説明文の教材研究(5)大事な言葉と要約

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説明文の教材研究では、大事な言葉と要約は大切な視点ですね。

 説明文の教材研究の仕方について書いています。

 今回は、「大事な言葉と要約」についてです。

説明文の教材研究:大事な言葉と要約

🟠説明文の教材研究:大事な言葉と要約

 説明文の教材研究の仕方について書いています。

 今回は、大事な言葉(キーワード)、大事な文(キーセンテンス)要約ついて説明をします。

<大事な言葉>

 辞書によりますと、「要点」とは、「物事の中心となるところ。重要な点。」という意味です。

要約」は、「文章などの要点をとりまとめること。また、そのまとめたもの」という意味です。

 また、今回は直接関係ありませんが、「要旨」には、「述べられていることの重要な点。また、内容のあらまし」と意味が書いてあります。

 説明文の教材研究では、説明文の教材研究(4)で書いたように、形式段落毎に要点を書き出すと、内容がよく理解できます。

 要点をまとめるためには、形式段落毎に大事な言葉や大事な文を抜き出すとよいでしょう。

 大事な言葉を「キーワード」、大事な文を「キーセンテンス」ということもあります。

 現在使われています東京書籍の3年生(上)の説明文教材「文章を読んで感そうをつたえ合おう:自然のかくし絵」の手引きの中の「言葉の力」には次のような説明が書かれています。

 だん落の内ようをとらえる:文章の中にある、いくつかの小さい内ようのまとまりをだん落といいます。だいじだと思う言葉や文に気をつけて読み、一つ一つのだん落に何が書かれているかをとらえることで、文章全体の内ようをとらえやすくなります。

東京書籍 新しい国語 三上

 小学校学習指導要領が令和29年に改訂される以前の教科書では、ここの同じ部分の説明がもう少し詳しく書かれていました。

 だん落の内ようをとらえる:文章の中にある、いくつかの小さい内ようのまとまりをだん落といいます。一つ一つのだん落に何が書かれているかをとらえることで、文章全体の内ようをとらえやすくなります。

 だん落の内ようをとらえるときはくりかえし出てくる言葉や題名とつながりがあると思う言葉などだいじだと思う言葉に気をつけて読むようにしましょう。

東京書籍 新しい国語 三上(旧版)

 個人的には、以前の解説の方が好きです。「くりかえし出てくる言葉や題名とつながりがあると思う言葉」などという「大事な言葉を見つける具体的な観点が明記されていたからです。

 ただ、よく似た表現は、現行で使用されている教科書のてびきの中にもきちんと残されています。

<要約>

 では、要約について教科書では、どう書かれているのでしょうか。

 現在使われています東京書籍の3年生(下)の説明文教材「パラリンピックについて調べよう:パラリンピックが目指すもの」の手引きには、次のような説明が書かれています。

 書かれていることをみじかくまとめることを、要約と言います。要約することで、文章の内ようを、相手にわかりやすくつたえることができます。みじかくまとめるときには、だいじな文や言葉を見つけてまとめましょう。

東京書籍 新しい国語 三下

 また、同じ教科書の「学習で使う言葉」の中では、次のように説明されています。

 要約

 書かれている内ようをまとめることだいじな言葉や文を見つけ、分かりやすく書きかえたり、言葉をおぎなったりしてまとめる

東京書籍 新しい国語 三下

 ここに書いてあるように大事な言葉(くりかえし出てくる言葉、題名に関係する言葉など)を抜き出したり、言葉を書きかえたり、言葉をおぎなったりすると要約する」ことができます。

 中学年の読むことの指導事項の1つに、「ウ 目的を意識して,中心となる語や文を見付けて要約すること。」があります。

 小学校学習指導要領解説国語編では、要約について次のように解説しています。

 要約するとは,文章全体の内容を正確に把握した上で,元の文章の構成や表現をそのまま生かしたり自分の言葉を用いたりして,文章の内容を短くまとめることである。文章の内容を端的に説明するといった要約する目的を意識して,内容の中心となる語や文を選んで,要約の分量などを考えて要約することが重要である。

小学校学習指導要領解説国語編

 中学年の説明文の指導では、子どもたちに、要約する学習を経験させることが大切です。

 当然、それを教える教員にとっても、いろいろな説明文を、指導の内容に合わせて自在に要約する力が求められます

 では、先ほど取り上げた教材文「パラリンピックが目指すもの」の具体的な要約文を載せてみましょう。

パラリンピックは、しょうがいがある人のスポーツの祭典である。ルールをくふうしているきょうぎがある。パラリンピックにしかないぎょうぎもある。

パラリンピックの水泳は、しょうがいのしゅるいやていどによって、ルールの一部をかえるくふうをしている。たとえば、タッピングバーでかべを知らせたり、水中からのスタートがみとめられたりしている。

ポッチャは、重度しょうがい者も参加できるきょうぎである。自分のボールを目ひょうのボールに近づけてとく点をきそうきょうぎである。「ランプ」というすべり台を使い、アシスタントが手助けできる。

パラリンピックでは、選手たちが持つ『勇気』『強い意志』『インスペーション』『公平』の4つを大切にしている。パラリンピックは、多様性をみとめ、平等に活やくできる社会の実現を目指すためのものである。

 要約の指導の実際については、次のページに書いていますので、併せてお読みください。

説明文の指導の仕方(5)に進む内部リンク1つめの要約の仕方

説明文の指導の仕方(6)に進む内部リンク2つめから4つめの要約の仕方

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 なお、「読むこと」の指導に関係する次の項目についても、併せて読んでください。

説明文の教材研究(1) 教材研究の視点に戻る内部リンク

説明文の教材研究(2) はじめとおわりに戻る内部リンク

説明文の教材研究(3) 文章の構成に戻る内部リンク

説明文の教材研究(4) 段落関係と要点に戻る内部リンク

説明文の教材研究(6) 引用に進む内部リンク

説明文の教材研究(7) 表現の工夫(対比)に進む内部リンク

説明文の教材研究(8) 列挙 反復 問いかけに進む内部リンク

説明文の教材研究(9) 比喩 数量化 程度差に進む内部リンク

説明文の教材研究(10)なぜ教材研究をするのかに進む内部リンク

物語文の教材研究の仕方(1)に進む内部リンク

説明文の指導の仕方(1)に進む内部リンク

物語文の指導の仕方(1)に進む内部リンク

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