インターネットは冒険だ 教材分析119

教材分析
Screenshot
つばさ
つばさ

新しい教材の「インターネットは冒険だ」の教材分析について知りたいです。

よい授業をするためには、ていねいな教材研究をすることが大切です。

しかし、国語の教材の分析をするのは時間がかかります。

そこで、大まかな教材分析例を提示することにします。

今回は、「インターネットは冒険だ」です。

 この教材は、2024年(平成6年)の4月から採択されている教科書で新たに付け加えられた教材です。

インターネットは冒険だ:教材分析

🟠インターネットは冒険だ:教材分析

 この教材は、東京書籍の5年生の教科書に掲載されている説明文です。2024(令和6)年からの新教材です。  

<作者>

 藤代裕之(ふじしろ・ひろゆき)さん

 出典:この教科書のために書き下ろされたものです。

 藤代裕之さんについて

 1973年(昭和48年)に徳島県で生まれました。日本のジャーナリスト、2024年現在、法政大学社会学部教授です。

 広島大学文学部哲学科を卒業後、立教大学21世紀社会デザイン研究科修士課程を修了されました。

 1996年に徳島新聞社に入社し、記者として社会部で、司法・警察、地方部で、地方自治、文化部で中高生向け紙面のリニューアルを担当しました。

 2004年に、ブログ「ガ島通信」を始めました。

 2005年に、NTTレゾナントに入社し、ニュースデスク、CGM編集長を歴任しました。

 色々な大学で非常勤講師をしました。

 2013年に法政大学社会学部メディア社会学科准教授、関西大学総合情報学部学部特任教授に就任しました。

 2020年に法政大学社会学部メディア社会学科教授に主任しました。

<題名>

 題名は「インターネットは冒険だ」です。

 おもしろい題名です。インターネットと冒険は一見全く違うもののように思えますが、インターネットと冒険の共通点についてこれから語られるのだろうな、と思われます。

 本文を読む前に、どのような共通点があるのか考えてみるのも楽しそうです。

 インターネットが冒険とどのように似ているのかとても興味を引く題名です。

「冒険」という言葉には、「危険」の「険」の字が入っています。この説明文では、インターネットの特徴と同時に、危険についても書かれています。

<はじめとおわり>

はじめ

 最初に、「インターネットのおかげで、わたしたちは気軽に、世界中のさまざまな出来事を知ることができるようになった。」と書かれています。そして、新しい情報を得ることは、自分の世界が広がる冒険のような楽しさがあると続けます。そして、冒険は、楽しくあるが危機もともなうのでじゅんびが必要だとします。それは、インターネットの特徴と危険を知ることだと書いています。

おわり

 最後に、「あなたが知っておどろいたニュースも実は、思わぬところから生まれ、インターネットをかけめぐり、たどり着いたものかもしれない。その危険性を理かいしておけば、おどろきのニュースや新しい出来事に満ちたインターネットは、いろいろなものに出会う、わくわくできる冒険になるはずだ。」と書かれています。

 はじめでも、おわりでも、題名の中にある「インターネット」と「冒険」という言葉が出てきます。

<形式段落>

 形式段落は、全部で15段落です。

 形式段落毎の簡単な内容は、次の通りです。

① インターネットのおかげで世界の出来事を知ることができたが特徴と危険を知る必要がある。

② 近くの川で人がおぼれインターネットで話題になっていることを家族から聞いたと仮定する。

③ インターネットの特徴はだれもが情報を発信できることで、知り得る世界は広がった。

④ だれもが発信できるのでさまざまな情報が入り混じりうそや大さなものが混じる危険がある。

⑤ だからインターネットの話題の発信者を知ることが大切だが、気にする若者は少ない。

⑥ サイトでは小学生が助けるのを見たと子どもが言っていたとあるが、自分の言葉だった。

⑦ インターネットの情報が速く広がる特徴は、ボタン一つでシェアできる仕組みがあるからだ。

⑧ この仕組みは事実か不確かなまま伝言ゲームのようにうわさが拡散することもありうる。

⑨ 情報が広がるもう一つの原因は、情報発信した人にお金が入る仕組みがあるからだ。

⑩ 次の日友達と話すとヒーローの小学生を探すさわぎになっていて友達も小学生と信じていた。  

⑪ インターネットのもう一つの特徴は、読み手によってとどく情報がちがうことだ。

⑫ そのせいで自分の興味のある情報や思いやすい情報にかこまれてしまう危険がある。

⑬ 自分のふれる情報だけが正しいと思わないように、友達や家族と話すことが大切だ。

⑭ このように気軽で便利に使えるので、インターネットにはさまざまな危険がひそんでいる。

⑮ 危険性を理かいさえしていれば、インターネットは、わくわくできる冒険になるはずだ。

 1234567890123456789012345678901234567890

 なお、この部分については、リライト教材として、漢字に読みがなをつけたものを、姉妹ブログの「よみもの」に用意しています。

インターネットは冒険だ・要点に進む外部リンク

<意味段落>

 ここでは、5つの意味段落に分かれていると考えてみることにします。

①段落:序論(はじめ)

