学級の教育環境づくりについて知りたいです。
学級の環境が整っているのは、子どもにとってとても大切なことです。
今回は、「学級の教育環境づくり」について書きます。
学級の教育環境づくり
🟠学級の教育環境づくり
<基本的な考え方>
学級は、整っていることが大切です。
何より落ち着いた環境は、子どもにとって学習がしやすいからです。
最近は、特別支援教育の視点からも、ユニバーサルデザインの視点からも、子どものためにも、不必要なものは、教室の前面に掲示しない方がよいという考えがあります。
しかし、まだまだ多くの教員の中で、浸透しきれていないのが実態です。
例えば、教室の前面に掲示するこの多い「学級の目標」ですが、これに対して皆さんは、どうも思いますか?
教室前面に「教育目標」はある方がいいのでしょうか、ない方がいいのでしょうか。
これは、学級担任の考えに、大いに左右されます。その学校の管理職の考えや、学校の教育風土、その都道府県や市町村の教育委員会の考えなども多少関係するように思います。
個人的には、なくていいと思います。
理由は簡単です。一部の子どもにとって、みんなで作った学級目標は、カラフルで気が散るからです。
ただ、みんなで学級目標を相談し、子どもの似顔絵や1文字ずつ子どもが文字を書いた学級目標などに、学級の団結力と友情と教育効果などのよさを感じる教員の考えを、全否定するつもりはありません。
よいと思ったことは、すればいいのです。
教育によりよい方法はあると思いますが、絶対にこれがよいという方法があるわけではないようにも思います。
ある学級では、有効な方法が、ある学級では、あまり効果のない方法であることも考えられます。
ただ、1つのことを行うにも、それぞれの教育方法のよさと欠点を考え、絶えず工夫するという姿勢をもつことは大切だと思います。
<黒板について>
学級の教育環境で一番大切だと思うのは、黒板です。
個人的には、何も書かず、何も貼らず、きれいに文字が消された黒板が好きです。
前もって掲示物などで、日付や日直名を掲示したり、書いたりしておく必要もないと考えます。
様々な掲示物を貼ったままにしたり、子どもの黒板係が、黒板を適当に消している黒板を見かけることがありますが、個人的には、何も状態から、1時間の学習の間に、子どもの考えや教員の説明によって、徐々に黒板が完成していく姿が好きです。
ところで、みなさんは、黒板の消し方を知っていますか?
黒板は、横に消す方がいいのでしょうか。それとも、縦に消す方がいいののでしょうか。学級によっては、斜め黒板が消されていることもありますが、そんなこと気にしなくていいのでしょうか。
黒板は、黒板消しを少し斜めに傾けて、縦に消すのがよいそうです。
理由は、黒板消しを斜めにすることで、上下をひっくり返すことで、2回分消せるからです。
また、縦に消すことで、黒板のチョークの粉が下に落ち、埃が舞うことが軽減されるからです。
作業をするために、自分に白い紙を配られた時のことを考えてみてください。
その時に、ところどころに線が入っていたり、黒い染みがついていたりしたら気分が減退するのではありませんか?
黒板も同じです。何も書かれず、きれいに消された黒板は、さあ、今からがんばろうという気持ちを高めるのではないでしょうか。
日付も、その場で書くことで、子どもは、今日が何日か意識ができます。例えば、今日の日付が「9月11日」であれば、「9/11」と書いてもいいでしょうし、「長月/11」と書いて、9月が旧暦では、「長月」と呼ばれていたことに少し触れることで、新たな知識を子どもに伝えるということも意味があるように思います。
日付を書いたと同時に、「日付を書けた人?」と尋ね、日付を書けた子どもを褒めることで、板書をさっと写すことの大切さを伝えることができるかも知れません。
黒板をどう活用し、黒板を教育環境として利用するのかは、担任の心掛け1つで大きく変わってくると思います。
担任の性格、考え、心構え、思い、願いなどにより、教室の環境は大きく変わります。
子どもに、伸びやかに過ごしつつも、ていねいで、整った生活を過ごしてほしいのであれば、指導者自身が、自分の身の回りに関心をもち、ていねいな対応をすることが大切だと思います。
担任をしている時、時々、自分な好きな詩や、最近、感じることなどを黒板に書いて、朝、登校した子どもが読めるようにしていたことがあります。
例え、パソコンなどの視聴覚機器がもっと活用しやすくなったとしても、学級における黒板の役割は、とても大きいと思います。
黒板は、担任の工夫次第で、とても有効で有益な教育環境だと思います。
<子ども用の机・椅子>
常に点検と保全・管理に努めたいです。サイズは子どもの体格に適合させます。年度当初にきちんと整備して配給することが大切です。
その後、子ども本人に管理させ、本人による破損や落書きなどがあれば、その子どもに直させるようにします。各学期のはじめなどには、成長などに合わせて、体格に合ったものに変えることも大切です。
物を大切に扱う心を育てるために、あえて1年間、子どもに、同じ机と椅子を使わせるようにしている学校もあります。
<ロッカー>
何をどのように入れるかなど、使い方の原則を決めておくとよいでしょう。
ロッカーにランドセルをしまう場合は、足などを引っ掛けないように、担ぐ部分を中にしまうようにする方が安全です。
ロッカーの角の部分に安全のために、緩衝材を設置することも大切です。
ロッカーの名前を指し込み式になっている部分の鉄が、長期使用のために破損し、子どもが怪我をしたことがあります。長期間使っている学校などでは、細かな部分の点検も大切です。
棚状で露出しているロッカーでは、紛失や盗難を予防するために、子どもたちが共通して持っている物のみを収納するにしている学校もあります。
<清掃用具入れ>
ほうき、ちりとり、バケツなどの清掃用具は、番号をつけるなどして用具入れの決められた場所に収納するようにします。
適切に指導を重ね、清掃終了後の整理整頓をしっかり行わせることが大切です。
子どもは、ほうきで遊ぶことが、大好きです。ほうきをふむ子どもいます。日々、掃除用具のていねいな扱い方と掃除の仕方について指導することが大切です。
ぞうきんは、できるだけきれいなものを使用させたいです。子どもが手で洗うだけでは、きれいにならないことも多いです。
掃除当番の仕方については、次のページも参考にしてください。
学級活動の進め方(小学校初任者研修007)に進む(内部リンク)
なお、学級の環境を整えるためには、ユニバーサルデザインの視点も大切です。
ユニバーサルデザインに進む(内部リンク)
なお、学級には、「指名カード」を用意したり、「学級の約束事」を決めておいたりすると便利です。次のページを参照してください。
指名カードの活用に進む(内部リンク)
学習の約束事を作るに進む(内部リンク)
他の初任者研修の資料を読みたければ、一覧表を参考にしてください。
初任者研修資料一覧に進む(本ブログ内)
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