情報モラル教育の大切さについて知りたいです。
最近パソコンやネットなどの情報通信機器の発達に伴って情報教育が盛んです。
情報教育を適正に行うためには、情報の取り扱い方について知ることも大切です。
今は、「情報モラル教育」について書きます。
情報モラル教育
🟠情報モラル教育
<情報モラル教育とは?>
情報モラルとは、情報社会で適正な活動を行うための基本になる考え方と態度です。
具体的なその内容としては、個人情報の保護、人権侵害や著作権などに対する対応、危険の回避、インターネット上のルールやマナーなどです。
文部科学省では、ホームページで、「児童生徒に身につけさせたい情報モラル」として次のように書いています。
情報モラル教育の内容は、次のように大きく2つに分けられる。1つは、「情報社会における正しい判断や望ましい態度を育てること」である。つまりは「心を磨く領域」として、自分を律し適切に行動できる正しい判断力と、相手を思いやる心、ネットワークをよりよくしようとする公共心を育てることが求められている。もう1つは、「情報社会で安全に生活するための危険回避の理解やセキュリティの知識・技能、健康への意識」である。健康への意識は、生活習慣の領域だが、昼夜逆転やネット依存など健全な生活を維持することへの悪影響がないよう適切な指導が望まれる。情報化が進み生活が便利になればなるほど危険に遭遇する機会も増える。危険を回避し安全に生活するための知識を身につける必要がある。これは、「知恵を磨く領域」と言ってよいだろう。
文部科学省 ホームページ
文部科学省ホームページ・情報モラル教育に進む(外部リンク)
なお、子ども向けの啓発動画が次のところにたくさんあります。
情報化社会の新たな問題を考えるための教材に進む(外部リンク)
このページには、「ゲームのしすぎの弊害」「ネット詐欺」「IDの大切さ」などの教材動画がたくさんあります。
<系統的なカリキュラムの作成と活用>
文部科学省が作成・公表した「情報モラル指導モデルカリキュラム表」では、情報モラル教育を「情報社会の倫理」「法の理解と遵守」「安全への知恵」「情報セキュリティ」「公共的なネットワーク社会の構築」の5つに分類し、小学校低学年、中学年、高学年、中学校、高等学校で系統的に指導することにしています。
情報モラル指導モデルカリキュラム表に進む(外部リンク)
しかし、実際の学校現場では、なかなか系統的な指導が行われていないのが、実態です。
理由としては、指導が各教科や領域などで指導することにしており、どの学年で何を指導するのか明確でないからです。
例えば、漢字であるならば、小学校学習指導要領で、小学校の何年生で、どの漢字を指導するか明確に書かれています。
しかし、情報モラル教育においては、何をいつ指導するのか明確にされていません。
あくまで各学校の努力目標のような位置づけです。
指導することは大切なので、なんとか各学校でがんばって指導してくださいね、というような感じです。
学校現場では、このように指導した方がいいので、がんばって指導してくださいね、というような教育事項はたくさんあります。
文句を言っていても、前に進まないので、情報教育担当教員などが中心になって、学校内で情報モラル教育の大まかな指導計画を作成し、指導した事柄や内容を次の学年に申し送るなどの対策をとることが大切だと思います。
<具体的なカリキュラム例>
先ほど紹介した「情報モラル指導モデルカリキュラム表」では、5つの分類の1つである「情報社会の倫理」について、それぞれ、低・中・高学年で、次のような内容について指導することにしています。
「発信する情報や情報社会での行動に責任を持つ」
・約束やきまりを守る。→相手への影響を考えて行動する→他人や社会への影響を考えて行動する
「情報に関する自分や他者の権利を尊重する」
・人やものを大切にする。→自分の情報や他人の情報を大切にする。→情報にも、自他の権利があることを知り、尊重する。
これを、1年生から6年生に割り当てて、次のような具体的な指導事項にします。
(1年生)
・テレビやパソコン、ゲーム、動画などを見る時間を、家族の人と決めて、する時間を守るようにする。
(2年生)
・友だちや自分の持ち物を大切にする。
(3年生)
・うわさ話などをすると困る人がいることを知り、無責任な行動を取らないようにする。
(4年生)
・パスワードの大切さを知り、その人の情報も、その人の体や持ち物のように大切であることを知る。
(5年生)
・メールやラインで、うわさ話や悪口を言うと、自分の知らないところで、広がってしまい大きな問題になることがあることを知る。
(6年生)
・他人の顔写真や他人が作った作品や文章などはとても大切なもので、それぞれ、肖像権や著作権があることを知る。
他の4つの内容についても、できるだけ具体的な指導事項を考えて、その学年の何月ごろに指導するか指導時期を決めて、学校全体での年間指導計画を立て、どの教科や領域の時間に指導するのか決めて、指導します。
本来は、道徳が特別な教科になり、教科書もありますので、そこで系統的に扱うのがよいように思います。しかし、現状では、「特別な教科 道徳」の中で、情報モラルを系統的の扱うようにはなっていないように思います。
最近は、子どもが家庭でゲームをしていてトラブルになることもありますので、そのようなことについても、事前に「情報モラル教育」の1つとして指導をしておくと、トラブル予防になるのかもしれないと思います。
なお、ゲームトラブルについては、元AKB48の高橋みなみが出演しているNHK for Schoolの「いじめをノックアウト」という番組に、「トラブル続出!?オンラインゲーム」という番組があります。
トラブル続出!?オンラインゲームに進む(外部リンク)
また、姉妹ブログの「よみもの」で子どもの向けに「ゲームのやりすぎ」に関して、啓発する文章を用意しています。
ゲームのやりすぎ game time too longに進む(外部リンク・よみもの)
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NHK for school 情報教育に進む(内部リンク)
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