毒ぐもなどから子どもを守る:安全教育㉓

安全教育
つばさ
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毒ぐも菜どから子ども守りたいですね。

 季節があたたかくなると、虫などの活動も活発になります。

 そのような虫の中には、毒ぐももいます。

 今回は、「毒ぐもなどから子どもを守る」ことについて書きます。

毒ぐもなどから子どもを守る

🟠毒ぐもなどから子どもを守る

<害のある毒ぐも>

 1つは、セアカゴケグモで、もう1つはハイイロゴケグモです。

 最近、日本の各地で、それまでに日本にいなかった外来種の毒ぐもが見つかっています

 両方とも、多くの都道府県で見つかっていますので、注意が必要です。

 ここでは、両方の毒ぐもについて、説明します。

<セアカゴケグモ>

 セアカゴケグモは、漢字で書くと、背赤後家蜘蛛です。

 ヒメグモ科に分類される、有毒の小型のくもです。

 和名の意味は、「背中の赤い後家蜘蛛」の意味です。

 オーストラリアを原産地としていて、ニュージランド、ヨーロッパ諸国、東南アジア、アメリカなどでも生息が確認されています。

 日本にはいませんでしたが、1995年に大阪府で初めて、発見されて以来、東北の一部を除いて、日本のほぼ全ての都道府県で見つかっている外来種のくもです。

 このくもの毒は、メスが持っていて、獲物をかんだときに獲物の体内へ注入されるとされています。メスのもつ毒は、神経毒の「αー ラトロトキシン」です。

 最初に見つかった大阪府などでは、毎年このくもによる被害が発生しています。

 セアカゴケグモのメスの体長は、10mm前後です。体型は丸く、体表は鈍い光沢の黒色です。

 蜘蛛の背面に、菱形が2つ並んだような赤い模様があり、腹面には、砂時計状の赤い模様があります。

 日当たりのよい場所やあたたかい場所にある物陰や隙間などに生息しています。

<セアカゴケグモにかまれた事例>

 セアカゴケグモが活発に活動する時期は、5月から11月頃です。ですから、その時期に次のような被害の事例があります。

 6月 自宅内の掃除をしていたところ、右足首をかまれた。

 7月 自宅の庭で遊んでいたところ、右手の甲をかまれた。

 8月 ベランダに出ようとしてスリッパを履いたときに、右足の人指し指をかまれた。

 9月 自宅前の溝掃除をしていたところ、右手人指し指をかまれた。

 11月 玄関の庭の手入れをしていたところ、右足首をかまれた。

 次のような場所に注意する必要があります。

 ・公園などのベンチの裏

 ・公園のタイヤの内側

 ・すべり台の裏

 ・低い木の下

 ・自動販売機の下

 ・ブロックやフェンスの隙間

 ・エアコンの室外機の下

 ・排水溝のふたの裏や側面

 ・外に置いてあるサンダルの中

 子どもは、公園などに昆虫採集などに出かけることがあります。そのような時にも、注意する必要があります。

 注意するのは、子どもだけではありません。個人の庭などでセアカゴケグモにかまれることもあります。子どもと一緒に庭で作業などをする場合などは、次のようなことに注意する必要があります。

 ・草ひきなど庭いじりをする場合は、軍手等の着用を行う。

 ・庭に置きっぱなしのサンダルなどを履く場合は、履く前に、セアカゴケグモがいないかどうか確認する。

 ・靴下を履くなど、素足での作業は控える。

 この蜘蛛は、基本的におとなしい蜘蛛ですので、進んで手を出して、触ろうとしたり、捕まえようとしたりしないと、あまりかまれることはありません。しかし、外に置いてあるサンダルの中に潜んでいることがありますので、家の外にあるサンダルを履くときには、注意が必要です。

 なお、私が子ども用に作っている「よみもの」で、「セアカゴケグモ」について簡単な文を書いています。よければ、お読みください。

セアカゴケグモ 危険生物に進む外部リンク・よみもの

<ハイイロゴケグモ>

 セアカゴケグモと同じように毒のある蜘蛛に、ハイイロゴケグモがいます。

 ハイイロゴケクモは、漢字で書くと、灰色後家蜘蛛です。

 ヒメグモ科に分類される、有毒の小型の蜘蛛です。

 和名の意味は、「灰色の後家蜘蛛」の意味です。

 オーストラリア、中央アメリカ、南アメリカ、太平洋諸島などの亜熱帯地方が原産地だとされています。

 日本では1995年に横浜港本牧埠頭で、横浜検疫所の職員がセアカゴケグモがいないか調べていたときに、本牧海づり施設のベンチの裏側で、初めて発見・捕獲されました。鑑定を依頼された国立化学博物館によって、「ハイイロゴケグモ」と報告されました。

 海外から輸入されたされた資材に紛れ込んで、日本に侵入したと考えられています。その後、日本の13の都府県で見つかっています。

<毒ぐもにかまれた時の対応>

 セアカゴケグモやハイロゴケグモにかまれると、かまれたところの痛み、熱感、痒感、紅斑、リンパ節の腫れなどが起こります。

 通常は数時間から数日で症状は軽減しますが、時には、脱力や頭痛、筋肉痛、不眠などの全身症状が数週間続くこともあります。

 日本では、死亡例はありませんが、オーストラリアでは、死亡例も報告されています。

 もし、これらの毒ぐもにかまれたときは、すみやかに病院などの医療機関を受診する必要があります。

 重症化した場合には、抗毒素血清による治療が必要です。

 かんだくもの種類がわかるように、できれば殺したくもを病院に持っていくことも大切です。

<くもにかまれないようにするとよいこと>

 環境庁や各地の都道府県では、これらのくもに対する啓発用のパンフレットなどを作っています。

 ここでは、環境庁、東京都環境局、大阪府のものを紹介します。できれば、自分の住んでいる都道府県で作成しているホームページやパンフレットがないかどうか調べてみることも大切です。

セアカゴケグモ・ハイイロゴケグモにご注意くださいに進む外部リンク・環境庁

危険な外来生物・セアカゴケグモに進む外部リンク・東京都環境局

セアカゴケグモ啓発リーフレット等に進む外部リンク・大阪府ホームページ

 子どもにもわかるように、教室の大型テレビなどで、どのような「くも」なのか写真などを見せて、どのような性質の「くも」なのかを説明し、もし見つけてもむやみに素手で触ろうとしないようにすることを伝えることが大切です。

 学校で、これらの毒のあるくもを見つけた時などには、保健所や役所などに届けると同時に、駆除をする必要があります。

 家庭用の殺虫剤(ピレスロイド系)で駆除することもできますし、靴で踏むなどの物理的な方法で駆除することもできます。

<他の危険な外来生物>

 今回紹介したセアカゴケグモやハイイロゴケグモ以外にもたくさんの危険な外来生物が増えています。

 先程紹介した東京都環境局のホームページには、次のような危険な外来生物についても紹介し、啓発しています。

危険な外来生物に進む外部リンク・東京環境局

 時間がある時に、さっとでも見ておくと、よいと思います。

・カミツキガメ

・アカカミアリ

・ヒアリ

・キョクトウサソリ

・クロゴケグモ

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 なお、「安全教育:子どもを守ること」に関係する記事を集めた一覧表は、次のページにあります。

安全教育:子どもを守る 一覧表に進む内部リンク

 

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