説明文の具体的な指導について知りたいです。
ここでは、次の2つのことについて書きます。
2次まで行う場合の指導
3次まで行う場合の指導
2次まで行う場合の指導
説明文の基本的な学習の仕方について続けます。
説明文の指導では、学習を2次で終えるか、3次まで行うかによって、子どもに提示する単元の大きな目標が変わってきます。
ここからは、東京書籍の3年生の教科書に載っている「パラリンピックが目指すもの」という説明文を使って説明をします。
この説明文では、「はじめ」の部分で、東京でオリンピックとパラリンピックが開かれることを伝えた後、「なか」では、パラリンピックの競技である「水泳」と「ポッチャ」を取り上げて説明した後、パラリンピックにとって大切な四つのことについて説明しています。そして、「おわり」で、パラリンピックが目指すものについて述べています。
2次まで行う読解中心の学習にする場合は、次のような単元目標が考えられます。
「パラリンピックの競技と目指すものについて読み取っていこう」
このように大きな目標を決めておきますと、2次で、パラリンピックの内容について読み取る際に、一部の言葉を変えるだけで、その日の学習課題(学習のめあて)にすることができます。
例えば、「パラリンピックの『水泳』について読み取っていこう」という学習課題(学習のめあて)を時間のはじめに示し、そのことについて書かれている部分を音読させます。
次に、教科書のてびきに示されているように、「短くまとめ(要約し)ながら読み取っていきます。
最初は、要約の仕方を学級全体で相談しながら、一緒に考えていきますが、だんだんと、時間をとって、子どもたちに自力で、要約できるようにさせます。
話し合いの中で、要約するときには、「です」「ます」といった文末の敬体を「だ」「である」といった常体にすることや、大事な言葉や文を見つけることが大切である書くことなどを確認します。
3次まで行う場合の指導
3次まで行う調べ活動や表現活動を含んだ学習にする場合には、次のような単元目標が考えられます。
「パラリンピックについて調べよう」
(この単元目標は、東京書籍の教科書に、でてきている言単元名です。でも、多くの学級では、このような大きな単元目標を省いて、説明文教材のみを学習するだけのことが、まだまだ多いように思います。)
このような単元目標にしますと、2次の読解の部分までは同じですが、3次で自分の調べたいパラリンピックの競技などについて調べて書くことになります。
「パラリンピックが目指すもの」の教材文を読んで、パラリンピックについてもっと調べたいと思ったことについて、調べて書くことになります。
その際、内容の読み深めが終わった後で、「筆者の表現の工夫」を読み取る時間をとると効果的です。
「筆者の表現の工夫」を探す時に、「お気に入りの表現」をノートに視写させるということを試みたことがあります。
このような学習を繰り返すことで、「理解のできる言葉」を「表現できる言葉」に変えることができるようになります。
多くの子どもは、このような学習をすることで、自分がよいと思った表現を、作文などで、使ってみたいと思うからです。
ある子どもは、具体例の出し方によさを感じるかもしれません。
この説明文では、具体的な例を出して説明する際に、「たとえば」という言葉を上手に使って書かれている場所が出てきます。
ある子どもは、強調のかぎ(「」)の使い方によさを感じるかもしれません。
このような表現も使って、自分の調べたパラリンピックの競技についてもっと調べたことについて作文を書くようにします。
この説明文では、パラリンピックの具体的な競技は「水泳」と「ポッチャ」の2つしかありませんが、クラスみんなで調べて、まとめたものを読み合うと、パラリンピックのさまざまな競技やパラリンピックに関係することについての理解が深まることになります。
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