子どもに毅然とした態度で接することはできますか?
教員として子どもや保護者に対応する場合、いくつかの心得を持っていた方が良いことがあります。
そこで、今回は、「毅然とした態度」の大切さについて書きます。
毅然とした態度 教師の心得⑤
🟠毅然とした態度 教師の心得⑤
<子どもの習性>
多くの子どもは、先生のことが好きです。
年齢を重ねるとともに、学校で教員との関係性の中で嫌な思いをした子どもの中には教員を敬遠する子どももいます。
しかし、基本的には、子どもは教員のことが好きです。
子どもは、可愛く素直な子どもも多いのですが、みんながみんな素直で教員のいうことをきちんと聞くわけではありません。
子どもの中には、いろいろな方法で、教員の力量を確かめようとすることがよくあります。
教員が若い場合は、特に自分の力を誇示しようと思う子どももいます。
できれば、自分のわがままを通そうと考える子どももいます。
遊び時間の後、チャイムが鳴ってもなかなか帰ってこないことも、試し行動のひとつです。
4時間めの授業が終わった後、すぐに給食着に着替えないで、友だちとおしゃべりを楽しんでいるのも、試し行動のひとつです。
このようなわがままな子どもの態度に接したときに、「毅然とした態度」をとれるかどうかは、教員の資質としてとてもとても大切なことです。
子どもの中には、家庭環境、発達障がい、性格などの影響で、とても手のかかる子どもがいます。
教員や友だちに対して暴力的で、すぐ暴言をはいたり大声を出したりする子どももいます。
このような子どもに対しても「毅然とした態度」をとれるかどうかは、教員としてとても大切な能力です。
<前もって手立てをうっておく>
新任の教員とベテランの教員の学級経営の違いのひとつが、子どもが問題行動を起こしてから対応するか、子どもが問題行動を起こさないように対応するか、ということがあります。
教育界には、「黄金の三日間」という言葉があります。
今はTOSSと呼ばれる教育団体の基礎の教育団体である「教育技術法則化運動」という教員団体を組織し、教員の資質向上に大いに影響を与えた向山洋一氏の唱えた言葉です。
向山洋一氏は、「最初の三日で学級を組織する」(明治図書・1999年)や「新・黄金の三日間で一年間を成功させる 」(明治図書・2011年)の中で、新年度当初の最初の3日間の間に子どもの中にきちんとした学級のきまりを作ることの大切さを力説されています。
「新・黄金の三日間で一年間を成功させる」の紹介ページの中には、次のような言葉が書かれています。
「黄金の三日間」で一年間の教師生活が決まる。
「黄金の三日間」に全力をあげてこそ充実した教師生活ができる。ないがしろにすると苦痛の一年が待っている
新任教師に「黄金の三日間」の大切さを伝えよう。ヴェテランになっても油断することなく新しい決意で「黄金の三日間」をすごそう
新学期にあたりどうしても心掛けたい「三つ」のこと
教師には「統率力」が必要である。「統率」には「二つの面」がある
新・黄金の三日間で一年間を成功させるの紹介ページ
新・黄金の三日間で一年間を成功させるの購入ページに進む(外部リンク)
なお、黄金の3日間に関する詳細は、「TOSSランド」の中の、次の記事をお読みください。
黄金の3日間に進む(外部リンク)
黄金の3日間 完全シナリオ 1日目に進む(外部リンク)
黄金の三日間に進む(外部リンク)
教員にとって大切なことのひとつは、子どもとの出会いの前に、きちんとどのような学級を作りたいか考え、基本的な学級のルールを作り、そのことを子どもにきちんと伝えることです。
きちんと伝えても、先ほどから何回も書いているように、子どもは教員の態度を確かめる試し行動を行います。
その時に、どのように対応できるかで教員の力量がわかります。
冷静に毅然とした態度で、子どもに接することができるかどうかで、子どもにとっても教員自身にとっても楽しい一年になるかどうかが決まってしまうといっても大袈裟ではないように思います。
教員は、大きな声を出したり、強く叱ったりする必要はありませんが、子どもの行うよくない態度をきちんと指摘し、改めるように伝えることはとても大切です。
子どもの試し行動に気づかないまま放置するというのも、勿論よくありません。
学級のきまりの基準を作るのは教員の大きな仕事です。
明確に何がよくて、何がよくないのかを伝え、一年間そのルールを教員自ら守ることが大切です。
ですから、もし子どもに、「時間を大切にしましょう」というルールを伝えるのであれば、チャイムがなる前に教員は、教室にいる必要があります。
他の教職員との打ち合わせや保護者対応などで教室へ行くのが間に合わない場合は、きちんと理由を伝え、謝ることが必要かもしれません。
もし子どもに、「友だちを大切にしましょう」というルールを伝えるのであれば、教師自ら子どもを大切にする必要があります。子どもの名前をきちんと「さん」をつけて呼んだり、話をする時には、時にはかがんで子どもの目の高さに合わせたりするなど、子どもが大切にされていると思えるような態度で接するようにすることが大切です。
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併せて、教員の心得に関するページもお読みください。
けんかした子どもへの対応 教員の心得①に進む(内部リンク)
1年間の見通し 教員の心得②に進む(内部リンク)
年度当初にすること 教員の心得③に進む(内部リンク)
実態を把握する 教員の心得④に進む(内部リンク)
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