養護教諭について知りたいです。
学校には、授業を行う教員以外に様々な役割を担った人が勤務しています。
今回は、その中で、保健室にいることの多い養護教諭について説明します。
今回は、「養護教諭の役割」について書きます。
養護教諭の役割
🟠養護教諭の役割
<養護教諭とは>
学校教育法には、養護教諭について、次のように書かれています。
第三十七条 小学校には、校長、教頭、教諭、養護教諭及び事務職員を置かなければならない。
⑫ 養護教諭は、児童の養護をつかさどる。
学校教育法
養護教諭として働くためには、教護教諭の免許状を取得する必要があります。 一般的には、大学・短大・専門学校などの教護教諭養成課程のあるの教育・保健・看護系学科などを卒業することで取得できます。 その後、各自治体などで行なっている教員採用試験に合格すれば、養護教諭して働くことができます。
採用試験に合格していなくても、教諭の代わりをするために、各自治体では、講師として採用されることがあります。
同じように、採用試験に合格していなくても、養護教諭の代わりをするために、各自治体では、養護助教諭として採用されることがあります。
違いは、定年までの正規雇用か、任用期間のある雇用かということだけです。
子どもにとって、担任の先生が教諭か講師かは、あまり関係ありません。同じように、子どもにとって、保健室にいる先生が、養護教諭か養護助教諭かは、あまり関係ありません。
では、「養護をつかさどる」とは具体的にどのようなことをするのでしょうか。
文部科学省のホームページには、養護教諭の職務内容について次のように書かれています。
養護教諭の職務内容
1 学校保健情報の把握に関すること
2 保健指導・保健学習に関すること
3 救急処置及び救急体制に関すること
4 健康相談活動に関すること
5 健康診断・健康相談に関すること
6 学校環境衛生に関すること
7 学校保健に関する各種計画・活動及びそれらの運営への参画等に関すること
8 伝染病の予防に関すること
9 保健室の運営に関すること
文部科学省ホームページ
多くの学校では、よほど子どもの人数の多い学校などでなければ、基本的には、養護教諭は1校に1人しかいません。1人でこれらの仕事をこなすのはたいへんですが、養護教諭ないし養護助教諭の先生方は、たいへん優秀な方が多く、多岐にわたる仕事をきちんとなさっています。
<養護教諭の役割>
昭和47年(1972年)に出された「保健体育審議答申」によると、養護教諭について、次のように書かれています。
養護教諭は、専門的立場からすべての児童・生徒の保健及び環境衛生の実態を的確に把握し、疾病や情緒障害、体力、栄養に関する問題等、心身の健康に問題を持つ児童生徒の指導に当たり、また、健康な児童生徒についても健康の増進に関する指導のみならず、一般教員の行う日常の教育活動にも積極的に協力する役割を持つものである。
保健体育審議答申
また、平成9年(1997年)に出された「保健体育審議答申」によると、「養護教諭の新たな役割」について、次のように書かれています。
(前略)養護教諭は、児童生徒の身体的不調の背景に、いじめなどの心の健康問題がかかわっていること等のサインにいち早く気付くことのできる立場にあり、養護教諭のヘルスカウンセリング(健康相談活動)が一層重要な役割を持ってきている。養護教諭の行うヘルスカウンセリングは、養護教諭の職務の特質や保健室の機能を十分生かし、児童生徒の様々な訴えに対して、(中略)心や体の両面への対応を行う健康相談活動である。(中略)養護教諭については、現代的課題など近年の問題状況の変化に伴い、健康診断、保健指導、救急処置などの従来の職務に加えて、専門性と保健室の機能を最大限に生かして、心の健康問題にも対応した健康の保持増進を実践できる資質の向上を図る必要がある。
保健体育審議答申
<養護教諭の実際の仕事>
養護教諭は、通常、保健室にいて、学校にいる子どもが怪我をしたり気分が悪くなったりしたときに応急処置をしたり、少しの間、保健室で休ませたりします。
学校は、病院ではありませんので、医療行為はできません。保健室における休息も1時間程度で、それでも体調がよくならない場合は、家庭に連絡してお迎えに来てもらうことが多いです。
最近は、共働きの家庭も多いので、お迎えが来ない間は、養護教諭と一緒に数時間保健室でお迎えを待つこともあります。
頭を打ったり、大きな怪我をしたりした場合は、病院に付き添い、保護者と一緒に治療の様子を見守ったりすることもあります。
養護教諭の大きな働きの1つとして、6月末までに子どもの健康診断を実施することがあります。
学校医などと日程調整を行い、内科医、歯科医、耳鼻咽頭科医、眼科医などから子どもの健康状態を検査してもらう計画を立て、実施しています。
その他、検尿や寄生虫検査なども業者と日程調整をして実施します。
養護教諭自身が、視力検査、身体測定なども行います。
そのような時に、養護教諭は、子どもの身体をさりげなく観察し、虐待などの兆候がないか観察することもしています。
これらの健康診断をして、子どもに治療する箇所があった場合は、健康診断結果票などを保護者に渡し、治療をうながす働きもあります。
コロナウィルスが流行し、学校において感染予防が必要になった時の養護教諭の役割はたいへん大きくなっています。
手洗いのための石鹸の手配、消毒液の手配、消毒のためのアルコールの手配、非接触型の体温計の手配などを事務職員や管理職などと連携しながら、積極的に行い、子どもや教職員がコロナウィルスに感染しないように、様々な手立てを講じています。
今あげた具体例以外にも、養護教諭の仕事は、多岐にわたります。
家庭で十分なケアが受けられない子どもにとって、養護教諭のやさしい笑顔は、とても癒されるものです。
子どもが保健室に来たときに、簡単な教育相談を行うこともあります。
不登校気味の子どもの中には、教室に行く代わりに保健室登校をしている子どももいます。
担任教員とは違う形での心のケアを、さりげなく子どもにしている養護教諭や養護助教員などの保健室の先生はたくさんいて、子どもの役に立っています。
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