研究主任の大まかな仕事について知りたいです。
学校では、授業を行う以外に様々な仕事があります。
そのような仕事を校務分掌といい、教職員が分担をして行います。
ある程度教員を経験すると、研究主任という役割に任命されることがあります。
今回は、「研究主任の役割①:大まかな仕事」について書きます。
研究主任の役割①:大まかな仕事
🟠研究主任の役割①:大まかな仕事
<研究主任とは>
学校の中では、様々な仕事を校務分掌といい、いくつかのグループに分かれて仕事を行います。
校務分掌のグループの中に、授業の質を高めるための手立てを講じることなどを主な役割にする研究部があります。学校によっては、研修部という場合もあります。
そのような研究部(研修部)の中心的な仕事を行うのが研究主任です。
校務分掌:教育用語⑧に進む(内部リンク)
<研究主任の大まかな仕事>
多くの学校における研究主任や研究部の役割には、次のようなものがあります。
・研究主任が中心になって研究教科や研究テーマなどを決める。
・校内研究組織を作る。
・教員の授業力向上のために、年に数回研究授業を行う。
・授業や単元の進め方について具体的を方法などを提案する。
・年間の研修のスケジュールを作ったり、研究授業の日程が重ならないように日程調整を教務主任と一緒に調整したりする。
・新任の教員がいる場合は、その教員向けの研修計画を作成し、研修を行う。
・研究授業を行うときに、外部講師との調整を行う。
・研究授業の前の指導案検討会の司会をしたり、研究授業後の研究授業討論会の司会をしたりする。
・研究授業の際の、授業記録、板書記録、ビデオ撮影、写真撮影などの役割分担の案を作成する。
・研究冊子を作る場合は、どのような内容にするのか案を作成する。
これらのものは、あくまで一例です。
<どのように進めていくのか>
このような研究体制づくりをすることは、なかなかたいへんです。
最初から、管理職や他の教職員が納得し、賛成するようなアイディアが浮かぶわけではありません。
特に、研究授業や公開授業の授業者を決める会議は、重たい雰囲気が漂うこともあります。
中には、進んで研究授業を引き受ける教員もいますが、そのような教員は少数派で、そのような教員は、毎年研究授業を行うことになります。
時には、研究主任が率先して研究授業をしなければいけないこともあります。
時には、教育委員会や地方自治体の研究会などが主催する教育指定校なんかに「当たる」と、さらにたいへんになることもあります。
残念なことですが、時折、「研究すると学校が荒れる」なんて言葉も耳にすることもあります。
教育指定校を学校長が引き受けてきたり、学校長が地方自治体の研究会のお偉いさんで引き受けなければならない状態になると、教員の大部分が反旗を翻すことがないわけではありません。
教職員間の関係がぎずぎずしたり、白けたムードが漂ったりすることもあります。
しかし、研究を通して、自分自身の授業力が伸びたり、子どもが成長する姿を見たりすることはとてもうれしいことです。
多くの教員は、自分の教師としての力量を高めたいと思っていますが、日々の授業をするだけでもたいへんなのに、それ以上の仕事が増えることに強い拒否感をもつこともあります。
では、なぜ多くの教員が教師としての力量を高めたいと思っているのに、研究活動が活性化しないのでしょうか。
理由は、簡単です。時には、研究をしても時間がかかるばかりで、多くの場合、即効性がないように感じられることがあるからです。
研究授業のために、時間をかけて指導案を書いてきても、自由な意見が飛び交い、好き勝手に直され、具体的な改善策はあまり示されないこともあるからです。
できれば、研究主任は、よい部分を認めるようにし、もし改善した方がよいと思うのであれば、具体的な改善策を提示することが必要です。本来は、すべての教職員がこのように、良さを認め合い、改善した方がよいと思うのであれば、どこをどのようにすればいいのか具体策を提案すべきだと思います。
そのような形に、指導案検討会を進めていけるのも、研究主任の大きな役割のようにも思います。
このように、楽しく研究をするための具体的な方策を考え、提案できるのは、研究主任の重要な役割の一つです。
具体的な提案を通して、学校改善に取り組むことは楽しいことです。
学校によっては、管理職や教務主任や、他のベテランの教職員が、その手伝いをしてくれることもあります。
私がこのブログに載せている様々な文章の多くは、研究主任などの役割をしているときに書いたものです。
教材研究の仕方など、少しでも他の教職員の役に立つといいなあ、と思って、A4の用紙1枚にまとめて、提案しました。
すぐにたくさんの文章を書くことはできませんが、少しずつ書くことで、自分なりの指導の方法を確かめることができたようにも思います。
<様々な方法を取り入れる>
学校の研究テーマや授業の進め方をすべて、自分で考える必要はありません。
様々なものを参考にすればいいのです。
多くの学校では、研究紀要などを作成し、それを送っていただくことがあります。
もし国語や算数などに研究教科が決まっていれば、そのような他校で作られた研究紀要を真似するとよいと思います。
学ぶ③ 研究紀要を読むに進む(内部リンク)
研究テーマが書いてあれば、それをそのまま真似してもいいかもしれません。
具体的な指導案の書き方が書いてあれば、それをそのままそっくり真似してもいいと思います。基本形は同じにして、少し簡単な形式にするなどの工夫をしてもいいと思います。
最近は、教員の働き方改革が大切だとされています。
それが大切だと共感するのであれば、それを研究テーマにしてもいいかもしれません。
指導案も数ページにわたるきちんとした指導案ではなく、A4の大きさの紙、1枚や2枚程度にコンパクトにまとめるという提案をしてもいいかもしれません。
もしかすると、管理職や外部の指導助言などから横槍が入るかもしれませんが、賛成してくれるかもしれません。
提案してみないと、結果は分かりません。
具体的な提案ができるのが、研究主任の役得といえるかもしれません。
GOGAスクール構想が本格化し、子どもに一人一台のパソコンやタブレットなどが使える教育環境が整ってきている学校も多いかもしれません。
このブログでも、様々なソフトウェアの使い方について紹介しています。
そのような「ソフトウェアを取り入れた授業改善」というテーマで、授業に必ず何らかのソフトウェアを使った研究授業をすることだけを共通理解にした研究でもいいと思います。
Padletの活用(電子掲示板)に進む(内部リンク)
Canvaの活用(デザイン作成)に進む(内部リンク)
Kahoot!の活用(教育用クイズ)に進む(内部リンク)
Flipの活用(相互鑑賞・交流)に進む(内部リンク)
ChatGPTの活用(文章作成)に進む(内部リンク)
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<まとめにかえて>
研究主任をすることはたいへんなことです。
しかし、研究主任という役割を通して成長できることも多いと思います。
この文章が、いろいろな学校で、研究主任の立場になっている人の役に立つとうれしいです。
研究主任の役割②:国語研究の具体例に進む(内部リンク)
研究主任の役割③: 指導案の原案作りに進む(内部リンク)
研究発表会に向けて 研究発表①に進む(内部リンク)
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