やなせたかしさんの書かれた読書をすすめる文章についてです。
読書をすることはとても意味のあることです。
今回は、やなせたかしさんの書かれた「どうわの王様」という文章と童話のよさの紹介です。
どうわの王様:教材分析
🟠どうわの王様:教材分析
この教材は、東京書籍の2年生の教科書に掲載されている文章です。
<作者>
やなせたかし・作
出典:この教科書のために書き下ろされました。
やなせたかしさんについて
1919年(大正8年)生まれです。日本の漫画家、絵本作家、詩人です。本名は、柳瀬嵩です。
高知県生まれです。東京高等工芸学校図案科(現・千葉大学工学部総合工学科デンザインコース)卒業です。
「アンパンマン」(キンダーおはなしえほん・フレーベル館・1973年)の生みの親としてたいへん有名です。
絵本作家・詩人として活躍する前は、編集者、舞台美術家・演出家・司会者・コピーライターなどさまざまな職業をされています。
1988年(昭和63年)からテレビアニメ「それいけ!アンパンマン」の放送が始まりました。最初は、あまり人気がありませんでしたが、徐々に人気があがり、2023年(令和5年)現在でも放送は続いています。アンパンマンや他の登場人物は、乳幼児や児童などを中心に大人気です。
2013年(平成25年)93歳の時に、亡くなりました。
<題名>
題名は「どうわの王さま」です。
<はじめとおわり>
○はじめ
この文章は、次のような文から始まります。
ぼくが、二年生のみなさんにおすすめしたいお話は、アンデルセンやグリムきょうだいが書いたどうわです。
○おわり
この文章では、次のような文で終わっています。
みなさん、本をたくさん読んで楽しんでください。
<形式段落>
① ぼくが二年生におすすめしたいのは、アンデルセンやグリムきょうだいが書いたどうわだ。
② 子どものころに読んだ本を大人になって読むと新しい発見がある。くりかえし読むのもよい。
③ 絵のない本を読むと、じぶんの頭で人ぶつがどんどんうごき、それがとてもよい。
④ みなさん、本をたくさん読んで楽もう。
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<意味段落>
ここでは、3つの意味段落に分かれていると考えてみることにします。
①段落:はじめ(序論)
2年生におすすめしたい本は、アンデルセンやグリムきょうだいが書いたどうわです。アンデルセンとグリム兄弟のどうわには、すばらしい本がたくさんあります。アンデルセンでは、「雪の女王」がおすすめです。グリム童話では、「ヘンゼルとグレーテル」がおすすめです。
②~③段落:なか(本論)
子どものころから本をたくさん読んできました。子どものときに読んだ本を大人になってから読みかえすと、新しい発見があります。本には、絵のない本もあります。本を読むときに頭の中で人ぶつを思いうかべながら読むと、人ぶつが動きます。本を読むことは、考えることのくんれんにもなります。
④段落:おわり(結論)
本をたくさん読んで、楽しんでください。
<大事な言葉>
どうわ、アンデルセン、グリムきょうだい、しゅじんこう、発見
<表現の工夫>
「列挙」
この説明文では好きな童話をたくさんあげています。
アンデルセンの童話としては、「みにくいあひるの子」「マッチ売りの少女」「人魚ひめ」「雪の女王」の4作品を挙げています。
グリム兄弟の童話では、「赤ずきん」「おおかみと七ひきの子やぎ」「ブレーメンの音楽たい」「ヘンゼルとグレーテル」の4作品を挙げています。
今まであまり作者を意識しないで童話を読んでいた子どもたちも、改めて作者名を知ることでもっと親近感がわくのではないかなと思います。
「文末」
この文章では、ほとんどが敬体で書かれていますが、一部の文末が常体になっています。
次の3箇所です。
・ぼくは、アンデルセンの作品では、とくに「雪の女王」がおもしろかった。
・しゅじんこうが、ぼうけんのたびをするところがいい。
・じぶんの頭の中で、本の中の人ぶつがどんどんうごいていく。
文章にリズム感があるというよさはありますが、この文章の文末が揃っていないことに気づく子どもを育てたいと思います。
<要旨>
この説明文では、どうわを読むことのよさについて書いています。たくさん本を読むことをすすめています。
童話のよさ:読書のすすめ
<童話のよさ>
小学生の子どもが一番たくさん読む本は、童話かもしれません。
ここで取りあげているアンデルセンやグリム兄弟のように、外国人の童話作家だけでなく、日本にも優れた童話作家がたくさんいます。
この文章を書かれているやなせたかしさん自身が優れた童話作家です。やなせたかしさんといえば、どうしても「アンパンマン」が有名ですが、優れた童話作品もたくさん書かれています。
日本にもたくさんの優れた童話作家がたくさんいます。
文章の後には、「二年生の本だな」というコーナがあります。そこでは、28冊の童話が紹介されています。ここに紹介されている本以外にも、すばらしん童話はたくさんあります。
できれば、ここに取りあげている本は、学級文庫にそろえたいと思います。費用的に無理な場合は、近隣の公立図書館と相談して、できるだけたくさんの本を揃えることをおすすめします。
そして、童話を読むときには、私のブログでも紹介していますが、「教科書の作品の姉妹作品を読む」という方法はとてもよい方法だと思います。
やなせたかしさんの書かれた「どうわの王さま」と「二年生の本だな」というたくさんの本を紹介してページの後には、「同じ人ぶつが出てくるお話を読もう。」という文章が出てきます。
そこでは、お話の中には、同じ人物が出てくるお話があることや、1つのお話を読んだら、その続きを読むことのよさについても書かれています。
同じ作者の書いた主人公が同じ本を読むことは、とてもいい方法だと思います。
⭐️ ⭐️
子どもを本好きにさせる方法 読書のすすめ(1)に進む(内部リンク)
読む力を育てる① 多文種の短い文章をたくさん読むに進む(内部リンク)
読む力を育てる② 教科書の作品の姉妹作品を読むに進む(内部リンク)
読む力を育てる③ 読み聞かせに進む(内部リンク)
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