物語を書く指導(7)  みくのふしぎなピアノ

指導方法
れい
れい

みくのふしぎなピアノの全文を載せますね。

 みくは、たんじょう、ずっとほしかったしろいグランドピアノをかってもらいました。みくは、よろこんで、さっそく「チューリップ」をひきました。いすをりると、まわりがなんだかぐるっとまわりました。

「きゃあっ!!」

 みくは、こわくなってをつぶってしまいました。

 しばらくすると、とまりました。

(よかった。)

 みくは、そうおもってをあけました。ところが、びっくり。

「こ、ここはどこ!!」

 そうなのです。おとうさんもいません。おかあさんもいません。まわりはぜんぶチューリップなのです。それに、しいんとしています。みくは、さみしくなってなきだしました。

「ええん、ひっく、ひっく、ええん。」

「おじょうさん、どうしたんです?」

(えっ?)

 をあけると、チョウがいっぱいいます。あか、ピンク、しろ‥‥いろいろです。

 みくはいました。

「あの‥。ピアノをひいていていすをおりたら、まわりがまわって、ここに、きちゃったんです。」

 チョウは、うなずきながらきいています。

「へえ、ふしぎだね。」

「はい。それで、ここはどこなの?」

「『チューリップのくに』よ。」

 ピンクいろのチョウがいました。

「そうですか。」

 みくは、おもいました。

(チューリップをひいたから、ここにきちゃったのかしら。)

 つづけて、あかのチョウがいました。

「ねえ、もうなくのはやめて、いっしょにあそばない?」

 みくは、なきやんで、

「うん。」

と、うなずきました。

「でも、なにをしてあそぶの?」

 ぜんぶのチョウがいました。

「チューリップで、いろんなものをつくるの!」

 みくは、にっこりして、

「うん、たのしそう。」

と、いました。

 そして、はなびらでリボンをつくったり、うでわをつくったりしました。しばらくして、いろのチョウがいました。

「ねえ、おじょうさん。かえらないでいいの。」

「うん。でもかえみちがわからないの。」

「あそこにあるわ。」

 チョウがさすほうると、チューリップのもんがあります。

「ありがとう。」

「さいごに、まえおしえてよ。」

「みくよ。」

「ぼくたちは、チューリップのチョウです。」

 そして、チョウはちょっとかなしそうに、したをむきました。みくも、をむきました。

「じゃあ、いろいろとありがとう。チョウさん。」

「いいえ、それよりみくさん、げんでね。」

 みくは、もんはしってきました。すると、しろいグランドピアノがおいてありました。

(あっ、そのピアノ、わたしの…。)

 みくは、そうおもいました。すると、うしろに、さっきのチョウがいました。もんまでおくろうとしたのでしょう。チョウがいました。

「ねえ、さようならするまえにピアノのきょくひいてくれる?」

 みくは、

「ええ、いいわよ。」

と、って「きらきらぼし」をひきました。

「ありがとう!!」

ぜんぶのチョウがいました。

「それじゃあ、さようなら。」

「さようなら。」

 みくは、もんました。すると、またまたびっくり。まわりが、またぐるっとまわったのです。

「こんどはどこへくの?」

 みくは、またをつぶりました。

 しばらくすると、まりました。をあけると、そこは、ほしだらけ。

「ここは、どこ…か…しら。」

 まわりをまわすと、つぎはほしがやってきて、

「おじょうさん、どうしたの。」

「あっ、あの…ここは、どこなんですか? それが、からなくて…。」

「ここは、『ほしのうちゅう』です。」

 みくは、また、おもいました。

(きらきらほしをひいたから、ここにきたのね。)

 すると、ほかのほしがきました。きん、ぎん、あおあか、いろいろです。

「ねえ、あそぼ。」

「うん。でも、なにしてあそぶの?」

 ほしいました。

「わたしたちが、わになるから、なわとびとかをするの。」

「わあ、おもしろそう。」

 みくも、にっこりしました。

 そして、なわとびのゆうびんやさんをしたり、かごめかごめをしたりしました。すると、ひとつのほしが、

「ねえ、おじょうさん、かえらないでいいの。」

「うん。でも、かえみちがわからないの。」

「あそこよ。」

 さすほうると、ほしもんがあります。

「いろいろとありがとう。ほしさん。じゃあ、さようなら。」

もんまで、おくるよ。」

 そして、いっしょにいくと、またしろいグランドピアノがありました。

 ほしいました。

「おねがい、さよならするまえいっきょくひいて。」

「ええ、いいわよ。」

 そして、「うみひろいなおおきいな」をひきました。

「うわぁい!! ありがとう。」

「うん。じゃあ、バイバイ。」

「うん、げんでね!!」

 そして、みくがもんをでると、まわりがまたまたまわりました。

「うわっ!!」

 このまわりかたは、すごくはやかったのです。みくは、びっくりしました。

 バシャ!!

 りたのは、地上ちじょうではないのです。うみでした。

「きゃあっ!」

 みくは、およげないのです。

「た…す…け…て…。」

 そのときです。

 バシャッ!!

「えっ?」

 めをあけると、クジラのうえにのっていました。あれっ、このクジラ、どこかでたような…からだしろくて、はが、けんばんみたい…。

「わたしのピアノ!!」

 クジラはだまっています。

 そのうち、みくは、ねむくなって、ねむくなって…。

 ドタッ。

 みくがりたのは、ピアノをひいていたへやです。

「えっ…?」

 みくは、ピアノのことをおもしました。

「あっ、そうだった!! わたしのピアノ!!」

 ピアノはちゃんとありました。

 ところが、ふしぎなことがひとつ。

 けんばんに、ぽつっとみずがついてあったのです。

(やっぱり、あのクジラは、このピアノだったのね…。)

と、おもって、すぐにみずをふきました。

 そして、ピアノにむかって、ささやきました。

「ありがとう。」

と。

(おしまい)

* この文章は、8歳の時に書いた原稿の大部分はそのままに、文法や漢字の誤りを、筆者により訂正したものです。

⭐️ ⭐️

 なお、この作文の指導法について、教員向けに書いた文章は、次のページから読めます。

物語を書く指導(1) 指導のポイントに進む内部リンク

物語を書く指導(2) 単元目標と指導計画に進む内部リンク

物語を書く指導(3) 指導の工夫①に進む内部リンク

物語を書く指導(4) 指導の工夫②に進む内部リンク

物語を書く指導(5) 指導の工夫③に進む内部リンク

物語を書く指導(6) 指導の工夫④に進む内部リンク

 なお、この作文の書き方を子ども向けに書いた文章は、次のページから読めます。

物語を書こう(ものがたりをかこう)(1)外部リンク

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