
詩を少し書き換えて詩を作る方法を知りたいです。
小学校の教科書には詩がたくさん出てきます。
詩の学習には、詩を作ることがあります。
ここでは、「詩の一部を書きかえて詩を作る」方法について書きます。
詩の一部を変えて詩を作る

🟠金子みすゞさんの詩
東京書籍の4年生の国語の教科書に「金子みすゞさん」の「ふしぎ」という詩がでてきます。
みすゞギャラリーに進む(外部リンク)ふしぎは、39ページにあります。
この詩の話者には、ふしぎなことがたくさんあります。
それは、次の4つです。
黒い雲の雨が銀色に光ること
青い桑の葉を食べる蚕が白くなること
朝顔が一人でに開くこと
そして、そのことを誰も不思議に思わないことです。
🟠詩を真似て、ふしぎなことを探す
この詩を学習した後、この詩を真似て詩を作ってみます。
この詩は、それぞれの連の始まりが次のように始まります。
「わたしはふしぎでたまらない」
そして、2行目と3行目は、7音と5音の組み合わせになっています。
子どもたちに、不思議に思うことを自由に、考えて書き出させます。
ここでは、ゆっくり時間をかけて、考える時間を与えます。
ある子どもは、雷の音と光がずれて見聞きすることが不思議でしょう。
ある子どもは、夢の中で飛べたことが不思議でしょう。
ある子どもは、戦争が起こることが不思議でしょう。
🟠詩の形式に合わせて、音の数をそろえる
次に、不思議に思ったことを7音と5音の組み合わせ2つにしてみます。
例えば、雷の音と光がずれて見聞きすることに関しては、次のようになるでしょう。
雷の鳴る(7音)轟音が(5音)
光とずれて(7音)聞こえるよ(5音)
夢で空を飛べた子どもは、次のように考えるかもしれません。
昨日見た夢(7音)その中で(5音)
たしかにぼくは(7音)飛べたのに(5音)
戦争が起こることを不思議に思う子どもは、次のように考えるでしょう。
どうして人は(7音)戦争の(5音)
無意味なことに(7音)気づかない(5音)
🟠人称を、自分の人称に変えてみる
そして、初めの行にある「わたし」という人称を自分の普段使っている人称に変えてみます。例えば、「ぼく」「あたし」「あたい」「おれ」「おいら」などに変えてみると、面白いかもしれません。
🟠「ふしぎ」の詩をもとに作った詩
ここで、「ふしぎ」をもとにして作った詩を書いてみます。
ぼくはふしぎでたまらない、
かみなりのなるごう音が、
光とずれて聞こえるよ。
ぼくはふしぎでたまらない、
きのう見たゆめ その中で、
たしかにぼくはとんでいた。
ぼくはふしぎでたまらない、
どうして人は戦争の、
無意味なことに気づかない。
ぼくはふしぎでたまらない、
たれにきいてもわらってて、
あたりまえだ、ということが。
🟠まとめ
いかがでしょうか? 自分ではじめから作るのと比べると、ずっと簡単に詩を作ることができるのではないでしょうか。
今回は、金子みすゞさんの「ふしぎ」という詩を元に考えてみましたが、教科書に出てくる定型詩の多くでは、同じような方法で、詩の一部を変えて詩を作ることができると思います。
元々、日本の代表的な詩とも言える、短歌や俳句では、5音と7音の組み合わせの31音、17音で作ります。
短歌や俳句を作る練習としても使える方法だと思います。
詩の授業の他の方法については、次を見てください。
詩の授業の仕方(1)詩の授業の流れに進む(内部リンク)
詩の指導の仕方(2)教材研究の仕方に進む(内部リンク)
詩の授業の仕方(3)発問に進む(内部リンク)
詩の授業の仕方(4)詩集を作るに進む(内部リンク)
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