総合的な学習の時間 小学校新任教員研修資料040

初任者研修資料
つばさ
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総合的な学習の時間の指導の仕方について知りたいです。

小学校の学習には、教科の学習以外に様々な学習があります。

その1つが、「総合的な学習の時間」です。今回は、「総合的な学習の時間」について書きます。

🟠総合的な学習の時間

<総合的な学習の時間とは?>

 小学校学習指導要領では、総合的な学習の時間の目標を次のように書いています。

 探究的な見方・考え方を働かせ,横断的・総合的な学習を行うことを通して,よりよく課題を解決し,自己の生き方を考えていくための資質・能力を次のとおり育成することを目指す。

(1) 探究的な学習の過程において,課題の解決に必要な知識及び技能を身に付け,課題に関わる概念を形成し,探究的な学習のよさを理解するようにする。

(2) 実社会や実生活の中から問いを見いだし,自分で課題を立て,情報を集め,整理・分析して,まとめ・表現することができるようにする。

(3) 探究的な学習に主体的・協働的に取り組むとともに,互いのよさを生かしながら,積極的に社会に参画しようとする態度を養う。

小学校学習指導要領

 そして、この「総合的な学習の時間」は、目標や内容を各学校で決めることになっています。

「目標を実現するにふさわしい探究課題」及び「探究課題の解決を通して育成を目指す具体的な資質・能力」を各学校が定めることになっています。

 つまり、「何を学ぶか」とそれを通して「どのようなことができるようになるか」ということを各学校が具体的に設定するということになっています。

<総合的な学習の時間の内容>

 総合的な学習の時間の学習課題は、次の3つの要件を満たせているものを想定して作成することになっています。

探究的な見方・考え方を働かせて学習することがふさわしい課題であること。

その課題をめぐって展開される学習が、横断的・総合的な学習としての性格をもつこと

その課題を学ぶことにより、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくことに結び付いていくような資質・能力の育成が見込めること

 具体的な内容としては、次のようなものが考えられています。

横断的・総合的な課題(現代的な諸課題)

 ・ 国際理解:地域に暮らす外国人とその人たちが大切にしている文化や価値観

 ・ 情報:情報化の進展とそれに伴う日常生活や社会の変化

 ・ 環境:身近な自然環境とそこに起きている環境問題

 ・ 福祉:身の回りの高齢者とその暮らしを支援する仕組みや人々

 ・ 健康:毎日の健康な生活とストレスのある社会 

 ・ 資源エネルギー:自分たちの消費生活と資源やエネルギーの問題

 ・ :食をめぐる問題とそれに関わる地域の農業や生産者

 ・ 科学技術:科学技術の進歩と自分たちの暮らしの変化 

地域や学校の特色に応じた課題

 ・ 町づくり:町づくりや地域活性化のために取り組んでいる人々や組織

 ・ 伝統文化:地域の伝統や文化とその継承に力を注ぐ人々

 ・ 地域経済:商店街の再生に向けて努力する人々と地域社会

 ・ 防災:防災のための安全な町づくりとその取組

児童の興味・関心に基づく課題

 ・ キャリア:実社会で働く人々の姿と自己の将来

 ・ ものづくり:ものづくりの面白さや工夫と生活の発展

 ・ 生命:生命現象の神秘や不思議さと、そのすばらしさ

 また、最近、世界的な規模の活動として取り組むことが期待されている「SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標に関係する内容を関連させて、総合的な学習の学習課題にすることも考えられます。

 持続可能な開発目標とは、次の17個の目標です。

「①貧困をなくそう」「②飢餓をゼロに」「③すべての人に健康と福祉を」「④質の高い教育をみんなに」「⑤ジェンダー平等を実現しよう」「⑥安全な水とトイレを世界中に」「⑦エネルギーをみんなに。そしてクリーンに」「⑧働きがいも経済成長も」「⑨産業と技術革新の基盤を作ろう」「⑩人や国の不平等をなくそう」「⑪住み続けられる街づくりを」「⑫つくる責任、つかう責任」「⑬気候変動に具体的な対策を」「⑭海の豊かさを守ろう」「⑮陸の豊かさも守ろう」「⑯平和と公正をすべての人に」「⑰パートナーシップで目標を達成しよう」

 子ども向けに簡単にSDGsについて書いた文章があります。

エスディジーズ SDGsに進む子ども用ブログ・よみもの

 なお、環境教育について学ぶことも、総合的な学習の時間の学習内容になります。環境教育については、次のページをお読みください。

環境教育 小学校新任教員研修資料039に進む内部リンク

<総合的な学習の指導案例>

単元名:地域社会の活性化に携わる人々の取り組みや願い、努力や創意工夫を知ろう

単元のねらい:地域社会の活性化に関わる人々の活動を知ることを通して、地域に住む人々の苦労や工夫、喜びを実感するとともに、人々の努力に気付いたり、町の活性化に携わる人々の町に寄せる思いや願いを感じ取ったりするとともに、住んでいる町のよさを知ることができるようにする。

単元のめあて:○○町のよさやよいところを知り、発信しよう。

小単元1:町探検をして、町のよさを学ぶ

【情報の収集】 町について知っていること、疑問に思っていることを共有し,必要な情報を収集する。

【整理・分析】 町について調べてことを分類・ 整理する。 町のよさや長所などを整理する。

小単元2:町に住む人々から話を聞き、人々の願いを知る

【情報の収集】インタビューの仕方や情報のまとめ方を知る。インタビューをして、町に住む人々の願いを知る。

【整理・分析】町に住む人々の願いや思いを分類・整理する。町に住む人々の願いや思いを整理する。

小単元3:○○町のよさについて発表会をする

【まとめ】調べたことなどを発表に向けて、整理する。どのような発表の仕方があるか考える。

【表現】自分たちの考えた発表方法で発表会を開催する。

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