 インターネットのおかげで、世界の出来事を気軽に知ることができるようになりました。インタネットは、冒険のような楽しさと危険があります。    

②~⑤段落:本論1(なか1)

 インターネットの特徴はだれもが情報を発信できることです。しかし、だれもが発信できるために、うそや大げさなものが混じる危険があります。

⑥~⑨段落:本論2(なか2)

 インターネットには、情報が広がるのが速いという特徴もあります。ボタン一つでシェアできる仕組みと、情報を発信している人にお金が入る仕組みがあります。事実でない情報もシェアされてしまう危険があります。

⑩~⑬段落:本論3(なか3)

 インターネットの特徴は、読み手一人一人にとどく情報がちがうということもあります。自分の興味のある情報にだけかこまれてしまう危険もあるので、友達や家族と話してみることも大切です。

⑭~⑮段落:結論(おわり)

 インターネットには危険もあります。その危険性を理かいしていると、インターネットは、冒険のようにいろいろなものに出会え、わくわくできます。    

<大事な言葉>

 インターネット、冒険、出来事、情報、危険、特徴、発信、自治体、企業、話題、出所、SNS、シェア(共有)、仕組み、拡散、節約、フィルターバブル、罠、

<表現の工夫>

架空の具体例の提示

 この説明文では、文字をゴシック体にした架空の具体例が3回出てきます。インターネットに関係する架空の具体的な出来事を説明する形で、インターネットの特徴と危険について説明しています。

 具体例があることで、読者である私たちは、まるで自分の身近なところで起こった出来事のように感じることができます。

写真と図表

 この説明文には、扉のページを含めて1枚の写真と1つのグラフと1つの図があります。

 グラフを使うことで、文中の説明である「インターネットニュースを見るときに出所を気にするか」どうかに関する具体的な傾向がわかります。

 「フィルターバブルの仕組み」に関する図を用意することで、むずかしいフィルターバブルに関する状況を視覚的に理解できるようにしています。

<要旨>

 インターネットのおかげで、世界の出来事を気軽に知ることができる。インターネットには、冒険のような楽しさと危険があり、三つの特徴がある。一つ目は、インターネットはだれもが情報発信できるが、うそが混じる危険がある。二つ目は、情報が広がるのが速いが、事実でない情報がシェアされる危険がある。三つ目は、読み手にとどく情報がちがうので、興味ある情報だけを得る危険がある。危険性を理かいして利用しよう。(196文字

1234567890123456789012345678901234567890123

 この説明文の単元名は「要旨をまとめ、自分の考えを伝えよう」です。52、53ページの学習の手引きには、次のように書いています。

▼筆者の考えと事例の関係に注意して、要旨をまとめましょう。

 ・二百字以内に整理して書きましょう。

 ここでは、196文字にまとめてみましたが、あくまで一例ですので、この例以外の要旨をそれぞれの指導者と子どもが考えてみるのがいいと思います。

<まとめにかえて>

 この教材分析は、このブログに載せている「説明文の教材研究」で取りあげたいくつかの視点に基づいて行ったものです。

 教員のみなさん1人1人が自分で行う教材研究の参考になれば幸いです。

⭐️   ⭐️

 この記事とは関係がないのですが、少し宣伝をさせてください。

 このブログを運営しています鴫田岡明(しぎた・おかあき)が、kindle出版で電子書籍を作りました。

学校のマナー」という本です。

 読むためには、Kindle unlimitedに入会するか、購入費がいるのですが、5月25日(土)と26日(日)の2日間は無料で読めるようにしています。

 お時間があるようでしたら、お読みください。

「学校のマナー」に進む

 なお、この教材を使って、「要旨のまとめ方」を書いた文章があります。

説明文の学習(1)要旨のまとめ方:東京書籍編に進む内部リンク

 他の説明文の教材分析も併せてお読みください。

「弱いロボット」だからできること 教材分析011に進む内部リンク

 説明文に関係する次の文章についても、併せて読んでください。

説明文の学習(1)要旨のまとめ方に進む内部リンク

説明文の教材研究(1) 教材研究の視点に進む内部リンク

説明文の教材研究(2) はじめとおわりに進む内部リンク

説明文の教材研究(3) 文章の構成に進む内部リンク

説明文の教材研究(4) 段落関係と要点に進む内部リンク

説明文の教材研究(5) 大事な言葉と要約に進む内部リンク

説明文の教材研究(6) 引用に進む内部リンク

説明文の教材研究(7) 表現の工夫(対比)に進む内部リンク

説明文の教材研究(8) 列挙 反復 問いかけに進む内部リンク

説明文の教材研究(9) 比喩 数量化 程度差に進む内部リンク

説明文の教材研究(10)なぜ教材研究をするのかに進む内部リンク

説明文の指導の仕方(1)指導計画に進む内部リンク

説明文の指導の仕方(10)に進む内部リンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました