通知表の作成 小学校初任者研修016

初任者研修資料
つばさ
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通知表の作成の際の留意点を知りたいです。

 この通知表の作成という研修も、実際に日々、子どものよさを把握していく地道な作業が大切です。

 ここでは、次の2つのことについて書きます。

 子どもの実態を把握すること

 所見を書くときに注意すべきこと

子どもの実態を把握すること

🟠計画的で、地道な作業を続ける

 よい通知表を作成するためには、子どものよさを、計画的に把握していく地道な作業が大切です。

 学期末が近づき、所見を書いたり、成績をつけたりする時期になってから、子どものよさを思い出して、所見を書こうとしたり、成績をつけようとしたりしてもなかなかスムーズにできないものです。

 日々の子どもの観察が大切です。

 日々、少しずつ、子どものよいところを記録していくようにするとよいでしょう。ある先生は、機械的に、1日に子どもを6~8人ずつ見て、いいところを記録することにしているそうです。

 1週間がすぎると、子どものよさが学級の人数分集まります。そのような作業を、ある週は国語、ある週は算数、ある週は係活動、ある週は遊びの様子などと具体的に見る視点やテーマを決めて、書き溜めていくことにしているそうです。

🟠成績の基準を決め、データを集める

 学校によっては、学期末の面談で通知表を見せることにしているところもあります。通知表を渡した後で、保護者から、なぜ、この成績なのか納得できないということで、説明を求められることが多いことが理由として挙げられます。

 当たり前ですが、成績をつける場合、説明のできる明確な基準が必要です。単元テストの成績、提出物、宿題の提出状況など、明確な基準を決めて成績を決める必要があります。

 通知表を自治体で統一している場合もあるでしょうが、多くの場合、通知表の内容や形式、評価基準などは、各学校で決めています。通知表の成績の欄には、各教科を数値で表す場合があります。また、各教科の指導内容を観点別に評価する場合もあります。

 約20年前、2002年度施行の学習指導要が出される前は、各教科の成績は、学級内の相対評価のことが多かったです。ここ20年の間は、絶対評価に変更されてきました。

 多くの学校で、通知表の成績を出すための評価基準が出されますので、それを参考にして、日頃からデータの蓄積が大切になります。

所見を書くときに注意すべきこと

 日々の観察などによる、素データーを集めて、所見を書くするようにすると、その子どもならではの所見が書けるそうです。

🟠所見において基本的に書くとよいこと

 所見では、次の2つの視点から子どものよさを書くようにするとよいと思います。

1つは、学習場面でのよさ

 学校の大きな目的は、学業に勤しむことです。

 その子が、授業中に1番輝いているところを見出して、書くようにしたいです。

2つめは、生活場面でのよさ

 学校生活では、子どもは、授業中以外に、多くの活動をしています。

 係活動や、掃除や給食などの当番活動でまじめに頑張っている姿。

 友だちとの交流関係では、友だちに優しく接している様子など。

 挨拶の仕方や、自分の物だけでなく、学校の公共物を大切にしていることなど、様々な場面で、子どもたちは、いいことをしています。

 そこを観察し、記録しておくと、所見を書く際に、書く事柄に困ることはありません。

🟠よい部分を引き出し、書く内容を顕在化させること

 子どもがよい言動をするのを待っている必要はありません。

 子どもがよい言動をする種をまくことも担任の役割かもしれません。

 1年生の担任になったある若い先生は、毎日、終わりの会の際に、連絡帳を写した後で、短い時間を設けて、その日の出来事を書く活動を続けました。

 数か月後、子どもたちの文章を書く力は、質も量も飛躍的に伸びました。

 そうなれば、実際に子どもたちは、成長しているわけですから、書くことに困ることはありません。

 そのことを具体的に書けば、子どもも保護者も喜ぶ所見になります。

🟠所見を見ていて気になること

 先生方の所見を、事前に見る役割をしていたことがあります。

 その時に感じたことを書きます。

 最近は、パソコンで簡単にコピペ(コビー&ペースト)ができますので、先生方の書いた所見を見ていますと、Aさんの所見も、Bさんの所見も、Cさんの所見も、文言がまったく同じであることがよくありました。

 ある先生は、所見を書き終わった後、その所見だけを見て、誰の所見かわかるような所見を書きたいと思っているそうです。

 その子どもならではの所見を書けるようになるには、子どもの観察、子どものよさの表現の仕方、短い文で、子どもも保護者も納得し、好感を得るような、惹きつける文章の書き方など、いくつも修練すべきことがありそうです。

 できるだけ早い段階で、学年主任や管理職などに、所見を見てもらいつつ、添削をくりかえしましょう。

🟠具体的に、表記などで気になること

① その子どもにあてた所見なのに、所見中に子どもの名前が書かれていること

 特に、下の名前を書くのはよくありません。所見は、パブリックな場での文章です。プライベートな場面で使う子どもの下の名を書くのはいかがでしょうか。

ひらがなや漢字で表記すべきところを片仮名で表記していること
   セリフ→台詞、せりふ  ゴミ→ごみ、  カタカナ→片仮名、かたかな

子どもの行動に「敬語」を用いること
  友だちに親切にしてあげていました。→友だちに親切にしていました。
  友だちに喜んでもらえるように   →友だちが喜ぶように

 なお、通知表の道徳科の文章記載については、次のページを参照してください。

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