小・中連携 小学校初任者研修023

初任者研修資料
つばさ
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小・中連携について知りたいです。

 小中連携の大切さが学校現場の話題になっています。

 今回は、小中連携について書きます。

小・中連携

🟠中1ギャップ

 小中連携の大切さが話題になっている理由として、中1ギャップがあります。

 中1ギャップというのは、小学6年生と中学1年生を比べた場合、いじめや不登校が増えているという現象面でのギャップと、小学校と中学校の学校制度や教職員の指導法の違いに対して、子どもが感じる心理面でのギャップという2つの側面があります。

 小6と中1を比べて、いじめや不登校が劇的に増えているわけではないという国立教育政策研究所の調査もあります。

「中1ギャップ」の真実に進む外部リンク

 しかし、子どもたちが、小学校と中学校の学校制度や教職員の指導法の違いに戸惑うことがあるというのは、自分自身が小学校と中学校の違いを経験してきている多くの大人にとっても共感できることだと思います。

 多くの人にとって、様々な環境の中で、いろいろな経験をすることを通して、成長できることも多いので、一概に、小学校と中学校の学校制度や教職員の指導法が違うことが、悪いことだとは言い切れません。

 しかし、戸惑い、困惑する子どもがいるのであれば、何らかの対策を打つことは大切なことです。

🟠小中連携の取り組み

 多くの小学校と中学校で、小中連携の取り組みは、いろいろと行われています。

 具体的には、次のようなものがあります。

① 中学校教員による小学校での出前授業

② 小学校児童が、中学校で授業を受ける体験授業

③ 小学校児童による中学校の文化発表会の見学

④ 小学校児童による中学校の部活動見学と部活動体験

⑤ 中学校生徒会などによる中学校紹介

⑥ 小中学校の教員の相互授業参観

⑦ 小中学校の教員による意見交換会

⑧ 各学校の代表者による打ち合わせ

 上記の①から⑤は、小学校児童による体験活動や見学などが主になります。

 ⑥から⑧は、小・中学校教職員の相互理解という側面が主になります。

 活発に小・中連携を進めている学校もあれば、あまり活発に行われていない学校もあります。

 小・中連携の多くの場合は、中学校側が主になって行われることが多いです。

 その理由として、複数の小学校児童が、1つの中学校に進学するという実態があるからです。

 最近は、自治体が主体になって、小中一貫校をつくるということも増えてきています。

<小・中連携の実際>

🟠体育科の出前授業

 わたしが、教員の時、ある学校では、小学校6年生の児童に対して、中学校の体育科の教員が「集団行動」について指導してもらうことがありました。

 1年間に1回の指導できたが、子どもたちは、中学校の教員の指導法を知ることができ、楽しそうでした。

 小中連携の大きな目的の一つに、「スムーズに小学校から中学校に上がれるように支援する」ということがあります。子どもたちが中学校に行って戸惑わないように、中学校の授業について知る機会をもつことは、とてもよいことだと思いました。

🟠小学校での英語の教科指導

 ある学校では、1年間を通して、5・6年生の英語の授業を、中学校の教員が来校し、指導するということがありました。1年間を通して、指導を行いますので、子ども自身も、中学校の教員もお互いを深く知ることができます。

 小学校の児童全員が中学校に進学するわけではありませんが、多くの児童にとって、中学校に進学する前に、顔見知りの先生がいるというのは、たいへん心強いもののようでした。

<資料>

 少し前の資料になりますが、小中連携に関する資料を載せておきます。出典は、大阪市教育委員会大阪市教育改革プログラム重点行動プラン2008-2011」です。

小中連携の推進

【現状と課題】

 平成20年1月に示された中央教育審議会答申「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の学習指導要領等の改善について」では、「子どもが思春期に入り、学習内容も高度化する中学校は、小学校段階に比べ、授業の理解度が低下したり、問題行動等が増加するといった多くの教育課題を抱えている。このため、生徒が順調に中学校生活を始めることができるよう小学校と中学校の円滑な接続を図ることが極めて重要」と発達の段階に応じた小・中学校間の円滑な接続の重要性について示している。
 小中連携の推進上の課題として、たとえば、「授業への満足度」に対するアンケート調査において、「授業がわかる」や「授業が楽しい」という評価は、小学校と比べ中学校では肯定的な回答が減少していること(図省略:代わりに※以下に説明)や、不登校児童・生徒数が、小学6年生と中学1年生を比較すると、約4倍に増加していることなどがあげられる。
 本市ではこれまで、それぞれの学校の特色ある教育活動や研究・実践の成果を交流して共有できるよう、複数の学校が連携した教育活動の推進に向けて、校種間、学校間の連携を図ってきた。
 特に、平成19年度からは、「小中連携パイロット校調査研究事業」において、各行政区に1中学校区ずつパイロット校を指定し、学習指導・生活指導・地域連携等の観点を踏まえ調査研究を進めている。また、パイロット校では、学校間の連携を拡充するため、必要に応じ小・中学校間における教員の兼務発令をモデル実施している。
 今後は、すべての小・中学校間で学力向上連絡会等を設置し、学習指導に関する課題解決をめざすなど、小・中学校が相互の連携をより一層促進し、指導の継続性や接続の円滑化を図るとともに、教員が児童・生徒の理解を深め、学習指導・生活指導等の学校運営の改善に繋げていくことが重要である。
 そのため、教育委員会内に学識経験者を含めた「調査研究委員会」を設置し、小・中学校における一貫した教育のあり方等について実践的な研究を行うなど、本市における小中一貫した教育の推進を図っていく。(一部略)


【施策の内容】


○小中連携の充実
・小・中学校間の「スムーズ」な連携の構築に向け、各実践の成果の分析・発信等を通じて、小中一貫した教育の充実を図る。
・小・中学校の教員が相互に指導方法を取り入れるなど、交流や連携を深めることにより資質向上を図る。
※ 授業への満足度に対するアンケート調査を小6と中2で比べている。(小6→中2で表記)
 学校の授業がわかりますか。よくわかる(46%→19%)だいたいわかる(46%→57%)
 学校の授業が楽しいですか。楽しい  (30%→14%)だいたい楽しい(49%→42%)

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