擬態語とかたかなの関係とは何ですか?
かたかなの表記の仕方について、気になることがあります。
以前、「カタカナ」という表記は、正しくなく、「片仮名」「かたかな」と書くのか正しいのではないかと書きました。
ここでは、擬態語の表記について書きます。
かたかなと擬態語
🟠かたかなで書くことば
「『カタカナ』と『かたかな』、正しいのはどっち?」というページで、2年生の教科書には、「かたかなで書くことば」として、次の3つの場合があると書きました。
① 外国の地名や人の名まえ(一般的な言葉では、外国の固有名詞)具体的には、イギリス、ロンドン、リンカーンなど
② 外国からきたことば(一般的な言葉では、外来語)具体的には、チョコレート、ライオン、ヨットなど
③ ものの音やどうぶつの鳴き声(音と擬声語)具体的には、ガタンゴトン、ピーポーピーポー、ワンワン、ヒヒーンなど
また、実際の日常生活の中では、次の2つの場合もあると書きました。
④ 図鑑などのような学術的な表記をして使う場合。例えば、トラやクジラ、アサガオ、イチョウなどのようなに図鑑などで示したり、説明したりする場合。
⑤ 強調するなどの効果を意図して使用する場合。例えば、ネタバレなどのように単語として使う場合と、「あのお菓子、ヤバくない?」のように、文章の中で強調して使う場合。
🟠擬声語と擬態語
③の「ものの音や動物の名前」の説明として、「音と擬声語」と書きました。
擬声語は、様子を表すときに、音や鳴き声などが出ている様子を表す言葉です。
擬声語に似た言葉に、擬態語があります。
擬声語と同じように様子を表す言葉です。
例えば、次のような使い方があります。
空で星が、ぴかっと光る。歌手の美声にうっとりとする。部屋をぴかぴかにみがきあげる。
これらの様子を表す言葉には、鳴き声や音がありません。そのような場合は、「カタカナ」ではなく「ひらがな」で書くのが正しいのです。
しかし、「ピカッと光る。」「部屋をピカピカにする。」というような表記は、一般的によく見かけます。
これ以外にも、「気持ちがイライラする」「納豆がネバネバしている」「涙がポロポロと流れてくる」などたくさんの表現があります。
これらの様子にも、鳴き声や音がありません。ですから、本当は、「いらいらする」「ねばねばしている」「涙がぽろぽろと流れる」という表記が正しいのです。
以前にも書きましたが、言葉は、使う人がある程度、自由に使って良いものだと思います。正しい使い方を知った上で、意図的に使うのは、自由だと思います。「イライラ」と表記しようと、「いらいら」と表記しようと、書き手の自由です。ただ、正しい使い方を知らないで、間違って使っているのはどうかなと思います。
繰り返しになりますが、正しい表記を知った上で、強調のために使うのは自由です。
学級だよりや通知表に、「いつもハキハキとしていて、とても元気です。」「いつ見てもニコニコしていて、笑顔が素敵です。」というような表記があった場合、その教員は正しい日本語を使うことはできているのでしょうか? 正しい日本語を教える資格はあるのでしょうか?
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かたかなに関係するページを、合わせてお読みください。
「カタカナ」と「かたかな」、正しいのはどっち?に進む(内部リンク)
かたかなの教え方(内部リンク)
片仮名の「シ」と「ツ」の書き分けに進む(内部リンク)
オノマトペ:教育用語⑦に進む(内部リンク)
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