、この性教育トイレットペーパーは、全国の子どもが集まることの多い、病院の小児科や児童養護施設などに設置され、小学校でも、現在約20校で導入されています。
2023年1月15日放送のTBS系放送局の「サンデー・ジャポン」という番組でも、この性教育トイレットペーパーについて取り上げられていました。
この番組の中では、1か月前から導入した大阪市立塩草立葉小学校が取材を受けていました。その中で、小学校6年生の子どもに、性教育トイレットペーパーについてインタビューしていました。子どもたちは、次のように答えていました。
最初は急にあったからびっくりしたけど、今は1か月くらい使っていたら普通に慣れました。(最初は)普通に嫌でした。気まずい。(鶴田さんの「今はどうですか?」という問いに対し)今は大丈夫。あってよかったと思います。(性教育トイレットペーパーに)性暴力のところがあったじゃないですか、それを知らないと何していいかわからないから、みんなが知っていたら(性暴力が)減るかもしれないし、されても、次何すればいいかわかるからあった方がいいと思います。
サンデー・ジャポン:性教育トイレレットペーパー
番組を見ていて、導入1か月で、性教育トイレットペーパーの良さが、子どもたちに十分に伝わっていると思いました。
これからも、多くの学校が、この性教育トイレットペーパーを導入し、性教育が日常の中に当たり前にある状況が増えていけばいいなあと思います。
これからも鶴田七瀬さんとソウレッジの活動が盛んになり、子どもたちの日常に性教育が当たり前になり、性に関する事柄で問題を感じた人が、人の助けを借りながらも自分の力で解決できるような社会になればいいなあと思いました。
なお、鶴田さんやソウレッジの活動には、寄付したり、TwitterやFacebookでシェアしたりすることで協力できるみたいです。
性教育の大切さ 性教育(1)に進む(内部リンク)
性教育いらすと:ブログ紹介②に進む(内部リンク)
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