どうやってみをまもるのかな 教材分析058

教材分析
つばさ
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どうやってみをまもるのかなの教材研究をしてみました。

 よい授業をするためには、ていねいな教材研究をすることが大切です。

 しかし、国語の教材の分析をするのは時間がかかります。

 そこで、大まかな教材分析例を提示することにします。

 今回は、「どうやってみをまもるのかな」です。

どうやってみをまもるのかな:教材分析

🟠どうやってみをまもるのかな:教材分析

 東京書籍の1年生の教科書に掲載されています。

<作者>

 「新しい国語」編集委員会・作

 東京書籍の教科書の編集委員会により書き下ろしされました。

 ただ、参考図書として、薮内正幸さんの「どうやってみをまもるのかな」(福音館書店・1987年)が紹介されています。

 薮内正幸(やぶうち・まさゆき)さんについて

 1940年、大阪府生まれです。日本の動物画家、絵本作家です。

 大阪府夕陽丘高等学校を卒業します。

 小学生の頃から、鳥や動物を見たり描いたりするのが好きで、動物園に行くと目当ての動物の前に行ってはいつまでもずっと見続けていました。

 高校卒業後、「世界で最も詳しい動物図鑑」の刊行を企画していた福音館書店の編集者に誘われて東京に行きます。

「薮内正幸のどうぶつ絵本」シリーズ(福音館書店・1987年)は4冊あります。今回の説明文の元になった「どうやってみをまもるのかな」以外に、「なにのこどもかな」「どうやってねるのかな」「なにのあしあとかな」があります。

 2000年に亡くなられました。

<題名>

 題名は「どうやってみをまもるのかな」です。

 この題名から、何かが自分の身を守っていることがわかります。

<はじめとおわり>

はじめ

 最初に、「どうぶつは、いろいろなやりかたで、てきからみをまもっています。」と書いています。

 身の守り方について書いていくことがわかります。

おわり

 最後の文は、「てきがにげないと、さかだちをやめて、くさいしるをとばします。」と書かれています。

 これは、3つめの動物である「すかんく」の説明です。

 もしあえて、「おわり」を作るとしたら、次のようになると思います。

このようにして、どうぶつは、いろいろなやりかたで、てきからみをまもっています。

説明文の教材研究(2) はじめとおわりに進む内部リンク

<形式段落>

 形式段落は、全部で17段落です。

 形式段落毎の簡単な内容は、次の通りです。

① どうぶつはいろいろなやりかたで、てきからみをまもっています。

②   これは、やまあらしです。

③   せなかには、とげがあります。

④   どのようにしてみをみをまもるのでしょう。

⑤   とげをたたて、みをまもります。

⑥   てきにうしろむきになって、とげを立てます。

⑦   これは、あるまじろです。

⑧   からだのそとが、こうらになっています。

⑨   どのようにしてみをみをまもるのでしょう。

⑩   からだをまるめます。

⑪   てきにこうらをみせて、じっとしています。

⑫ これは、すかんくです。

⑬ おしりから、くさいしるがでます。

⑭   どのようにしてみをみをまもるのでしょう。

⑮ しるをとばしてみをまもります。

⑯   さかだちして、おどかします。

⑰ てきがにげないと、くさいしるをとばします。

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説明文の教材研究(4) 段落関係と要点に進む内部リンク

<意味段落>

 ここでは、4つの意味段落に分かれていると考えてみることにします。

①段落:はじめ(序論)

 動物の身の守り方の説明をすることについて書いています。

②~⑥段落:なか1(本論1)

 やまあらしの身の守り方の説明をしています。

⑦~⑪段落:なか2(本論2)

 あるまじろの身の守り方の説明をしています。

⑫~⑰段落:なか3(本論3)

 すかんくの身の守り方の説明をしています。

<大事な言葉>

 どうぶつ、てき、みをまもる、やまあらし、とげ、あるまじろ、こうら、すかんく、くさい、しる とばす さかだち

説明文の教材研究(5) 大事な言葉と要約に進む内部リンク

<表現の工夫>

くりかえし

 この説明文では、同じ表現が3回続けて使われています。

 A: これは、(動物の名前)です。

 B: (動物の体の様子)。

 C: どのようにしてみをまもるのでしょう。

 D :  (動物の名前)は、(動物がすること)みをまもります。

 E:(さらに、動物がすること)。

 同じ書き方をすることで、1年生の子どもはとても読みやすくなります。

問いかけ」と「

 「どのようにしてみをまもるのでしょう。」という問いかけと一緒に、普通の時の動物の様子を絵に描いています。

 文と絵があることで、普段の動物の様子がわかります。

 そして、その答えは、次のページに書くようにしています。

 このようなクイズ形式の問いをすることで、子どもは続きを読みたいと強く思うようになります。

 次のページには、動物の身の守り方を説明した文と一緒に、敵から身を守る時の様子を絵で描いています。文と絵があることで、普段の動物とは違う、敵から身を守る時の様子がよくわかります。

説明文の教材研究(8) 列挙 反復 問いかけに進む内部リンク

<要旨>

 この説明文では、「いろいろな動物が、それぞれの動物の特徴をつかって、敵から身を守っている」ということが説明されています。

<まとめにかえて>

 この教材分析は、このブログに載せている「説明文の教材研究」で取りあげたいくつかの視点に基づいて行ったものです。

 教員のみなさん1人1人が自分で行う教材研究の参考になれば幸いです。

⭐️ ⭐️

 説明文に関係する次の項目についても、あわせて読んでください。

説明文の教材研究(1) 教材研究の視点に進む内部リンク

説明文の教材研究(3) 文章の構成に進む内部リンク

説明文の教材研究(6) 引用に進む内部リンク

説明文の教材研究(7) 表現の工夫(対比)に進む内部リンク

説明文の教材研究(9) 比喩 数量化 程度差に進む内部リンク

説明文の教材研究(10)なぜ教材研究をするのかに進む内部リンク

説明文の指導の仕方(1)指導計画に進む内部リンク

説明文の指導の仕方(10)に進む内部リンク

⭐️   ⭐️

 他の説明文の教材分析もあわせてお読みください。

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