国際成人力調査って何ですか?
子どもの学力を国際的に比較する調査に,PISA調査というのがあります。
その大人版に、「国際成人力調査」というものがあります。
今回は,「国際成人力調査」について書きます。
国際成人力調査
🟠国際成人力調査
現在、国際成人力調査の2回めが、調査中です。2022年から2023年にかけて、行われています。
国際成人力調査は,子どもの学力を国際的に比較するPISA調査と同じように,経済協力開発機構(OECD)という国際組織が行う調査で、その大人版です。
この調査の1回めは、2011年から2012年にかけて行われました。アメリカやドイツ、フランスなど24の国や地域で、ばらばらに選ばれた16~65歳の約15万7千人が受けました。このうち、日本は5173人の人が受けました。
調査と言っても、国語や算数の問題とは少し違って、生活に必要な力がどれだけあるかが試されました。
出題されたのは3つの分野です。文章をどれだけ理解できるかという「読解力」、金額を正確に計算するなどの「数的思考力」、パソコンでメールを作ったりメールを送信したりできるかとみる「ITを活用した問題解決力」の3つです。
問題には、原則としてパソコンを使って答えることになっていました。ただし、上手くパソコンを使えない人は、紙のテストを受けるために「ITを活用した問題解決力」の問題には答えないでよいようになっていました。
参加者は、それぞれの能力に応じて、1、2分野の20問から46問に答えました。
🟠国際成人力調査1回めの結果
国別の成績をみると、日本は、「読解力」と「数的思考力」の分野で、参加国中1位だったそうです
日本の参加者の平均は、読解力が500点満点中296点(参加国・参加地域の平均は273点)、数的思考力は288点(同269点)でした。
ところが、「ITを活用した問題解決力」の結果は、日本は10位でした。
この分野は参加国の平均並みでした。日本では、パソコンが普及したとはいえ、まだまだ苦手意識をもっている人が多いようです。
調査参加者のうち成績が中上位の人の割合は35パーセントでした。この分野の問いに答えなかった人も随分いました。結果は、受けなかった人も母数に含めて割合を出したために、このような結果になったそうです。
日本以外では、フィンランドやオランダ、スウェーデンなどの国が3分野とも成績がよかったそうです。
一方、アメリカは、読解力16位、数的思考力21位、IT能力14位だったそうです。
ドイツは、読解力15位、数的思考力12位、IT能力8位でした。
子どもの学力低下が、問題になっていますが、日本の大人の学力は決して低くないみたいです。
ただ、コンピューターなどを活用する能力については、上手く活用できている人とあまり活用しようとしない人の差があるみたいです。
10年ほど前の調査ではありますが、日本人は優秀なんだと改めて感じました。
最近、日本では、平均賃金が20数年上がっていない、日本は終わったなどという意見が多いですが、方法次第では、まだまだ十分世界で通用すると思います。
国際成人力調査結果に進む(外部リンク)
子どもの調査であるPISAについては、次のページをご覧ください。
PISA(1)PISAとは?に進む(内部リンク)
PISA(2)フィンランドの教育のよさに進む(内部リンク)
PISA(3)PISA型読解力とは?に進む(内部リンク)
PISA(4)PISA型読解力テストに進む(内部リンク)
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