
台風から子どもを守る方法について知りたいです。
2023年は、例年に比べて、梅雨入りが早そうです。
2022年は、雨が少なかったので、水不足の心配もありましたが、それを補ってくれたのが台風の雨でした。
台風の恩恵が全くないわけではないのですが、台風の恩恵よりも、台風による被害の方が毎年大きいです。
今回は、「台風から子どもを守る」ことについて書きます。
台風から子どもを守る

🟠理科の学習
5年生の理科の学習では、「天気」について学習します。指導内容としては、次のように書かれています。
天気の変化の仕方について,雲の様子を観測したり,映像などの気象情報を活用したりする中で,雲の量や動きに着目して,それらと天気の変化とを関係付けて調べる活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。
ア 次のことを理解するとともに,観察,実験などに関する技能を身に付けること。
(ア) 天気の変化は,雲の量や動きと関係があること。
(イ) 天気の変化は,映像などの気象情報を用いて予想できること。
イ 天気の変化の仕方について追究する中で,天気の変化の仕方と雲の 量や動きとの関係についての予想や仮説を基に,解決の方法を発想し,表現すること。
小学校学習指導要領解説 理科編
指導書などを読みますと、「天気は、だいたい、西から東に移り変わっていく」ことをおさえるように書かれています。しかし、例外があります。それが、台風です。台風だけは、動きの予想がつきにくいものです。東京から西の名古屋や横浜が晴れてきたら、しばらくして東京は晴れてきますし、名古屋や横浜に雨が降れば、そのうち東京も雨が降ってきます。地球が自転している関係で、大気の動きには一定の規則性があり、その関係で、北半球では、天気は西から東へ移り変わっていきます。しかし、台風はこの規則を無視します。
🟠台風の定義
みなさんは、台風の定義を知っていますか? 主に夏から秋にかけてやってくる台風の定義は、次のようになっています。「台風とは、日本の南の海で発生する熱帯低気圧のうち、最大風速が17.2m/秒以上のもの」です。ですから、最大風速が17.2m/秒未満になりますと、台風は、また熱帯低気圧という名前に戻ります。
台風には、「大型で」「非常に強い」などという冠がつくことがあります。それぞれ、どのような意味をもっているか知っていますか。
台風は、「大きさ」と「強さ」についてそれぞれ5つの階級に分けられています。
まず、「大きさ」についてです。
風速15m/秒以上の半径が200km未満の大きさ・・・ごく小さい
風速15m/秒以上の半径が200~300km未満・・・小型(小さい)
風速15m/秒以上の半径が300~500km未満・・・中型(並みの大きさ)
風速15m/秒以上の半径が500~800km未満・・・大型(大きい)
風速15m/秒以上の半径が800km以上・・・・・・・超大型(非常に大きい)
次に、「強さ」についてです。
中心付近の最大風速が17~25m/秒未満・・・・・・・弱い
中心付近の最大風速が25~33m/秒未満・・・・・・・並みの強さ
中心付近の最大風速が33~44m/秒未満・・・・・・・強い
中心付近の最大風速が44~54m/秒未満・・・・・・・非常に強い
中心付近の最大風速が54m/秒以上・・・・・・・・・・猛烈な
🟠台風の影響
どの台風でも、激しい雨や風を伴い、各地に水害や風害をもたらす可能性があります。
各地に、「大雨特別警報」が出て、「避難指示」や「緊急安全確保」が出る可能性があります。
台風がもたらす雨は、大量の雨が、数時間から数日のような短期間のうちに広い範囲に降るために、河川が増水したり堤防が決壊したりして、浸水や洪水などの水害を引き起こすことがあります。
近年は治水事業が進み、大河川の氾濫は少なくはなっていますが、都市部では周辺地域の開発が進んで保水機能が低下していることもあり、水害に占める都市部の被害の割合が増えています。
雨により山やがけが崩れたり、土石流が発生したりするなどの土砂災害も起こります。
雨による土砂災害の犠牲者が、自然災害による死者数の中で、地震や津波の被害を除いて、とても大きな割合を占めるようになっています。
近年の宅地開発は都市郊外の丘陵地や急傾斜地を利用することが多く、宅地造成により新たながけが形成されることが土砂災害による被害を大きくしています。
さらに、近年、アウトドアレジャーが盛んになり、キャンプをする人々が増えていますが、上流域に降った雨による増水により川の中州などに取り残されて救助を求めることも増えています。
雨だけでなく、川の増水に対しても油断はできません。
🟠台風への備え

台風の備えとしては、懐中電灯、携帯用ラジオ、救急薬品、衣類、非常用食品、携帯用ボンベなどを用意する必要があります。断水に備え、飲料水の確保や浴槽に水を張り生活用水を確保することも大切です。
台風に対しては、暴風と大雨への備えも大切です。
具体的には、風で飛ばされそうなものの固定や格納、窓や雨戸の施錠や必要に応じた補強、側溝や排水溝を掃除して水はけをよくすることも大事です。
避難所などに避難する場合は、暗くなってからの移動は、暗くて、側溝の位置が見えなかったり、側溝があふれていたりして、とても危険です。大雨が降ったり、暴風が吹いたりする中での移動は、たいへん危険です。
できるだけ、よく見える間に、安全策をとって早めに避難所などに移動することが大切です。
学校は、避難所になる場合もあります。教職員として、学校のどの教室が、避難場所に指定されているのかを前もって知って置くことも大切です。
併せて、教職員の私たち自身も、自分の自宅の近くの避難所を知らない、ということのないようにしたいものです。
🟠教育の力で災害に備える
5年生の理科で「川の流れ」について学習します。
教員の時、子どもたちに、大雨の後では、川が増水して、普段は水がない川原の部分に、水が頭より上に来ることがある、という話をよくしていました。
河原でキャンプをしていて、川の増水に気づかず取り残されてしまう話、川の増水に気づいて急いで車に戻ったが車と一緒に流されて亡くなった話などは、少しずつ形を変え、毎年のようにニュースになります。
理科の「天気」や「台風」「川の流れ」などのような基本的な知識を学校できちんと教えて、被害に遭わない大人にすることも大切だと思います。
⭐️ ⭐️
なお、「安全教育:子どもを守ること」に関係する記事を集めた一覧表は、次のページにあります。
大雨から子どもを守る:安全教育⑨に進む(内部リンク)
強風から子どもを守る:安全教育⑬に進む(内部リンク)
安全教育:子どもを守る 一覧表に進む(内部リンク)
コメント