伝記から学ぶことには何があるんですか?
小学校の国語の学習では、伝記が教材として取り上げられることがあります。
そこで、今回は、「伝記から学ぶこと」について書きます。
伝記から学ぶこと
🟠伝記から学ぶこと
<伝記の特徴>
小学校の国語の教材で、伝記が取り上げられることがよくあります。
伝記とは、ある実在した人物の生涯について書いたものです。
伝記は、ある人物のしたことや身に起こった出来事などを書いていますので、説明文的な要素があります。また、その人物の性格や出来事をより生き生きと描くために物語的な要素もあります。
伝記は、説明文と物語文の両方の要素がある文章といえます。
優れた人物の伝記を読むことで、その人物の考え方や生き方を自分に取り入れることができますので、伝記を読むことは、自分の考え方や生き方を考える機会にもなります。
<小学校学習指導要領では>
伝記は、高学年でとりあげられることが多いです。
伝記には、ある人物の生き方や考え方について触れられていることが多いので、高学年の発達段階にふさわしい学習内容であると考えられているからです。
小学校学習指導要領では、第5学年及び第6学年の「読むこと」の「言語活動例」に、次のように書かれています。
イ 詩や物語,伝記などを読み,内容を説明したり,自分の生き方などについて考えたことを伝え合ったりする活動。
小学校学習指導要領
そして、次のように解説されています。
文学的な文章を読んで,その内容を説明したり,読んで考えたことなどを伝え合ったりする言語活動を例示している。 取り上げる文章としては,詩や物語,短編小説,伝記などが考えられる。
伝記は,物語や詩のような行動や会話,心情などを基軸に物語る文学的な描写と,事実の記述や説明の表現が用いられている。
自分の生き方などについて考えたことを伝え合ったりするとは,例えば,読み取った人物の生き方などから,これからの自分のことについて考え,文章にまとめたり発表したりすることである。
小学校学種指導要領 解説 国語編
小学校学習指導要領でも書かれているように、伝記には、「物語や詩のような行動や会話,心情などを基軸に物語る文学的な描写」と「事実の記述や説明の表現」が混在しています。
これらの表現を上手に読みとることができることが大切です。
<伝記から学ぶこと>
伝記を読む目的には何があるのでしょうか? 伝記から学ぶことには何があるのでしょうか?
ここでは、私の考える伝記を読む目的や学ぶことについてです。あくまで、私見ですので、それぞれの人が、自分なりに考える伝記を読む目的や学ぶことがあっていいと思います。
伝記を読む目的は、簡単にいうと、伝記に描かれた偉人などから生き方や考え方を学ぶことです。
どのような生き方や考え方を学ぶのかは、読む人によって違うと思います。
「生きる意味を知る」
ある人は、伝記を読んで、生きる意味を知ることになるかもしれません。
多くの人は、あまり自分の生きる意味を考えないで、漠然と生きていることが多いように思います。
しかし、伝記に描かれるような人には、多くの場合、人生を生きる目標や叶えたい夢などが明確にあります。そして、自分のもつ目標や夢に向かって、努力をすることが多いです。
そのような生き方を知ることによって、自分も人生の目標や夢をもち、その目標や夢に向かって、努力することを学ぶかもしれません。
「失敗や困難から学ぶ」
ある人は、伝記を読んで、偉人でも多くの失敗や問難にぶつかっていることを知ることになるかもしれません。
伝記に描かれるような人も最初から、大きな偉業や業績、成功をおさめたわけではことがわかると思います。
時には、自分ではどうしようもない、時代の変化の中で、思いもよらないような困難にぶつかることもあります。様々な失敗にぶつかることもあります。
しかし、伝記に書かるような人は、そのような困難や失敗に対して、自分なりの解決方法や打開策を見つけて、それらの困難や失敗を乗り越えることも多いです。そのような考え方や生き方から学ぶこともたくさんあると思います。
「自分の人生について考える」
私たちは自分の人生しか生きることができません。
生まれ変わりがあるかもしれませんが、生まれ変わったとしても、私たちの人生は、死ぬまでの1回きりです。
伝記を読むことで、私たちは、他人の生きた人生を追体験することができます。
10人の伝記を読むことで、10人の人生を追体験できます。
小学生の高学年の子どもにとって、どのような人生を歩むのか、どのような職業に就くのかまだまだ未知の事柄です。
しかし、伝記を読むことで、今後の人生を生きるヒントを得ることができるかもしれません。
伝記は、とても面白い読み物です。
ぜひ、伝記を読み、楽しみつつ、自分なりの生き方や考え方を深めてください。
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