説明文の指導(6)2次の指導② 要約の指導

指導方法
つばさ
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説明文の2次の指導の続きが知りたいです。

 説明文の基本的な学習の仕方について続けます。

 ここでは、次のことについて述べます。

 2次の2〜4時間めの指導において必要なこと

2次の2〜4時間めの指導において必要なこと

 東京書籍の3年生の説明文教材「パラリンピックが目ざすもの」を使って、単元指導計画を考えました。

 今回は、2次の第2〜4時の内容の読み取りの学習の指導について書きます。

 多くの国語科の学習では、同じような学習を繰り返すことが少ないです。

 しかし、よく似た学習を積み重ねた方が、子どもたちは、学習の仕方に慣れますし、学習の仕方を身につけることができます。

 前回同様、この2次の第2〜4次の学習は、「要約」を行う学習ですので、よく似た学習の流れで学習を行う方がよいと思います。

 大きな学習の流れは、次の通りです。

1.本時の学習のめあてを確かめる。

「(第○〜○段落の)内容を、要約しながら読み取ろう」

2.学習場面を音読する。

3.要約の仕方を確かめる。

4.一人一人で要約する。

5.学級全体で、各自が要約したことを話し合う。

6.まとめの音読をし、学習のまとめをする。

🟠学習の場面を確かめる

2次の第2〜4時の学習場面は、それぞれ次の通りです。

第2時 12〜13ページ 形式段落⑤〜⑦

第3時 14〜15ページ 形式段落⑧〜⑩

第4時 16〜17ページ 形式段落⑪〜⑬

この説明文では、見開き2ページごとに1つの学習場面になります。

子どもたちは、その日の学習場面の全体を見ることができますし、量も多くないので、この学習範囲の設定はいいと思います。

🟠本時の学習のめあてを確かめる

 2次の第2〜4時の学習のめあては、次の通りです。

第2時 「段落⑤から⑦の内容を、要約しながら読み取ろう

第4時 「段落⑧から⑩の内容を、要約しながら読み取ろう

第3時 「段落⑪から⑬の内容を、要約しながら読み取ろう

🟠学習の場面を音読する

 授業中に、何回も声に出して読ませることは大切なことです。

 すらすらと読めない教材の内容の理解をしたり、要約をしたりすることはできません。

 読み方は、いろいろな方法を取り入れるとよいと思います。

 全員を立たせて、前を向いて1回、後ろを向いて1回ずつ読み、読み終えた子どもから座って、続きを読ませるという方法を使うと、子どもの読みの速度を把握するのに効果的です。

 立っている子どものそばに行き、支援をすることもしやすいです。

🟠要約の仕方を確かめる

 前回、「要約」の仕方を知りましたので、これらの時間は、「要約」の仕方に慣れ、できるようになる時間になります。

 前回同様、指導者は、自分なりの「要約」をしておき、前もって自分の要約を準備しておく必要があります。

 2次の段落①〜④の要約は、次の通りでした。

オリンピックは、スポーツの祭典である。パラリンピックは、しょうがいがある人のスポーツの祭典である。ルールをくふうしているきょうぎがある。パラリンピックにしかないぎょうぎもある。

 段落⑤〜⑦、段落⑧〜⑩、段落⑪〜⑬の「要約」は、前回の要約に合わせた要約になります。

段落⑤〜⑦の要約の例

パラリンピックの水泳は、しょうがいのしゅるいやていどによって、ルールの一部をかえるくふうをしている。たとえば、タッピングバーでかべを知らせたり、水中からのスタートがみとめられたりしている。

段落⑧〜⑩の要約の例

ポッチャは、重度しょうがい者も参加できるきょうぎである。自分のボールを目ひょうのボールに近づけてとく点をきそうきょうぎである。「ランプ」というすべり台を使い、アシスタントが手助けできる。

段落⑪〜⑬の要約の例

パラリンピックでは、選手たちが持つ『勇気』『強い意志』『インスペーション』『公平』の4つを大切にしている。パラリンピックは、多様性をみとめ、平等に活やくできる社会の実現を目指すためのものである。

 今回の学習では、要約では、①線を引きながら、大切な言葉や文を選ぶこと、②文末が常体形になること、③決められた字数の中で書くこと(今回は80字〜100字程度)などを確認するとよいだろう。

 2時間めではできなくても、3日間め、4時間めにかけて、少しずつ要約できるようになることをめざしたい、と考えます。

🟠一人一人要約する。

 子どもたちが、実際に、教材文の大切な言葉や文に線を引きながら考え、ノートやワークシートに、要約を書きながら考えることが大切です。

 ワークシートを準備する場合は、20字×5行=100字のものを3〜4つ分作り、何回も試行錯誤できるようなものを作り、配付するにするとよいでしょう。

 気に入らなくても、すぐに消しゴムで消すのではなく、思考の経緯が残るようにさせるとよいと思います。

🟠全体で交流する

 全体で話し合う前には、隣同士や小グループで話し合う時間をもつ方がよいと思います。

 少ない人数の方が、多くの子どもが発言できますし、話すことに抵抗感が少ないからです。

 いつも同じ優秀な子どもだけを指名して発言をさせるのでなく、机間指導をしっかり行い、誰がどのような要約をしているのかを把握しておきます。

 どの順番で指名をすれば、学級の他の子どもの役にたつのかを考え、計画的に指名したいです。

🟠まとめの音読をし、学習のまとめをする。

 最初の音読とまとめの音読の読み方が変わっているのが、理想です。

 学習することで、学習した内容の理解が深まり、内容がよく理解されている音読になっていれば、その日の授業はよかったといえると思います。

 要約の仕方に対する感想も少しずつ変わっていくと思います。

「最初は、どうすればよいかわからなかったが、要約の仕方がわかってきた。」というような感想が増えてくると、この教材だけでなく、他の図書などを読んで、必要な事柄を抜き出し、要約できるようになると思います。

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