初任者研修のまとめについて紹介します。
新規採用された教員は、学級担任をしながら実践的な研修をすることになっています。
基本的には、1年間行います。
今回は、「研修のまとめ」について書きます。
研修のまとめ
🟠研修のまとめ
<初任者研修とは?>
新規採用された教員に対して、採用の日から1年間、実践的指導力と使命感を養うとともに、幅広い知見を得させるため、学級や教科・科目を担当しながらの実践的研修である「初任者研修」を行うこととされています。
初任者研修の対象者は、公立の小学校等の教諭等のうち、教員採用試験に合格し、新規に採用された者です。
初任者研修の実施者は、都道府県や政令指定都市などの教育委員会ですが、多くの場合は、研修のあらましを示した上で、各学校に研修の計画を立てるように依頼し、実施します。
必要に応じて、教育委員会などでも研修会を開催し、初任者に参加することを義務付けていますが、多くの時間は、学校内で研修をすることが中心になります。
初任者研修の法律的な根拠は、「教育公務員特例法」です。そのには、次のように書かれています。
第23条
公立の小学校等の教諭等の任命権者は、当該教諭等(臨時的に任用された者その他の政令で定める者を除く。)に対して、その採用(現に教諭等の職以外の職に任命されている者を教諭等の職に任命する場合を含む。附則第五条第一項において同じ。)の日から一年間の教諭又は保育教諭の職務の遂行に必要な事項に関する実践的な研修(以下「初任者研修」という。)を実施しなければならない。
教育公務員特例法
文部科学省は、初任者に対して、校内研修と校外研修の実施することを基本としています。
校内研修では、週10時間以上、年間300時間以上の研修を課すことを基本としています。
校外研修では、年間25日以上の研修を課すことを基本としています。
校内研修では、ベテラン教員が指導にあたり、校外研修では、指導主事などが指導にあたります。
<研修のまとめ>
自治体によっては、「研修のまとめ」として、レポートなどを課すことがあります。
レポートが課される場合は、基本的な記載内容を示した上で、締め切りまでに、レポートをしあげて提出することを求められます。
多くの場合は、初任者自らで、何らかのテーマを決めて、レポートをまとめることを書くように求められることが一般的です。
締め切りに余裕をもって記述をはじめ、大まかな内容ができた段階で、指導教官や管理職に提出し、指導を求めると良いかもしれません。
記載にあたって、いくつかの留意点を書きます。
1.学級の子どもの様子や変容を話題にする。
記載する内容は、1年間の子どもの指導の中から導き出された事柄について正直に書くのがいいと思います。良かったことだけでなく、失敗したことについても包み隠さず、正直に記載する方が良いように思います。
ただ、失敗した点については、今後どのように改善したいと考えているのか、改善策などについても記載すると良いでしょう。
2.レポートのテーマと内容を一致させる。
レポートのテーマは、指定されている場合を除き、あまり大きく構えないで、できるだけ狭いテーマに絞って書く方が内容がぼやけないと思います。
例えば、「物語の指導」や「学級経営」などという大きなテーマではなく、「『ちいちゃんのかげおくり」の指導を通して」「給食指導の際に心がけたこと」などというように絞ったテーマの方が、子どものへの指導の実際の様子などをより具体的に記載できると思います。
3.書き方に注意する。
記載にあたっては、文末を敬体(です、ます)にするか、常体(だ、である)にするか、決めて記述を行います。敬体と常体が混在しないように注意して書くようにしましょう。
必要に応じて、箇条書きにしたり、図や写真を取り入れるようにした方が読みやすい、わかりやすい文章になると思います。
教育委員会などから、レポートの提出を求められていなかったとしても、自分なりにテーマを決めて、レポートを書き、管理職や学年主任などに見てもらうようにすると、1年間の成果を自分で客観的に見直すよい機会になると思います。
<研修は続く>
初任者研修は、基本的には、1年間ですが、自治体によっては、2年次研修、3年次研修を用意しているところもあります。
当然、1年めよりも、研修の時数は、少なくなると思います。
多くの同僚や後輩の教員などを見てきた経験からいえば、教員は大きく2種類に分かれるように思います。
自分なりの研修を続け、成長し続ける教員と、一度身につけた指導法を硬くなに守り、いつの間にか実力がどんどん低下していく教員です。
一年めの研修を終えたみなさんが、今後どちらの道を進むのかは、みなさんの心がけ次第だと思います。
公的な研修から解放され、ほっと一息つき、成長を止めてしまうのか、これからも自分なりの方法で、研修方法を模索し、成長し続けるのか、10年後の皆さんがどうなっているかとても楽しみです。
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