学ぶ① 指導案を読む 休暇中の過ごし方(1)

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つばさ
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よい夏季休業中の過ごし方について知りたいです。

 この記事を書いたのは、7月17日(日)です。3連休の真ん中です。教員にとっては、普通の休日です。間もなく、多くの自治体の教員にとっては、夏季休業が始まります。

 夏季休業は、子どもは夏休みでお休みです。しかし、教員は、休日ではありません。とはいえ、授業のある普段の日に比べると、夏季休業中は、年休もとりやすいです。勤務のある日でも、子どもがいませんので、時間休暇などがとりやすいです。普段の忙しい日々と比べると、時間的なゆとりがあります。

 そこで、今回は、「休暇中の過ごし方」について書きます。普段の授業のある時は、できにくいことで、夏季休業中などに行うとよいと思われる事柄を書きます。

学ぶ① 指導案を読む :休暇中の過ごし方(1)

🟠指導案を読み比べる

 日々、授業の簡単な指導案を作って、授業に臨むことがあると思いますが、小学校の教員にとって、毎日の授業のために綿密な指導案を作って授業に臨むのはなかなか困難です。そこで、少し時間的にゆとりのあるこの時期に行うとよいと思うことの1つに、指導案を読み比べるということがあります。

 最近は、指導案をネット上に掲載している学校や個人が多いです。「ごんぎつね」「大造じいさんとがん」などの有名な教材は、Googleの検索機能などに、「単元名」と「指導案」という言葉を入力すると、すぐにたくさんの指導案が出てきます。

 10本程の指導案を読むだけで、日本中の教員の様々な考えを知ることができます。

<観点を決めて読み比べる>

 指導案を観点を決めて読み比べると、面白いです。ここでは、「ごんぎつね」の指導案で考えてみましょう。

 観点を決めて読み比べると、様々な考えがわかります。

 例えば、「単元名」です。

ごんぎつね」という教材名を単元名にしている指導案もあります。「気持ちの変化を読み,考えたことを話し合おう」や「物語の登場人物になりきって日記を書こう」といったように、主たる学習内容を取り上げて教材名にしている指導案もあります。

 単元名を読むだけでも、指導者の「ごんぎつね」という教材に対する思いがわかります。

 同じように「学習の目標」を比べてみましょう。

 ここにも、指導者の強い思いが出てきます。

「場面の移り変わりに注意しながら、登場人物の性格や気持ちの変化、情景などについて叙述を基に想像しながら読むことができるようにする。」「物語の情景描写や叙述から,登場人物の心情を想像して読む。」というように、他の教材の目標にしてもよさそうな、普遍的な学習の目標を書いている指導案があります。小学校学習指導要領の言葉を引用していることもありますし、国語科の専門的な用語を用いている場合もあります。

 指導案を読む中で、自分の知らない言葉が出てきたら、その言葉や教育用語には、どのような意味があるのか、併せて調べてみることも大切なことだと思います。

「『ごん』や『兵十』の気持ちを進んで読み取ろうとする。」「進んで『ごんぎつね』や心の通い合いをテーマにした本を読もうとしている。」「『ごんぎつね』のクライマックスを作るために、叙述を根拠としたり自分の経験と重ねたりしながら物語を読み進めようとしている。 」などのように、「ごんぎつねという教材ならではの目標を取り上げている指導案もあります。

 指導案の目標を読むことで、この教材の特性を知ることもできます。

教材観」なども読む比べてみると、自分一人の教材研究では気づかない教材のよさを、たくさん知ることができると思います。

<自分ならどうするか考えながら読む>

 私自身、この文章を書くために、実際に、いくつかの指導案を読むべてみて、気になったことがあります。

 それは、「時間数」です。

 ざっと20本程度の「ごんぎつね」の指導案を概観してみて、一番短い指導時数で5時間でした。一番長い指導時数で、22時間でした。平均して、14時間程度の時間数にしている指導案が多かったように思います。

 ちなみに、現在の4つの教科書会社の指導計画では、時間数の少ない順に、教育出版は8時間学校図書は10時間光村図書は12時間東京書籍は13時間です。

 時間数が長いということは、それだけ1つの教材の指導内容が増えるということです。

 個人的な考えでは、1つの教材の指導時数を短くして、たくさんの教材に出合う機会を増やすようにした方がよいと思います。

 理由としては、10時間を超えて1つの教材を読むと多くの子どもは飽きてくるからです。最初に教材を読んで得た感動も、長い時間が経つと、薄れてくることが一般的だからです。

 また、1つの教材での指導事項を絞り、他の教材でも同じ指導事項を重ねて指導した方が定着すると思うからです。

 もっともこれはあくまで個人的な考えです。

 指導者の中には、子どもが最初にもった感動を、読む深めることでさらに増幅させることができる指導者がいるかもしれません。

 1つの教材を元に、何を教えるのか、何を学ばせるのか、何を身につけさせるのか、といったことも指導案には書かれています。

 時間数をどのように配分するかは、指導者の裁量です。

 このように、自分なりの考えをもって、指導案を読むと得ることがたくさんあると思います。

 ぜひ、自分の気になる教材、例えば、2学期にすることになっている研究授業の教材について、様々な指導案を読み比べてみることをお勧めします。

学ぶことに関する他のページもあわせて見てください。

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