PISAって何ですか?
PISAという言葉を聞いたことがあるでしょうか?
今回は,「PISAとは?」何かについて書きます。
PISAとは?
🟠PISAとは何か?
知っている方にとっては、今更の話題かもしれませんが、今回は、PISAについて書きます。
PISAとは、OECDが主催する学力調査のことです。
OECDとは、「経済協力開発機構」のことです。この機構は、ヨーロッパ諸国を中心に日本やアメリカを含めた先進国の国々が加盟する国際機関です。
OECDの目的は、先進国間の自由な意見交換・情報交換を通じて、①経済成長、②貿易自由化、③途上国支援に貢献することです。
このOECDが義務教育を終えた15歳の生徒を対象に行っている国際的な学力調査のことをPISAと呼んでいます。
PISAの日本での正式名称は、「OECD生徒の学習到達度調査」です。
英語のProgram for International Student Assessmentの頭文字からとって、PISAと呼ばれています。
「ピサ」と発音する人も多いですが、正しくは「ピザ」と濁って発音します。
日本では高校1年を対象に、3年に1度「読解力」「数学的リテラシー」「科学的リテラシー」「問題解決(4つめの分野は2003年のみ実施)」の3分野ないし4分野を調査したものです。
問題文は全てそれぞれの国の言葉に翻訳され、参加国の子ども達は全て同じ問題を解きます。
そして、国際比較をすることにより、教育方法を改善し、標準化する観点から、生徒の成績を研究することを目的としています。
🟠PISAの歴史
第1回目のテストは、2000年に行われ、2回目は2003年に、3回目は2006年、4回目は2009年、5回目は2012年、6回目は2015年、7回目は2018年に行われました。
8回目は2021年に行われる予定でしたが,新型コロナウイルスの世界的な流行のために,2022年に実施することになっています。
調査結果は、国際報告書をもとに翻訳され、国立教育政策研究所が編纂しています。
国立教育政策研究所のホームページの中の「国際研究・協力部」のところに、今までの調査の内容が載せられています。
OECD生徒の学習到達度調査(PISA)に進む(外部リンク)
🟠PISAの順位の変動
各年により、参加国の数も違いますので、順位だけを表記してもあまり意味はないかもしれませんが、国際的な日本の学力の大体の傾向はわかると思いますので、順位を載せておきます。
詳しいことは、国立教育政策研究所のホームページなどを参照してください。
🟠PISAが話題になる理由
教育界で、なぜPISAが話題になるかといえば、上の表にあるように、日本の順位が変動するからです。
OECDや教育学者による分析結果では、「読解力」を除いて、日本は、上位グループに入るとされています。日本の順位が下がったことを「学力低下」とする考えは、統計的には正確とはいえないとする教育学者もいます。
世界的に見て学力が満足できるとは言えないとする教育学者もいます。
ただ、「読解力」については、問題があるのは確かなようです。
PISAの「読解力」のテストでは、記述式の設問が多く、それらに対して、日本の生徒は他国の生徒に比べ、無回答の割合が多いというのも事実です。
これらのPISA結果を元に、学習指導要領の改訂で、授業時数や学習内容を増やす学力重視の方針へと舵を切りかえたのも事実です。
PISAで成績のよいフィンランドの教育やPISAが読解力について次のページに書いています。
PISA(2)フィンランドの教育のよさに進む(内部リンク)
PISA(3)PISA型読解力とは?に進む(内部リンク)
PISA(4)PISA型読解力テストに進む(内部リンク)
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