物語文の指導の仕方(1)育てたいこと

指導方法
つばさ
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物語文の指導の仕方を知りたいです。

 物語文の指導の仕方は、どうすればいいのでしょうか。

 ここでは、次のことについて書きます。

 物語文の指導で育てたいこと

 すらすら音読できることを楽しむこと

物語文の指導で育てたいこと

 物語文の指導では、様々な力を育てることが必要です。

 指導すべき内容、子どもに身につけてほしい力はいろいろあります。

 しかし、今回から3回にわたり、次の3つを中心にして書きます。
(1) すらすら音読できることを楽しむこと。
(2) 物語の設定を知り、あらすじを楽しみ、読書に親しむこと。
(3) 自分の考えを発表し合い、互いの考えを知り合うことを楽しむこと。

すらすら音読できることを楽しむこと

 物語文の指導で、育てたいことの1つめは、「すらすら音読できることを楽しむこと」です。

 物語文を指導するときに、大切にしてほしいことに、「学級の全ての子どもがすらすら音読できるようにする」ということがあります。

読むこと」の学習の基本中の基本は、「すらすら音読できるようになること」です。

 そのためには、1時間の学習の中に必ず、次の3つの学習のどれかを取り入れることです。

指導者が範読をすること

一人一人が声に出して読む時間をもつこと

③(1文でいいので、みんなに向けて)一人で音読させること

🟠指導者が範読すること

 指導者である学校の先生が、見本を見せることは、大切なことです。

学ぶ」の語源は、「真似る」であるという考えがあります。

 子どもにとって、一番よい、真似やすい、身近なモデルは、学校の先生です。

 音読CDなどを聞かせることでも、代用できるでしょうが、できれば、先生が実際に声に出して、教科書を読むことで、子どもたちは、どのように読めばいいのか、理解し、真似をすることができます。

 どのぐらいの速さで読むといいのか、声の大きさはどのぐらいがいいのか、会話文の読み方はどうすればいいのかなどを理解することができます。

 わたしが、範読する時に、気をつけていたことは、「声を張るこ」でした。

声を張る」とは、口先だけで音を出すのではなく、喉の奥から、できれば、お腹から、音を出すことです。

 授業を見ていて、学級の子どもの声が聞き取りにくい場面に出合うことがありますが、普段から、きちんと「声を張る」音読が身についている学級では、どのぐらいの声の大きさで音読したり、話したりすると、声が学級全員に届くのが理解していることが多いです。

🟠一人一人が声に出して読む時間をもつこと

 よく家庭学習として音読の課題が出されますが、まずは、国語の学習時間の中で、実際に一人一人が声を出す時間をできるだけ多くもつことです。

 音読の方法は様々です。

◎一斉読み みんなが声を揃えて、読む読み方です。

 音読が苦手な子どもにとっても、みんなと声を出すことで、音読することに慣れていきます。

 ポイントは、慣れてくると、少し速めに読むようにすることです。

 すらすら読めているかどうかが、よくわかります。

 速さについてこられない子どもは、内容がよくわかっていません。

 全体で読むスピードを、少し速めに読ませてみて、すらすら読むことができる子どもは、内容がよくわかっています。

◎ばらばら読み 自分のペースで読ませます。

 全員を立たせておき、指定の範囲を読み終えた子どもからすわらせていきます。

(すわった子どもには再度、指定範囲の音読をさせておきます。)

 だれに支援が必要かよくわかります。

🟠(1文でいいので、みんなに向けて)一人で音読させること

 支援の必要な子どもがよくわかります。

 ポイントは、立って、姿勢を正し、張りのある声で読ませることです。

 教科書を両手できちんと持たせるとよいでしょう。

 列の順番で2人を立たせておき、一人が読み終わると、次の子どもを立たせて、読む構えをもたせます。

 立つ時と、すわる時に、音をたてないように注意させるとよいでしょう。

 音読中、聴いている子どもにも、本を開かせるならば、その子どもたちにも、きちんと両手で本を立てておくようにさせるとよいでしょう。

 これができているかどうかで、クラス全体の学習意欲がわかります。

 時には、本を閉じて、耳だけで、音読を効かせる方法を、取り入れてもよいと思います。

 耳で聞いて内容がよくわかるかどうかで、音読している子どもの力量が、よりはっきりつかめます。

 読み間違いの指摘は、子どもにはさせないようにした方がいいと思います。

 間違いを指摘することで、学級の中で、マウントを取ることに快感をもつ子どもを育ててしまうことになってしまいます。

 間違いの指摘は、指導者がすべき事柄です。

 音読をする前に、子どもに伝えていたことは、「音読するときは、話すように読みましょう。」ということでした。

 何かの話をするためには、話す内容を自分がよく理解していないとできません。

 話すように音読することができるようになるためには、内容をしっかり理解していないとできないからです。

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物語文の指導の仕方(5)1時間めの指導に進む内部リンク

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