教科書検定のニュースがありました。
2023年(令和4年)3月28日に、教科書の検定の結果が文部科学省から公表されました。
今回は、「教科書の検定」について書きます。
教科書の検定 教育ニュース
🟠教科書の検定 教育ニュース
<教科書検定制度について>
日本では、教育の基本となる指導内容を教育指導要領で定めています。さらに、小・中学校の教科書は無料配布されています。そこで、日本では、学校現場で使う教科書について、文部科学省が主体に実施する「教科書検定制度」があります。
「教科書検定程制度」について、文部科学省のホームページには、次のような記載があります。
1.教科書検定の意義
我が国では、学校教育法により、小・中・高等学校等の教科書について教科書検定制度が採用されている。教科書の検定とは、民間で著作・編集された図書について、文部科学大臣が教科書として適切か否かを審査し、これに合格したものを教科書として使用することを認めることである。
教科書に対する国の関与の在り方は、国によって様々であるが、教科書検定制度は、教科書の著作・編集を民間に委ねることにより、著作者の創意工夫に期待するとともに、検定を行うことにより、適切な教科書を確保することをねらいとして設けられているものである。
2.教科書検定の必要性
小・中・高等学校の学校教育においては、国民の教育を受ける権利を実質的に保障するため、全国的な教育水準の維持向上、教育の機会均等の保障、適正な教育内容の維持、教育の中立性の確保などが要請されている。文部科学省においては、このような要請にこたえるため、小・中・高等学校等の教育課程の基準として学習指導要領を定めるとともに、教科の主たる教材として重要な役割を果たしている教科書について検定を実施している。
文部科学省のホームページ:教科書検定制度について
<教科書検定の結果>
教科書検定の結果が、3月28日に公開されました。
今回の教科書検定は、小学校149点、高校78点のあわせて227点の教科書が申請され、文部科学省の検定意見による修正を経て、高校の「外国語」の不合格1点、「数学」の取り下げ1点を除いた225点が合格しました。
GIGAスクール構想を受けて、小学校では、1人1台のデジタル端末が、各学校に配備されてからはじめての検定となりました。
そこで、小学校の全学年・全教科の149点の教科書には、二次元コード(QRコード)を掲載しています。
学習指導要領が重視する主体的・対話的で深い学びなどの充実を図るため、QRコードのリンク先で提供する動画や音声などのデジタル教材も充実させたそうです。
ただ、このリンク先は、各教科書会社の管理するページに行く必要があるみたいです。
教科書検定基準では、QRコードなどを掲載する場合、教科書の内容と密接な関連があり、出版社の責任で管理できるウェブサイトをリンク先にすることを求めています。
ある教科書では、リンク先を厚生労働省や警察庁などのWEBページにしていたQRコードについては、意見がつき、修正が加えられました。
教科書をただ紙の指導用の資料として活用するだけでなく、WEB環境と密接に関連づけて教えることが今後教員には求められるようになります。
子どもが家で予習をしたり復習をしたりする際にも、教科書のQRコードを活用することで、動画やワークシートなどに簡単につながるようになり、便利になるかもしれません。
<採択までの大きな流れ>
検定に通ったからといって、2023年(令和5年)4月からすぐに学校現場で新しい教科書が使われるようになるわけではありません。
2023年4月からは、数か月をかけて、各教育委員会などで、採択の作業が始まります。
各学校の教員、教育委員会の代表などが、それぞれの教育委員会が定めた、採択基準によって採択作業を行います。
2023年6月から7月の間の一定期間、教科書の採択作業を行い、8月末に、どの教科書を採択するか決まると思われます。
新しい教科書が小学校の子どもたちの手元に届くのは、2024年(令和6年)の4月の新学年からです。
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