名前カードとは、どんなものですか?
名前カードというものがあります。とても使い勝手のよいものです。ただ、費用がかかりますので、全ての学校ですぐに活用できるかどうかはわかりません。
ここでは、次のことを書きます。
予算委員会と児童費
名前カードの作り方
名前カードの活用の仕方
予算委員会と児童費
多くの公立学校では、「予算委員会」というものが前年度に開かれ、次年度の学校の予算について話し合われます。そして、新年度の最初に、新しい管理職や教職員が着任した段階で、修正箇所を加えて、正式な予算案が作られ、購入します。
また、担任するとすぐに、保護者に負担をお願いする「児童費」で、どのようなドリルを買うのか、遠足の交通費などはいくらかかるか、図工で作る作品の材料費にはいくらかかるのか、などを全て計算します。そして、年間に必要な費用を決め、いつ、お金を徴収するか決め、保護者に通知します。
教育活動に必要なものを、学校が負担する公費で購入するのか、保護者に負担いただく児童費で購入するのかによって、多少の違いはありますが、使う必要のある月の前の月までに、各係が、事務職員に書類を提出し、予算にしたがって、購入します。
教育委員会から配当される公費は、児童数や学級数などの学校の規模などによって、違います。
教育委員会は、それぞれの自治体によって設置されていますので、各学校に割り当てられる公費も、全国一律というわけではありません。
年度末近くになると、子どもに配付するプリントに使う印刷用の紙が足らなくなるという話を、他の自治体に就職した友だちに聞いたことがあります。
教育費は、潤沢にあればいいと思いますが、日本国政府の予算が、毎年多額の国債でまかなわれている現状を考えると、なかなかそうはなりません。
保護者に負担いただく「児童費」も、生活保護家庭などには、補助が出ますが、できるだけおさえたいところです。
最近、「給食費」を公費負担する愛知県や大阪府の各自治体などの例もありますが、恒久的に無償にすることが決まっているわけではありません。
名前カードの作り方
前置きが長くなったような気もします。
🟠名前カードの作り方
名前カードの作成には、両面カラーの板磁石が必要です。
板磁石は、横幅100mm、長さ300mmのものが多いです。
これを、75mm×25mm程度の大きさに切り分けます。
そして、両面に子どもの名前を書きます。
名前は、子ども自身が書いてもいいでしょうし、担任の先生が書いてもいいです。
学級の実態に合わせて決めてください。
1人1枚ないし、2枚ずつ作ります。
🟠名前カード作成にかかる費用
横幅100mm、長さ300mmのもので、1枚350円から400円程度します。
これを、75mm×25mm程度の大きさに切り分けますので、1枚のシートから16名分作れます。
40人学級では、このシートが3枚ないし5枚必要ですので、1200円から2000円程度の費用が必要です。
1学級ではなく、全学級作るとなると、1学年3クラスずつの学校ですと、18学級ありますので、2万円から3万6千円ほど必要です。
学校によって、公費の執行の方法には、かなりの違いがあります。
チョークや黒板消し、ボールペン、板磁石などの消耗品の購入は、主に事務員さんが計画的に購入することが多いです。
両面カラーの板磁石などは、例年の活用状況によって、購入量に差があります。
私の勤務していたA校では、4月になると、みんなが名前カードを作っていましたから、在庫も潤沢にありました。なければ、すぐに補充もしてくださいました。
しかし、B校では、あまり両目カラーの板磁石の需要がなく、少量しか置かれていませんでした。
文房具などの受け取り方も学校により差があります。必要なものを自由に落ち出してよい学校もありました。必要なものを持ち出す時は、その都度、事務室に置かれているノートに「日付、品目、数量、持ち出す人の名前」を書くことが決まっている学校もありました。
みなさんの勤務されている学校の消耗品の受け取り方法が分かりませんので、両面カラーの板磁石がすぐに手に入るかどうかわかりません。しかし、ない場合は、一度、事務員さんや管理職と相談して購入してもラッテください。もしだめな場合は、両面カラーの板磁石の購入希望を、来年度の予算委員会が開催される前に申請してください。
名前カードの活用の方法
次に、活用の方法について書きます。
🟠係などの希望を聞く時に活用する
学級で係を決めるときに、「保健係」「図書係」などの係名の下に、「名前カード」を貼りに行かせます。
学校の黒板は、磁石なっていることが多いので、簡単に貼ることができます。
1人1人の名前を書き上げるのは時間がかかりますが、これだとすぐに希望がわかります。
また、学習発表会などで、劇の上演をすることになったときに、希望の配役を決めることがあります。
その時も、自分のしたい役などに「名前カード」を貼ります。こうすると、希望がすぐにわかります。
🟠授業中、自分の意見がどちらか表明するために活用する
例えば、道徳の授業で、次のような発問をしたとします。
「友だちが、教室から離れた場所で、怪我をしました。そのことを先生に伝えようと思います。その時あなたは、①早く伝えるために、廊下を走りますか? それとも、②ルールを守って、歩いて伝えに行きますか?」
このことを話し合うために、自分の立場を決めさせてから、議論しようとします。
そのような時に、黒板に①の立場か、②の立場か「名前カード」を貼りに行かせます。
「名前カード」を使うと、誰が、どちらの立場か一目瞭然です。
このような活用もできます。
学級では、様々な場面で、子どもたちの考えを聞きたいことがあります。
「名前カード」を活用すると、このような授業の場面で、短時間で、立場を明確にすることができます。
授業には、様々な約束事があります。きちんと子どもと決めておく方がよりよい授業ができます。
「授業の約束事」については、次のページに書いています。
授業の約束事に進む(内部リンク)
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