本は楽しむもの 読書のすすめ(4)

教材分析
つばさ
つばさ

米村でんじろうさんの書かれた読書をすすめる文章についてです。

 読書をすることはとても意味のあることです。

 今回は、米村でんじろうさんの書かれた「本は楽しむもの」という文章と「大人に好きな本

を聞くことのよさ」についてです。

本は楽しむもの:教材分析

🟠本は楽しむもの:教材分析

 この教材は、東京書籍の4年生の教科書に掲載されている文章です。

<作者>

米村でんじろう(よねむら・でんじろう)さん作

出典:この教科書のために書き下ろされました。

米村でんじろうさんについて

 1955年(昭和30年)、千葉県市原郡賀茂村で生まれます。日本のサイエンスプロデューサーです。生まれた時の名前は、戸山傳治郎さんで、結婚して米村さんになりました。

 千葉県市原高等学校卒業後、新聞配達奨学生や牛乳配達のアルバイトをしながら勉強をして、東京学芸大学に入学しました。

 大学卒業後、自由学園の講師や都立高校の理科の教員をしていました。

 1996年3月に都立高校を辞めた後は、サイエンスプロデューサーとして独立しました。

 同年5月に米村さんを追ったドキュメンタリー番組「おれは日本のガリレオだ!?」がNHKで放映されると、各地の学校や科学館からの講演依頼が殺到するようになったそうです。

 ドーナツ状の渦の輪を発生させる「空気砲」や静電気を体験する「百人おどし」などの実験が有名です。

<題名>

 題名は「本は楽しむもの」です。

<はじめとおわり>

はじめ

・この文章は、次のような文から始まります。

 生まれ育ったのは、千葉県の山間部の村だったので、本屋さんがありませんでした。本は買って読むというよりも、学校の図書館でかりて読みました。

おわり

・この文章では、次のような文で終わっています。

 科学の本は、人間が長い時間をかけて発見してきたいろいろなこと、好奇心をみたしてくれる不思議なことを、分かりやすくとき明かして、楽しませてくれます。

<形式段落>

① 工作や科学実験の本をかりて自分でも作った。ガリレオなどの伝記も好きだった。

② この世界は「ハリー・ポッター」の魔法の世界と同じように不思議なことだらけだ。

③  科学は人間の作った文化の一つだ。科学の本は、不思議をとき明かし楽しませてくれる。

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<意味段落>

 今回の米村さんの書かれた文章は、3つの形式段落しかありません。

 今回は、3つの形式段落がそのまま3つの意味段落になります。

①段落:はじめ(序論)

 子どものころ、本は学校でかりて読みました。工作や科学実験の本をかりて自分でも望遠鏡やモーターを作りました。理科の質問を集めた本や科学図鑑が好きでした。ガリレオやニュートンや野口英世などの伝記も好きでした。「十五少年漂流記」にえいきょうを受けて、ぼうけんごっこをしました。

②段落:なか(本論)

 この世界は「ハリー・ポッター」の魔法の世界と変わらないぐらい不思議なことだらけです。

ほうきで空は飛べなくても、飛行機でどこでも行けます。テレパシーがなくても、インターネットやけいたい電話で世界と結ばれています。科学は、不思議さをはっきり見せてくれます。 

③段落:おわり(結論)

 「科学は何だろう。」と考えると、音楽や物語や映画などと同じ人間の作った文化の一つです。大人になると、不思議なことなどないような気になります。子どもには、いろいろなことに不思議さを感じる力があるので、不思議さを楽しむといいです。科学の本は、人間が長い時間をかけて発見したことや好奇心をみたす不思議なことを、分かりやすくとき明かし、楽しませてくれます。

<大事な言葉>

 科学、望遠鏡、モーター、虹、ガリレオ、ニュートン、野口英世、伝記、ジュール・べヌル・十五少年漂流記、ハリー・ポッター、テレパシー、インターネット、好奇心

<表現の工夫>

「列挙」

 この説明文では、米村さんが好きだったたくさんの本をあげています。

 題名が載っていない本としては、工作や科学実験の本、「虹はなぜ七色になるのか」というような理科の質問を集めた本、科学図鑑です。

 また、ガリレオ、ニュートン、野口英世などの伝記です。この3人は、科学者としてとても有名な人たちです。

 具体的な名前のある本は、ジュール・ベルヌの「十五少年漂流記」とハリー・ポッターの本です。

<要旨>

 この説明文では、米村さんが科学の楽しさを伝えることを仕事にされているということもあり、科学が、不思議な世界をはっきり見せてくれるものであり、科学の本が不思議なことを分かりやすくとき明かし、楽しませてくれるものであることについて書いています。

大人に好きな本を聞くことのよさ

<大人に好きな本を聞くことのよさ>

 この東京書籍の「本は友達」というエッセイのシリーズでは、2年生から6年生の教科書に、その学年の子どもにふさわしい本の紹介と本のよさを伝える有名人の文章が載っています。

 2年生は、やなせたかしさんの「どうわの王さま」

 3年生は、茂市久美子さんの「心の養分」

 4年生は、今回取り上げた米村でんじろうさんの「本は楽しむもの」

 5年生は、あさのあつこさんの「すてきなこと」

 6年生は、上橋菜穂子さんの「ほんがいざなう、もう一つの世界へ」

という文が載っています。

 その後に4ページにわたり28冊の本が紹介されています。

 その後、読書に関係する簡単な文章が載っています。

 4年生の教科書では、「世代をこえて」という文章が載っていて、次のような文章が続きます。

 先生や家の人などに、子どものころに読んだ本の中で、心にのこっている本や好きだった本はどんな本が聞いてみましょう。教えてもらった本をさがして、自分でも読んでみましょう。

新しい国語四上 東京書籍

 ここにも書いているように、大人に好きな本を聞くことはとても意味のあることです。

⭐️ ⭐️

 あわせて読書に関係する文章もお読みください。

子どもを本好きにさせる方法 読書のすすめ(1)に進む内部リンク

どうわの王様 読書のすすめ(2)に進む内部リンク

心の養分 読書のすすめ(3)に進む内部リンク

読む力を育てる① 多文種の短い文章をたくさん読むに進む内部リンク

読む力を育てる② 教科書の作品の姉妹作品を読むに進む内部リンク

読む力を育てる③ 読み聞かせに進む内部リンク

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