PISA(2) フィンランドの教育のよさ

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フィンランドの教育について知りたいです。

 一時期、フィンランドの教育が注目されていました。理由は、PISAの調査においてとても素晴らしい結果を残していたからです。

 今回は、フィンランドの教育のよさについて書きます。

フィンランドの教育のよさ

🟠日本とフィンランドのPISAにおける結果

 日本の2000年から2009年までの調査結果は次の通りでした。

読解力」は、1回目が8位、2回目は14位、3回目は15位、4回目は8位でした。

数学的リテラシー」は、1回目が1位、2回目は6位、3回目は10位、4回目は9位でした。

科学的リテラシー」1回目が2位、2回目は1位、3、4回目は5位でした。「問題解決」は2回目のみ実施で、4位でした。

 フィンランドの2000年から2009年までの調査結果は次の通りでした。

読解力」は、1回目が平均546点の1位、2回目は平均543点の1位、3回目は547点の2位、4回目は536点の3位でした。

数学的リテラシー」は、1回目が平均536点の4位、2回目は平均544点の2位、3回目は548点の2位、4回目は541点の6位でした。

科学的リテラシー」1回目が平均538点の3位、2回目は平均548点の1位、3回目は536点の1位、4回目は554点の2位でした。「問題解決」は2回目のみ実施で、平均548点の2位でした。

 日本の結果と比べても、その素晴らしさがわかっていただけると思います。

 特に、日本が振るわない「読解力」も3位までを維持していました。

🟠なぜフィンランドの学力が高いのか?

なぜフィンランドの子どもたちの『学力』が高いのか」(教育科学研究会編・2005・国土社)という本があります。

 その本の中に、当時、東京大学教授であった佐藤学氏の書いた「フィンランドの教育の優秀性とその背景-PISA調査の結果が示唆するもの-」という文章があります。

 その文章の中に次のような文章があります。

 フィンランドの「学力世界一」の優秀性は次の3点に代表される。第一は「学力水準(平均点)」の高さである。第二は「学力格差」のが少なさである。フィンランドは、PISA2000の「読解リテラシー」において「学力水準」が1位であっただけでなく「学力格差」が少ない点においても世界一であった。PISA2003の「数学リテラシー」でも同様であり、「学力格差」は四一カ国中アイルランドに次いで最少であった。フィンランドは、生徒間の「学力格差」が少ないだけでなく、学校間の格差も地域間の格差も少なという特徴を示している。(中略)第三は社会経済的背景の影響における教育の優秀さである。フィンランドはPISA2000の「読解リテラシー」においてもっとも社会経済的背景の学力への影響が少ない結果を示し、PISA2003の「数学リテラシー」においても、オーストラリア、カナダ、チェコ、韓国、日本と同様、社会経済的背景の学カヘの影響が少ない結果を示していた。

佐藤学・フィンランド教育の優秀性とその背景

 この本によると、貧富の差が少ないこと、教師が優秀であること(フィンランドでは、教員は全て大学院を修了している)、学校と教室の規模が小さいことなどが、学力が高い背景にあることなどについて書かれています。

🟠フィンランドの「読解力」が高い理由

 フィンランドの「読解力」が高い理由として読書があります。

 フィンランドの家庭における読書時間の長いのもフィンランドの特徴です。

 PISAの結果を見ても、フィンランドの子どもの校外での学習時間は、日本よりも短く世界で最低レベルです。

 しかし読書への関心と読書量は世界一です。

 PISAにおいて、読書を趣味とする生徒の割合は世界でもっとも高く、女子生徒の64%が「読書を趣味」と答えていました。

 大人の読書週間も世界でトップレベルです。フィンランドは図書館制度が充実しており、国民1人当たり年間21冊の本が貸し出されているそうです。

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 フィンランドの教育とPISA型読解力について、次のページもあわせて読んでください。

教育書紹介:フィンランドの教育力に進む内部リンク

技術の時代 教師の成長段階に進む内部リンク):フィンランドの教員養成制度

PISA(3)PISA型読解力とは?に進む内部リンク

PISA(4)PISA型読解力テストに進む内部リンク

PISA(1)PISAとは?に戻る内部リンク

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