説明文の教材研究(6)引用

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引用について知りたいです。

説明文の教材研究の仕方について書いています。

今回は、「引用」についてです。

説明文の教材研究:引用

🟠説明文の教材研究:引用

<小学校学習指導要領>

引用」について、小学校学習指導要領では、どのように取り上げているのでしょうか。

中学年の〔知識及び技能〕の(2) 情報の扱い方に関する事項の部分に、「情報の整理」として、次のように書いています。

イ 比較や分類の仕方,必要な語句などの書き留め方, 引用の仕方や出典の示し方,辞書や事典の使い方を理解し使うこと。

小学校学習指導要領解説 国語編

そして、「引用」と「出典」について次のように説明しています。

 引用とは,本や文章の一節や文,語句などをそのまま抜き出すことである文章を引用する場合には,必ず,引用する部分をかぎ(「  」)でくくることを併せて指導することが求められる。なお,文章の表現や情報だけに限らず,図表やグラフ,絵や写真なども含むことに留意する必要がある。 

 出典とは,引用元の書物や典拠などを指す書物や典拠などのタイトル,著作者,発行年など,読み手が引用元に立ち返ってその内容を確認できるよう出典を示すとともに,引用部分が適切な量になるようにする必要がある。このことは, 著作権を尊重し,保護するために必要なことであり,指導に当たっては十分留意することが求められる。

小学校学習指導要領解説 国語編

さらに、中学年の「読むこと」の言語活動例に、次のような記載があります。

 ア 記録や報告などの文章を読み,文章の一部を引用して,分かったことや考えたことを説明したり,意見を述べたりする活動。

小学校学習指導要領

そして、その説明として次のように書いています。

 説明的な文章を読み,分かったことや考えたことを,本文を引用しながら説明したり意見を述べたりする言語活動を例示している。

 例えば,自分の考えを支える理由や事例である本文の一部を引用することで, 相手に分かるように自分の考えを説明したり意見を述べたりすることを取り上げている。 

 取り上げる文章としては,記録や報告の文章のほか,対象について観察したことや調べたことを説明した文章,事物を解説した文章などが考えられる。

小学校学習指導要領解説 国語編

このように、小学校学習指導要領では、引用や出典の大切さ具体的な指導の仕方などについて書かれています。

<教科書での記載>

では、教科書では、どのような扱いになっているのでしょうか。

東京書籍の国語の教科書の4年生の下巻では、かなり詳しく書かれています。

ページの半分で「引用の仕方」という欄を設けて詳しく説明しています。

引用の仕方

 本や資料で調べて分かったことを、自分の文章に引用するときには、次のようなことに気をつけましょう。文章だけでなく、絵や図、表などを引用する場合にも気をつけましょう。

○引用する部分は、自分の考えと区別して、かぎ(「 」)などを付けて書く。

○引用する部分は、もとの文章の形のままぬき出す。

○文章全体でなく、必要な部分だけを引用する。

○引用した本の書名、筆者名(作者名)出版社名、書かれていたページなどを正しく書く。

新しい国語四下 東京書籍

引用の仕方について、具体的にかなり詳しく説明されています。

光村図書の国語の教科書の4年生の下巻では、巻末の「学習に用いる言葉」の中で「出典として取り上げています。

出典

 話や文章の中で引用したり参考にしたりした本や資料などのこと。本の場合は、①著者(作者)名、②書名、③出版社名、④発行年をします。ウェブサイトの場合は、⑤ウェブサイト名と、⑥サイト管理者の名前などのじょうほうをしめす。

〈出典のしめし方の例〉

・本の場合

①増田克彦②「世界にほこる和紙」③○○図書、④ニ〇ニ〇年

・ウェブの場合

⑤「防災情報のページ」⑥(内閣府ウェブサイト)

 意見文やほうこく文などでは、末尾に出典を示しておくことで、読んだ人が、同じ本や資料などを後からさがして読むことができる。

国語四下はばたき 光村図書

光村図書では、本だけでなく、最近子どもたちが見ることの多いウェブサイトからの引用についても触れています。

<引用をする理由>

この教育よもやま情報を読んでいただけると、様々な文章の中で「引用」をしていることが分かると思います。今、「引用」についての説明でも、「小学校学習指導要領解説 国語編」や2社の「教科書」から引用をしました。

では、なぜ「引用」をするのでしょうか? 

小田迪夫氏(大阪教育大学名誉教授)は、「説明文の授業」(田近洵一編・国土社・1996年)の中で、次のように書いています。

 説明表現の方法に関して指導者が知っておくべき、また学習者に気づかせるべき表現について、以下に列記しておく。(①~④及び⑥⑦省略)

引用(権威者の文言、格言など)によって、述べようとすることの信頼性が強められる

説明文の授業

小田氏が書いているように、引用をすることで述べようとすることの信頼性が強められます

読み手にとってあまりよく知らない人が、具体例を書いたり自分の意見を書いたりするだけでは、そのことが本当に正しいことなのか、信頼できることなのかわからないことがあります。

正しそうなのだが、間違っているかもしれない、と疑問を感じることもあります。しかし、信頼できる人や専門家の話などの「引用」が載っていると、信頼してよい、正しいことだと、書かれていることの信用性が高められます

この「教育よもやま情報」で、よく専門書を引用したり、文科省の文章を引用したりしているのは、みなさんにここに書かれていることは、信用してよい内容なのだということを感じてほしいからです。

また、引用箇所を明示する方法まで具体的に教えることになった理由の一つに、小学校学習指導要領解説 国語編でも触れているように、最近の著作権を守ることが大切だという考えもあると思います。

国民の文化についての意識が高いかどうかを測る試金石の一つに、他人の権利を守る(著作権を侵害しない)ことが大切だと考えられているかどうかということがあります。

ある国では、遊園地に日本やアメリカのキャラクターに極似したものをそのまま使ったり、勝手に先に名前を登録して、日本人の作家が違う名前でしか自作を使えなかったりしたという事例まであります。

著作権の大切さを子どもの頃から知らせたいという考えが文部科学省などにはあると思います。

ここ数年、大学生や大学の教員が、他人の書いた文章を、引用だと注釈をつけないままで論文に書き、発表して問題になる事例が多いです。

他人の書いたものを、自分の考えや意見を高めるためには、使ってよいが、勝手にそのまま使わないということも大切な教えです。

教材に、引用箇所があるかどうか、出典の明示があるかどうかも、教材分析では大切な視点です。

なお、関係する次の項目についても、併せて読んでください。

説明文の教材研究(1) 教材研究の視点に戻る内部リンク

説明文の教材研究(2) はじめとおわりに戻る内部リンク

物語文の教材研究の仕方(1)に進む内部リンク

説明文の指導の仕方(1)に進む内部リンク

物語文の指導の仕方(1)に進む内部リンク

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