実際に作文を書く時の指導の工夫について知りたいです。
小学校の国語の学習には、物語を書く学習があります。
ここでは、「物語を書く指導(6):指導の工夫④」について書きます。
物語を書く指導(6):指導の工夫④
🟠単元「できごとが3回くりかえされるお話を書こう」の指導の工夫④
この単元では、「名前を見てちょうだい」の内容や表現を読む時に、次のような計画で学習をしました。
⑨ふしぎな物語を書く計画を立てる。
⑩⑪よく似たことが3回繰り返される物語を書く。
⑫互いの作品を読み、感想を書く。
では、順に指導者の工夫について書きます。
🟠物語を書く計画を立てる指導の工夫(9時間め)
<質問形式のワークシートを活用する>
よく似た出来事が3回繰り返されるような不思議な物語を書くためには、かなり詳しく構想を練っておく必要があります。そこで、構想づくりに十分な時間を使うようにしました。
その際、まず、「名前を見てちょうだい」の内容と形式を確認する学習から始めることにしました。
そして、ワークシートに、次のような質問に答える形で、構想を練るようにしました。
・どんなお話ですか。
・しゅじんこうはだれで、どんな人ですか。
・しゅじんこうのほかにだれが出てきますか。
・どんなきっかけでふしぎなせかいにいきますか。
・ばしょはどこですか。
・しゅじんこうははじめどうしますか。
・どんなことを3回くりかえしますか。
・お話は、どのように終わりますか。
同じように自分の作るお話のあらましをワークシートに書きながら考えるようにうながしました。
<指導者の作品例を例示する>
しかし、いきなり構想を考えなさいと言ったところで、子どもの中には、すぐに思いつかない子どももいるでしょう。そこで、指導者である私が、次のような例を考えて、子どもに話して示すことにしました。
・「どんな話」・・・・楽しいお話。
・「どんな人か」・・・さっちゃんという名前の元気な女の子
・「出てくる人」・・・りす、うま、くじら
・「きっかけ」・・・・ボールがとんで行く。
・「ばしょ」・・・・・山→まきば→海
・「はじめ」・・・・・さっちゃんは、山の上でボールで遊んでいる、
・「くりかえし」・・・「ボールを投げてよ。」とあいてにたのむ。
その後、ボールが頭の上を飛びこして行く。
・「おわり」・・・・・くじらのしおふきにのって家に帰る。
指導者が子どもに話したお話のあらましは、次の通りです。
さっちゃんは、山の上に住んでいる。ある日、ボールで遊んでいると、ボールが坂道を転がっていく。
山の途中でボールが止まる。そこにはりすがいる。「ボールを投げてよ」と頼む。りすは快く、しっぽで、ボールを打って返してくれるが、、さっちゃんの頭を飛び越していく。また、ボールは転がっていく。
牧場に出る。そこには、馬がいる。「ねえ、馬さん、ボールを投げてよ」と頼む。馬は、快く後ろ足でけってくれるが、さっちゃんの頭を飛び越していく。また、ボールが坂を転がっていく。
今度は、海に出る。そこには、鯨がいる。「ねえ、くじらさん、ボールを投げてよ」そう頼むと、くじらは、「ああ、いいよ。」と言うと、背中に乗るように言う。そして、しおをふいてくれる。
ボールと一緒に、さっちゃんは、山の上の家に帰る。めでたし、めでたし。
🟠よく似たことが3回繰り返される物語を書く指導(10、11時間め)
構想ができた後は、原稿用紙を渡して書いていきます。
実際に書く前にはあまりたくさんのことを指導しない方がいいでしょう。
ここでは、次の2点について伝えることにしました。
1つは、会話文の前後できちんと改行すること。
もう1つは、会話文の前後にある「言いました」の部分に様子を表す言葉をつけること。
例えば、「大きな声で」、「うれしそうに」、「ささやく」、「さけぶ」などです。
こうするだけで、会話文がとてもいきいきしてきます。
子どもによっては、長い作文になりますので、2時間使うことにしました。
🟠互いの作品を読み、感想を書く指導(12時間め)
<作文を読むためのワークシート>
子どもの作文を互いに読むときは、簡単なワークシートを用意することがありました。B4の紙を10等分し、そこに簡単な感想と自分の名前を書く欄を設けたものです。
自分の机に、そのワークシートと自分の作品を用意します。
子どもは、読みたい友だちの机を回って作文を読み、感想を書きます。
それを、時間の許す限り繰り返します。
この学習に関係する他の指導については、次のページをお読みください。
物語を書こう(1)に進む(外部リンク)
物語を書く指導(1) 指導のポイントに戻る(内部リンク)
物語を書く指導(2) 単元目標と指導計画に戻る(内部リンク)
物語を書く指導(3) 指導の工夫①に戻る(内部リンク)
物語を書く指導(4) 指導の工夫②に戻る(内部リンク)
物語を書く指導(5) 指導の工夫③に戻る(内部リンク)
物語を書く指導(7) みくのふしぎなピアノ(全文)に進む(内部リンク)
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