子どもがけんかしたときの対応は、どうすればいいのでしょうか。
教員として子どもや保護者に対応する場合、いくつかの心得を持っていた方が良いことがあります。
そこで、今回は、「けんかした子どもへの対応」について書きます。
けんかした子どもへの対応 教師の心得①
🟠けんかした子どもへの対応 教師の心得①
<子どもの性質>
多くの子どもは、活動的です。女の子は比較的大人しくすることができますが、多くの男の子は、活発で活動的です。
なかなかじっとしていることができないことが多いです。
休み時間など、外遊びも好きですし、友だちと一緒に遊んでいることも多いです。
しかし、当たり前のことですが、子どもが数人集まって遊んでいると、すぐにけんかや揉めごとが始まります。
子どもの中には、すぐに手が出てしまう子どももいます。
多くの原因は、とるに足りないようなことなのですが、けんかや揉めごとを起こしている子どもたちにとっては、重大なことなので、自分の正当性を主張します。
多くの子どもは、そのような時、先生のところにきて、解決するように請います。
「先生、なんとかしてよ。」と話をしにきます。
<教員の心得:けんかした子どもへの対応①>
このような時、私たち教員の心得として、どう対応するといいのでしょうか?
新任の教員や経験の浅い教員の場合、子どもの話を聞くことが大切だと考えて、すぐに話を聞こうとします。
時には、授業をやめて、子どもの話を聞こうとすることがあります。
しかし、これは、あまりよい対応ではありません。
理由は簡単です。授業が潰れてしまうからです。
いじめや暴力行為などすぐに対応した方がよい事柄が全くないわけではありません。
子どもの気持ちを大切にしようとすると、すぐに対応する方がよさそうです。
でも、多くの子どもが教員に相談をしにくるのは、授業が始まる直前の場合が多いというのも悲しいかな事実です。遊びをやめてまで、相談に来ることはあまりありません。
子どもの中には、もめごとを訴え、先生に解決してもらうことで、授業の時間が少しでも潰れればいいなあ、という気持ちがあるのも事実です。
それを証明するのは比較的簡単です。
子どもに次のように話すと、子どもの態度が変わります。
「わかりました。それは、たいへんですね。しっかりと解決したいので、次の休み時間からしばらく解決するまで話し合いの場を持ちましょう。」
こう伝えると、多くの場合、子どもは「先生、もう解決しました。もういいです。」と言って、次の休み時間になると、さっさと遊びにいきます。
貴重な休み時間を潰してまで、先生に話を聞きてほしいというわけではない、ということがよくあります。
<子どもの話を聞くことの大切さ>
子どもの話を真摯に聞くことはとても大切です。
子どもが本当にいじめられていた場合など、子どもが心を傷つけられたり、不登校になったりすることがあるのも確かです。
しかし、子どもから話を聞く方法はいくつかあります。誰もいないところでこっそり聞く方法もあります。子ども全員に「最近何か困っていること」というような作文を書かせる方法もあります。いじめアンケートを書かせる方法もあります。
ですから、子どもが揉めごとを解決してほしいと言ってきても、授業を潰してまで、学級全員に関係のない話を、すぐに聞く必要はないように思います。
<子どもが、教員に対して行う試し行動>
子どもは、教員に対してよく試し行動をとります。
試し行動は、意識してしている場合もあれば、無意識にしている場合もあります。
なぜ、このような行動を取るのかといえば、担任がどのような場面で怒ったり叱ったりするのかを知りたいからです。
教員が叱り始めるぎりぎりまでせめてくる子どもがいるのはほほえましいです。
そんなむずかしいことばかりでなく、簡単なことでも質問する場合があります。
例えば、子どもは、「先生、窓開けてもいいですか?」と聞くことがあります。
このような場合、どうすればいいのでしょうか?
簡単に「ああ、いいですよ。」と答えると、子どもは授業中に立ち上がって窓を開けるかも知れません。それも許すと、子どもは、授業中に勝手に立ち歩くようになるかもしれません。
何気なく許可したことで、知らないうちに、学級のルールがなし崩しになってしまい、だんだんと学級のぴりっとした雰囲気がなくなり、だらだらとした雰囲気の学級になってしまうこともありえます。
悲しいかな、何気ない事柄の積み重ねで、学級のきまりは、行動的な子どもや声の大きな子どもの自由なものになってしまうこともありえます。
<教員の心得:けんかした子どもへの対応②>
では、本来の目的である、けんかして子どもへ対応することについて書きましょう。
まずは、じっくりと両者の言い分を聞くことです。
時間がない時には、性急な解決も必要でしょうか、時間がある時には、じっくりと両者の言い分を聞くことです。
多くの場合、教員が話を聞くだけでもいい場合もあります。それだけで解決することも多いです。
少し子どもの言い分が違うこともよくあることです。
子どもの多くは、自分のしたよくないことは省略して話し、相手のしたよくない行動を強調して話す傾向がありますし、時には嘘を平気でつきますので、それも知っておく必要があります。
事柄が少し深刻な場合は、周りにいた子どもの話を聞くこともが必要な場合があります。
子どもが怪我をしたり、怪我をさせたりしている場合は、両方の保護者への連絡もきちんとするようにした方がいいです。
学年主任や管理職への連絡や報告をしておく方がいい場合もあります。
なんでも自分の胸にしまっておくのではなく、相談することも必要ですし、深刻な場合は、自分一人だけで聞くのではなく、学年の先生や教務主任などと一緒に話を聞くようにすることも大切でしょう。
時には、子どもの言ったことをメモに取るなどしておき、後から説明を求められた時にも対応できるようにしておくことが必要な場合もあります。
<教師の心得>
子どもが楽しく充実した日々を過ごすようにするためには、教員のちょっとした心遣いがとても大切だと思います。
ベテランの教員と若手教員の違いは、多くの場合は、失敗の積み重ねの差なのかもしれません。
多くの教員は、いろいろな小さな失敗を積み重ねつつ、少しずつ成長していきます。
でも、失敗しなくてもいいこともたくさんあります。
できれば、前もってちょっとした教育的な指導の知識を知っておくだけで、子どもへ適切な対応ができるようになることも多いです。
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併せて、教員の心得に関するページもお読みください。
1年間の見通し 教員の心得②に進む(内部リンク)
年度当初にすること 教員の心得③に進む(内部リンク)
実態を把握する 教員の心得④に進む(内部リンク)
毅然とした態度 教員の心得⑤に進む(内部リンク)
時間を守る:教員の心得⑥に進む(内部リンク)
話し方の工夫:教員の心得⑦に進む(内部リンク)
授業の導入の工夫:教員の心得⑧に進む(内部リンク)
集中のさせ方:教員の心得⑨に進む(内部リンク)
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