子どもの実態を把握する(3)文末

指導方法
つばさ
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子どもの書いたものから何かわかるのですか。

子どもの実態把握の方法について書いています。

今回は、「子どもの実態を把握する:文末」についてです。

子どもの実態を把握する(3)文末

子どもの国語の学力を把握する方法の3回目です。

今回も、「書くこと」に関係する国語の力を確かめる方法です。

教員をしていた時、年間を通して複数回データをとって、子どもの変容をみていく提案をしたことがあります。

音読や視写など、子どもの実態把握を続ける試みを継続して続けると、6年間を通した子どもの実態把握ができることになります。

簡単な方法でデータをとり、分析し、教職員みんなで、子どもの実態を共通理解することは、豊かな教育活動を進める上で、とても大切なことだと思います。

🟠「文末」をみて、作文の書く力を確かめる

ある学校の先生に、「今年の初任者の先生、『敬体けいたい』と『常体じょうたい』という言葉も知らないのよ。」というお話をお聞きしたことがあります。

敬体」とは、携帯電話のことではなくて、「です」「ます」などのようなていねいな文末表現のことで、「常体」とは、「だ」「である」などのような普通の文末表現のことです。

残念なことに先生や保護者の方が書いた文章の中にも、時折「文末がそろっていない」文章をみかけることがあります。先生自身が知らないことや気づいていないことは、子どもに指導することができません。

平成29年7月に公示され、現在実施されている小学校学習指導要領の解説国語編では、次のように表記されています。

丁寧な言葉と普通の言葉との違いに気を付けて使うとともに,敬体で書かれた文章に慣れること。

第1学年及び第2学年の内容の1(知識及び技能〕(1〕言葉の特徴や使い方に関する事項

キ 丁寧な言葉を使うとともに,敬体と常体との違いに注意しながら書くこと

第3学年及び第4学年の内容の1(知識及び技能〕(1〕言葉の特徴や使い方に関する事項

3年生でも知っていることのはずなのですが、残念なことに、高学年になっても文末をそろえて書けない子どもがたくさんいます

子どもができない原因ははっきりしています。覚えるまで何回も指導されていないからです。

🟠どのようにして、文末をそろえて書く力を高めるのか

では、どうすればいいのでしょうか。

正しい言葉を身に付けさせるためには、日頃の指導がとても大切です。

子どもの耳にたこができるまで、作文を書く際には、「文末に気をつけましょう」と言い続けてください

もし、指導されていないのならば、子どもに定着していなくても当たり前です。

何かの本で読んだのですが、記憶に定着させるためには、20回ぐらいは、繰り返し同じことを見聞きする必要があるそうです。

頭のいい人の中には、一度で記憶できる人もいるでしょうが、普通の小学生の子どもには20回ぐらい場面や状況を変えて伝えないと覚えることができないそうです。

子どもに、「先生、その話、耳にたこができるぐらい何回も聞いたから、もう覚えたわ。」と言わせるぐらい、手を替え品を替え、提示することが大事です。

1、2度伝えたぐらいで覚えていないと嘆くのは教える側の工夫が足りないのかもしれません。

本の題名を忘れたのですが、以前読んだ本の中で、次のような指摘がありました。

「絶対に覚えさせようと思ったものは、ルーズリーフやレポート用紙にでかでかと書くように指導しましょう。」

みなさん指導をいろいろと工夫されているんですね。みなさんもぜひ、いろいろ楽しんで工夫してみてください。

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なお、作文指導について、次のページもあわせてお読みください。

作文のすすめ(6)自由作文に進む内部リンク

作文のすすめ(7)子どもの発達段階を知るに進む内部リンク

なお、実態把握については、次のページをお読みください。

子どもの実態を把握する(1)音読に戻る内部リンク

子どもの実態を把握する(2)視写に戻る内部リンク

子どもの実態を把握する(4)作文に進む内部リンク

子どもの実態を把握する(5)読書に進む内部リンク

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