研究授業 小学校初任者研修019

初任者研修資料
つばさ
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研究授業について知りたいです。

 学校では、授業力を高めるために、研究授業を行うことがあります。

 学校や自治体によっては、1年間に数回の研究授業を行うことを求められることもあります。

 ここでは、研究授業について書きます。

研究授業

🟠研究授業とは?

 研究授業とは、指導者が、学習指導案を作成し、1時間の授業を公開し、他の人に授業を見ていただき、授業討議会などを開き、授業に対する意見や感想などをもらいます。

 研究授業には、他の参観者の存在が必要なところが、日々の授業と大きく違うことです。

 指導案を作成するとき、前もって指導者が作成した学習指導案に対して、前もって意見をもらう指導案検討会などを行う場合もあります。

<準備すること>

🟠教科と内容を決める

 研究授業を行うためには、まず、教科と指導する内容を決める必要があります。

 学校によっては、研究教科が決まっている場合などで、教科を指定されることもあるかもしれませんが、初任者研修に関しては、自分で決めることができる場合が多いと思います。

 自分で決める場合は、授業時間数の多い国語や算数から行うのがよいように思います。

 これらの教科は、ほぼ毎日ありますので、研究授業を行い、基本的な指導法について、他の教員などから意見をもらうことで、日々の授業の進め方が改善することは、指導者自身にとっても、子どもにとってもよいことのように思います。

🟠日程を決める

 学校の全教職員が参加する研究授業などの場合は、教務主任などにお願いして、日程の調整をする必要があります。

 参会者が、管理職や指導教官など数人の場合は、研究授業に参加する関係者の了解を得るだけで、大丈夫な場合もあります。

 いずれにしろ、できるだけ早く日程を決める必要があります。

🟠学習指導案を作成する

 学習指導案の作成に関しては、どの程度の学習指導案を作成する必要があるのか確かめる必要があります。

 日時、単元名、単元の指導目標、児童観、教材観、指導観、指導計画、本時の授業の目標と展開、板書案などを書く本格的な学習指導案が必要な場合もあれば、本時の目標と本時の展開を書く程度の略案で許される場合があると思います。

 どの程度の学習指導案を書く必要があるとしても、授業にさして考えておくことは大きく変わりません。

 学習指導は、①「子どもの実態」を考え、②「目標を設定」し、③「教材の価値・よさ」を考え、④「指導の方法」を工夫していくことが必要です。

🟠1時間の授業の進め方を考える

 学習指導案は、何のために書くのでしょうか?

 学習指導案を書く目的は、2つあります。

 1つめは、参会者のためです。参会者に、自分がどのような授業を構想し、実施しているのか、計画通り授業を行うことができているのかを見てもらうためです。

 2つめは、自分自身のためです。自分が、自分の考えた通りの授業を行うための計画書として作成します。

 学習指導案を書くことが、重要なのではありません。実際に構想した通りの授業を行うことができることが、重要なのです。

🟠授業直前に準備しておくとよいこと

 前日までに指導案は配っておく方が親切でしょう。前もって指導案を配っていても、教室の廊下などに予備の指導案や、教科書、授業に使うワークシートなどを準備しておくと、参会者は授業を見やすくなります。子どもの座席表も後ろから見た形で用意しておくと、参会者の助言が受けやすくなります。

 参会者のためのパイプ椅子や、2足制の場合は、スリッパなどを用意しておくとよいでしょう。

<研究授業をすること>

🟠普段通りの授業を行う

 研究授業は。参会者がいますので、どうしても肩に力が入り、普段通りの授業ができないことが多いです。でも、できるだけ、普段通りの授業を見てもらうことが大切です。

 普段している形式での発問、指示、指名、発表、板書などをしないと、子どもが授業の展開に戸惑います。

 子どもの名前の呼び方も、普段は、呼び捨てなのに、研究授業の時だけ、名前に「さん」をつけて呼ぶのも変です。研究授業の時に、「さん」をつけて呼ぶのならば、普段の授業から、きちんと「さん」をつけて呼ぶ必要があると思います。

 服装も普段通りがいいと思います。普段は、ジャージの上下で授業をしているのに、研究授業の時だけネクタイをしたり、スカートを履いたりするのも変です。普段から服装についても意識すべきです。

🟠指導案通りを意識しすぎないで行う

 授業は、計画通りに進まないものです。できるだけ、学習指導案通りに進めることができたら、よいとは思いますが、意識するべきは、子どもの思考の流れです。

 子どもの反応をしっかりと見極めることが大切です。子どもの発言をしっかりと聞き、板書をする場合でも、前もって考えた通りの内容の板書をするのではなく、子どもの意見をきちんと要約した板書をすべきです。できれば、その板書の内容でいいかを聞くぐらいの余裕がほしいです。

 チャイムが鳴れば授業を終える必要もあります。

 学習指導案に書かれたところまで、休み時間になっても、強引に授業を進める指導者がいますが、チャイムが鳴れば、授業はやめるべきです。

 子どもは、チャイムが鳴れば、意識が極端に減少します。何より、多くの教員は、子どもに時間を守るように指導することが多いと思います。子どもに時間を守って欲しければ、指導者自ら、時間は守るべきです。

<授業後にすること>

🟠授業を振り返る

 授業を振り返り、自分自身で、授業のよいところと、修正すべきところを意識することは大切です。

 できれば、ノートなどにきちんと記録するとよいでしょう。

 授業討議会がある場合などは、きちんと自分の感想や意見を述べると、参会者は、授業をした教員が、どこまで意識して、意図的に授業をしているのかが分かりますので、指導や助言がしやすいです。

🟠意見や感想を素直に聞く

 伸びる教師は、素直な聞く耳をもつ教師です。

 参会者から、耳の痛い指摘をされることがあるかもしれません。聞きたくないと感じることもあると思います。しかし、自分自身だけで成長することには限界があります。

 自分の改善すべきところを素直に、聞き入れ、改善することで授業力は高まります。

🟠今後も研究授業を続ける

 教員には、2つの道しかありません。成長し続ける教師と、成長をとめ劣化する教師です。

 成長し続けるためには、年に1回以上の研究授業を自ら進んで行うことは、必要なことです。

 あなたの周りの教師を見てみてください。

 毎年、研究授業を進んで行っている教師は、指導力も高く、子どもや周りの同僚からの信頼も高いと思います。

 子育て、体調、年齢などいろいろな理由をつけて、研究授業を避けようとする教師は、あまり指導力も高くなく、子どもや周りの同僚からの信頼も低いのではないでしょうか。

 ぜひ、学び続け、成長し続ける教師になってください。

 なお、校内研修会への参加については、次のページを読んでください。

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