物語文の指導の仕方(4)指導計画の具体例

指導方法
つばさ
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物語文の指導の指導計画の立て方を教えてください。

 物語文の指導について書いています。

 ここでは,次のことを書きます。

 指導計画の具体例(3年・三年とうげ)

指導計画の具体例(3年・三年とうげ)

 物語文の学習を進めるためには、教科書の教材をもとに、何を教えるのか決める必要があります。

 算数や理科のように教える内容がはっきりしている教科に比べ、国語では、教えることが漠然としている印象を受けます。

 そこで、教科書会社などが作成した指導書などを参照することになると思います。

 指導書などを見ますと、実に多くの指導内容が書かれています。しかし,時には、思い切って指導内容を絞ることも大切です。

 1時間ずつの指導内容を考えるだけではなく、単元全体の指導計画を考えるとよいでしょう。

 光村図書3年生12月教材三年とうげ」を取り上げてみましょう。

 光村図書作成の資料を見ますと,単元名を「組み立てをとらえて、民話をしょうかいしよう」としていて、指導計画では6時間の配当になっています。

 指導目標は、「登場人物の気持ちの変化について場面の移り変わりと結び付けて具体的に想像することができる」となっています。

🟠指導計画の例

 私ならば、次のような指導計画を立てます。

① 全体を範読した後、導入の場面の設定を確認し、物語を読んだ感想を話し合う。

② 全体を5つの場面に分け、場面ごとに30字程度のあらすじを考える。

③ それぞれが考えたあらすじの確認をする。

④ 世界の民話を読む。

⑤ 自分の読んだ民話のあらすじを150字程度にまとめ、紹介文を書く。

⑥ 本を紹介し合い、学習のまとめをする。

今回の指導計画は、光村図書が作成している指導計画とは違います。

 しかし、これまでに書いてきている物語文で指導すべきこと・身につけさせる3つのポイントを押さえるために、あえてこのような形で話を進めることにします。

🟠指導計画を立てるよさ=図書を集めるなどの準備できる

 単元全体を見通して、指導計画を立てておくとよいことのひとつに、数時間分の教材研究が1回ですむということがあります。

 1時間ごとに教材研究をしたり、指導案を考えたりしていると、時間がいくらあっても足りません。

 全体を見通して教材研究をすると、前もっていろいろと準備をしておくことが可能です。

三年とうげ」という物語は、韓国・朝鮮の民話ですが、学校の図書館に外国の絵本が何冊ぐらいあるか,前もって調べておくこともできます。

 もちろん、光村図書の教科書にも数冊の民話の紹介があります。また,インターネットで世界の民話を調べると、他にもいろいろと見つかるでしょう。

 しかし、当然学校の図書室に、これらの本が全てあるわけではありません。

 そこで、これらの本の一覧表をもって学校近くの公立図書館に行けば、学級の人数分以上の本を前もって取り寄せてもらうことも可能です。

 私の勤めていた学校では,近くの図書室から逓送を利用して必要な図書を送ってもらうことも可能でした。

 それぞれの自治体によって,制度は違うと思いますが,図書館と相談して、書類を作成すると、必要な図書を送ってもらうことができる自治体も多いと思います。

🟠指導計画の大枠を他の学年の指導でも活かす

 2年生では「かさこじぞう」を多く教科書会社でとりあげています。

 そのような場合は,同じような学習計画で,「昔話を紹介する」単元計画も作れると思います。

 また,4年生では,「ごんぎつね」を取り上げている教科書会社も多いです。

 そのような場合は,同じような学習計画で,「動物の出てくる物語を紹介する」単元計画も作れると思います。

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