体力と情熱の時代 教師の成長段階

成長段階
つばさ
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体力と情熱の時代って何ですか?

 教員には、年齢や経験によって、様々な成長段階があります。

 初任者や新任教員の場合、最初は「体力と情熱」さえあればなんとかなることが多いです。

 今回は、「教師の成長段階:体力と情熱の時代」について書きます。

教師の成長段階:体力と情熱の時代

🟠教師の成長段階:体力と情熱の時代

<教師になるということ>

 最近の教員関係のニュースの1つとして、全国的に教員のなり手が減ってきており、教員採用試験を受験する数が減ってきていることがあります。

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 教員の仕事内容は、ブラックであり、一般企業では当たり前の残業手当さえきちんと支払われないということも、多くの人が知ることになりました。

 教師は、あまりよい職場環境でないと思う人がいるかもしれません。

 しかし、教員をめざす若者はたくさんいます。

 そんな情報はあまり気にならないで、教師になりたいと強く思う若者はたくさんいます。

 教職をめざす若者は、どのような時代にも、たくさんいましたし、今もたくさんいます。これからもたくさんいると思います。

 そして、誰もが教師になったばかりは、新人教員です。

 教育実習に行ったことがあるとしても、担任の先生の指導の元で1か月程教員の真似事をした経験しかありません。

 教員採用試験に合格して教諭になったか、残念ながら合格できないで講師になったかはあまり関係ありません。

 教員として、子どもに接することにはなんの違いもありません。

 この時期に必要なことは、子どもに対する愛情と一生懸命に頑張ろうとする気持ちだけです。

 そして、それを支えるのが「体力と情熱」です。

<体力と情熱の時代とは?>

 この「体力と情熱の時代」という言葉を知ったのは、以前このブログで紹介した東山紘久氏の著書からです。

 東山紘久氏は、著書「遊戯療法の世界」(創元社・1982年)の中で、「プレイセラピストの成長段階」について書いておられます。

 プレイセラピストの成長段階として次の3つの段階を挙げています。

○体力と情熱の時代

○技術の時代

○自己論理の時代

 これは、プレイセラピストの成長について書かれたものですが、これを読んだときに、教員の成長段階にも応用できる考えだと思いました。

 この本の中で書かれていることは、プレイセラピスト(=治療者)がクライアント(=患者)に対して行う行為についてですが、プレイセラピストを「教員」、クライアントを「子ども」、プレイを「授業」に置きかえるとしっくりとくる表現がたくさんあります。

 次のような表現があります。(あえて置きかえて表現します。)

 初めてのケースは、技術が未熟であるにも関わらず、きわめてよく治るものである。なぜだろうか。それは、技術を越えているものがあるからであろう。それを一言で言えば、「体力と情熱」ということになる。

 体力と情熱の時代は、子ども側からみると、膨大なエネルギーを教員からもらえる時代である。子どもからみてエネルギーをもらえる時代は、教員からすると消耗の時代である。消耗した時、この時代は終わる。

 教育効果は子どもにかけるエネルギー(正確には、子どもが受け取ったと感じられるエネルギー)と比例するようである。

 体力と情熱の時代は、良い時代である。教員が授業に燃えている時である。

東山紘久著 遊戯療法の世界 (引用者により一部変更)

 新任教員には、教えるための技術なんてほとんどありません。

 しかし、子どもへの気もちはとても強いです。

 しかし、授業を上手になりたいとか、子どもの役に立ちたいとか、子どもと一緒にいたいとかという思いはとても強いです。

 少しでも上手な授業をしたくて、寝る時間を惜しんで教材研究をすることもあまり苦になりません

 授業中だけでなく、休み時間などにも、子どもと一緒に運動場に出て遊んでも苦になりません。とても楽しい時間です。

 子どもが困った行為を繰り返しても、困ったなあと思いながらも、なんとかできないかなと一生懸命考え、自分のできることを精一杯考え、行動します

 子どもが好きで、子どもの役に立ちたい、子どもと一緒にいると楽しいという気持ちが、外から見ても溢れています。

 そのような新任教員の気持ちや情熱は、子どもにも自然と伝わります

 子どもたちも、自分のために一生懸命頑張ってくれる教員のことが好きになります。

 そうすると、たとえ上手な授業でなくても子どもは、授業を頑張って聞こうと思いますし、学習を頑張ろうと思います。

 新任教員の間は、自分の思うままに、体力と情熱に任せて、突き進むことが大切だと思います。

<キャリアアップについて>

 最近、多くの教育委員会で、教員のキャリアアップを図るための研修を開催したり、研修資料を公開したりしています。

 数年前にあった団塊の世代の大量退職によって、多くの自治体で、教員の年齢構成に急激な変化が起こったことが、その理由でしょう。

 よい年齢構成は、どの世代もほぼ均等にいることです。職場に、20代の若手も、3、40代の中堅も、50代のベテランもほぼ均等にいることです。

 しかし、多くの学校現場では、男女比のアンバラスや年齢構成のアンバラスが起こっています。

 上手に、全ての教職員が、他の教職員のもつよさや経験や英知を取り入れつつ、職場全体で成長できれば素晴らしいことです。

 しかし、全ての教職員が、向上心をもって、真面目に誠実に働いている職場はあまりないかもしれません。

 病気や子育てのために、パフォーマンスが落ちている教員がいる職場もあるかもしれません。

 考え方や指導方法に癖があり、子どもに上手に指導ができない教員がいるかもしれません。

 子どもに教育をすることは、比較的簡単ですが、自分なりの考えや生き方を明確にもっている教職員に、新しい考えや生き方を伝えることは、とても困難なことです。

 ぜひ、若くて体力があり、情熱もある時代に、学び続けることの大切さを知る教員になってほしいと思います。

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