物語文の2時間めの指導の仕方を知りたいです。
物語文の指導の仕方について書いています。
ここでは、次のことを書きます。
物語文の2時間めの指導の仕方
物語文の2時間目の指導の仕方
🟠2時間めの指導内容と学習目標
光村図書の3年生の教材「三年とうげ」の指導計画をもとに、1時間ごとの学習計画を考えています。
2時間めは、次のような計画でした。
○ 全体を5つの場面に分け、場面ごとに30字程度のあらすじを考える。
この時間の学習目標は、「それぞれの場面を30字程度にまとめることができるようにする」ことです。
🟠学習活動と指導の留意点
1. 学習のめあてを確認します。
日付、教材名、学習のめあてをノートに写すように習慣化していきます。
特に、学習のめあては、きちんと板書し、子どもがこの時間で何の学習をするのかが、よくわかるようにします。
「5つの場面をそれぞれ30字ぐらいにまとめて、あらすじをたしかめよう。」
場面をまとめるためには、「いつ、どこで、だれ」が何をしたかをまとめていくとよいことを確認します。
2.第1場面を読み、30字程度にまとめるとはどういうことか確かめます。
音読は、指導者の範読でもいいでしょうし、子どもに順に読ませてもいいと思います。
教科書の「いつ、どこ、だれ」の部分を○で囲むように指示します。
ただ、他の場面と違い、第1場面には、「三年峠の言い伝え」が書いてあります。
そのことを確認してから、「三年とうげには、転ぶと三年しか生きられない言いつたえがある。」のようにまとめます。
制限字数を確保するために、「峠」という漢字を教えるのもいいかも知れません。
「山」と「上」と「下」のよく知っている漢字の組み合わせです。一度ていねいに教えるとどの子どももすぐに覚えると思います。
3. 第2場面を読み、同じように学級全体で、話し合いながらまとめます。
3年生なので、繰り返しながら学習の方法を身につけるようにすることが大切です。
ここでも、音読をしている間に、教科書の「いつ、どこ、だれ」の部分を○で囲むように指示します。
いつ、どこ、だれ、どうしたをつなげると、次のようになります。
「ある秋の日、三年とうげで、おじいさんが転んでしまう。」
4.第3場面から第5場面まで音読します。
ここからは、自分で考える時間になります。
一人一人が音読する時間を十分に取るようにします。
5.第3場面から第5場面まで書きながら考えます。
学習の仕方に慣れてくると、子ども自身が一人で考えて、学習する時間を作ります。
指導者は、机間指導をしっかりと行い、戸惑ったり、どうしたらいいかよくわからなくて困ったり、手が止まったりしている子どもに個別指導を行います。
次のようにまとめることができるでしょう。
「おじいさんは、何も食べずに、病気になり、みんなは心配する。」
「トルトリがみまいに来て、おじいさんに何度も転ぶように言う。」
「何回も転んだおじいさんは、元気になり幸せに長生きした。」
ある程度できてきたら、となり同士で相談してもよいことにします。
わからない時は、くりかえし読むことも大事ですし、「いつ、どこ、だれ、どうした」を見つけることも大事です。
6.次の時間の確認をします。
次時は話し合い、あらすじをまとめていくことを伝えます。
🟠30字程度にまとめること
30字程度にまとめることに関しては、次のような別の答えも考えられます。
「三年とうげで転ぶと三年で死ぬという言いつたえを信じる村人。」
→「ある日、となり村への用事で三年とうげを通り転ぶおじいさん。」
→「気落ちして何も食べないでねこみ、重病になるおじいさん。」
→「何回も転ぶとよいというトルトリの話にうなずくおじいさん。」
→「三年とうげで、何回も転び、幸せに、長生きしたおじいさん。」
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ここで、大切なのは、30字程度にまとめたものを続けて読んでみて、どんなお話がわかるかどうかということです。
読んでみて、どんな話かわかれば、どの答えも正解です。
早くできた子どもには、続けて読んでみてわかりやすいかどうか確かめさせるといいでしょう。
この学習のように、子どもたちに、どのような学習活動をすれば、答えに結びつくのかを示し、繰り返し、よく似た学習活動をすることが大切だと思います。
物語文の分量が増え、筋が複雑になりますので、高学年でも取り組むことができる学習だと思います。
決められた字数でまとめるという問題は、6年生対象の「全国学力・学習状況調査」でもよく出題される傾向の問題パターンです。
国語科の学習では、答えがはっきりしないことが多いですが、この学習のように、決められた字数でまとめ、全文を通して読んであらすじがわかれば、どの答えも正解という学習を繰り返すのも大切な学習だと思います。
🟠略案について
前回も書きましたが、1時間の学習活動と指導上の留意点を簡単にメモしておくことは大切だと思います。
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