授業中の約束事について教えてください。
授業には、学校で決められた約束事もあれば、各学級で決められた約束事もあります。
今回は、授業中の約束事について書きます。
挨拶について
学級には、実にたくさんの約束事があります。
授業の際にあいさつするクラスもあれば、チャイムと同時にすぐに導入から始まるクラスもあります。
柔道や剣道などでは、「礼に始まり、礼に終わる」ことが大切にされています。毎時間きちんとあいさつをするクラスもあるでしょうし、朝きちんと挨拶しているのだから、毎時間のあいさつは時間の無駄であり、不要だという考えもあります。
どちらが正しいというわけではありません。
担任の先生がきちんと説明のできる約束を子どもとの間できちんと決め、一年間ずっと同じ約束を続けることが大切だと思います。
ただ、他のクラスの研究授業や、他の学校の研究会で他のクラスを見て、参考にすればよいと思う約束事やルールは積極的に取り入れてもよいと思います。
挙手の時の「はい」について
ただ、止めた方がいい約束事もあると思います。
低学年の学級などの中には、指導者の発問に対して、挙手をしながら、「はい、はい」と、大きな声を出す子どもたちがいます。
この状態を見て、活気がある元気のいい学級だなと、感じる人もいると思います。
倉澤栄吉氏は、「国語の教師 指導法のてびき」(牧書店 1954年)の中で、この状態を「ハイハイ病」と称し、なくすようにすすめています。
「はい、はい」という声の響いている学級の中では、じっくりと考えることはむずかしいからです。
私もこの考えに賛成です。
挙手するだけで、発言したいことは、よくわかるので、板書している時など、後ろを向いている時以外は、黙って手を挙げるように、子どもたちには伝えていました。
朝のスピーチの時のルール
随分前になりますが、広島大学附属小学校の研究会に参加したことがあります。
授業参観の前に、朝のスピーチの参観もしました。
スピーチの時に、スピーチする子どもが前に出るだけでなく、同時に後ろにも子どもが立ちました。
そして、スピーチが終わったあとで、後ろに立つ子どもが最初の質問をしていました。
後ろに子どもが立つことで、スピーチする子どもが、教室の後ろまで聞こえるぐらいの声の大きさで話をするということを意識づけているのだと思いました。
また、質問者を同時に、後ろに立たせることで、質問者が一部の子どもに偏らないようにしているだと思いました。
優れた授業者というのは、意図的・計画的に授業方法を改善・修正し、子どもに力をつけるためには、どうすればいいのかということを絶えず考えているように思います。
子どもと先生の約束事の中には、きちんと定着し、子どもの力が伸びるのに役立っている約束事もあるでしょうが、中には、約束事が形骸化したり、あまり意味のない約束事になったりしているものがあるかもしれません。
時折、自分の学級の約束事を見直してみてください。
他の学習の約束事については、次のページを見てください。
学習の約束事を作るに進む(内部リンク)
約束事ではありませんが、学級に備えておくとよいものに「名前カード」があります。
名前カードについては、次のページを見てください。
名前カードの活用に進む(内部リンク)
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