帰国・外国人児童への対応について知りたいです。
学校には、帰国した子どもや外国人の子どもなどが入学したり転校してきたりすることがあります。
今回は、そのような「帰国・外国人児童への対応」について書きます。
帰国・外国人児童への対応
🟠帰国・外国人児童への対応
<帰国した子ども>
帰国した子どもとは、親や保護者などの仕事の都合などで海外で暮らし、日本に帰国した子どものことをを指します。 グローバル化で企業の海外進出が進み、親や保護者の海外赴任にともなって海外で生活を送る子どもも増えています。
日本に帰国する前に、家庭で日本語で生活したり、日本人学校などに通っていたるする場合は、日本語が普通に話したり聞いたりすることができるので、問題になることは少ないです。
<外国人の子ども①:特別永住者の子ども>
日本に住む外国人は、大きく特別永住者と中長期在留外国人に分かれます。
特別永住者とは、第2次世界大戦の前から日本に居住して、日本人として暮らしていた外国人で、サンフランシスコ平和条約により日本国籍を失った人のことです。具体的には、韓国・朝鮮人、台湾人の人です。また、特別永住者の子孫もその対象となり、両親のどちらか一方が特別永住者であった場合に、特別永住許可を申請することができます。
在日韓国人や在日朝鮮人、在日台湾人などと呼ばれることもあります。
2022年(令和4年)6月の特別永住者数は29万2千702人、約30万人です。在日韓国人などの子どもや孫は、在日2世、3世などと呼ばれることもあります。
小学校に入学する子どもの中には、特別永住者を父母や祖父母などにもつ子どもがいます。
当然、そのような子どもも特別永住者になります。
特別永住者の子どもは、日本人ではありませんので、日本の小学校に入学する場合は、役所に申請し、入学許可書をもらう必要があります。
特別永住者の人の中には、日本人と結婚したり、日本人に帰化したりする人もたくさんいます。
しかし、自分の祖先の生まれた韓国・朝鮮や台湾などの文化や言葉などを大切にしている人もたくさんいます。
特別永住者の子どもは、生まれた時から日本の文化の中で生きていますので、日本語に困ることはあまりありません。
<外国人の子ども②:中長期在留外国人の子ども>
最近は、グローバル化で海外の企業に勤める外国人が労働するために日本に来たり、日本の企業ではたらくために日本に来たりする外国人が増えています。
2022年(令和4年)6月の中長期在留者数は266万9千267人です。日本に住む外国人は、約260万人で、日本の人口約1億2千万人のうち2%以上の人が外国人です。
同じ割合で外国人の子どもがいるわけではありませんが、とてもたくさんの外国人や外国人の子どもが日本にいることがわかります。
<帰国・外国人児童の実態>
外国から帰国したり、外国から来日したりする子どもが小学校に入学したり、転入したりする場合の大きな問題は、言葉の問題です。外国で育った子どもの中には、日本語が十分理解できない場合があります。
多くの学校や自治体などでは、そのような子どもに対する日本語習得の機会を特別に設けている場合もあります。
2021年(令和3年)に出された「外国人児童生徒等教育の現状と課題」という冊子によると、2018年(平成30年)の外国人などの子どもの人数が出ています。
・日本語指導が必要な外国人児童生徒は、40,775人です。
10年前は、28,575人でしたから、10年で、1.4倍増えています。
・日本語指導が必要な日本語籍の児童生徒は、10,371人です。
10年前は、4,895でしたから、10年で、2.1倍増えています。
・日本語指導が必要な子どもの多い都道府県は、愛知、神奈川、東京、大阪、静岡の順です。
・一番多い愛知県には、11,276人の子どもが在籍しています。
外国人児童生徒等教育の現状と課題に進む(外部リンク)
これらの都道府県に外国人の子どもなどが多いのは、それらの都道府県に、外国人労働者がたくさん住んでいるからでしょう。
その上、これらの都道府県では、在留外国人に対する取り組みもたいへん盛んです。
例えば、愛知県などは、「あいち多文化共生推進プラン」などを策定し、多文化共生社会の推進に積極的に取り組んでいます。
あいち多文化共生推進プランに進む(外部リンク)
かながわ国際施策推進指針についてに進む(外部リンク)
<帰国・外国人児童への対応>
① 学校全体の子どもへの指導
外国人の子どもなどが、学校で学習活動に参加できるようにするためには多くの支援が必要です。受け入れる学級の子どもたちに向けて、「異文化理解」「多文化共生」「人権の尊重」などの教育が必要不可欠です。
違いを認め、互いに助け合える共生を目指した学級、学校であることが大切です。
② 日本語習得のための指導
学校に外国人の子どもが一人でも在籍していれば、日本語指導をはじめ特別な指導が必要となります。
日本語を習得するための特別なカリキュラムを設定する必要もあります。
自治体によっては、そのようなカリキュラムを独自に作成したり、日本語習得のための教員を各校に派遣したり、日本語習得のための日本語学級を設置したりしているところもあります。
文部科学省では、外国人などの子どもの公立学校への円滑な受入れに資することを目的として、「外国人児童生徒受入れの手引き」を作成しています。
外国人児童生徒受入れの手引きに進む(外部リンク)
なお、日本語の習得が不十分な子どもに足しては、リライト教材を作って学習させるのも効果的だと思います。
リライト教材に進む(内部リンク)
その他の初任者研修資料の一覧表は、次のページにあります。
初任者研修資料一覧に進む(内部リンク)
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