教師による教育相談

教育相談

 

つばさ
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教育相談について知りたいです。

学校では、子どもや保護者からの悩みや相談事に対して教育相談を行うことがあります。

ここでは、「教師による教育相談」について書きます。

教師による教育相談

🟠教師による教育相談

<教育相談>

子どもや保護者は、学校や家庭などの生活において困難な事柄が起こったときに、誰かに相談したいと考えることがあります。

また、教師が子どもの学校生活の様子や言動などを見ていて、時間をとって話を聞く方がよいと思われる場合もあります。

学校が関わる相談内容は、多岐にわたります。

友だちとの人間関係、非行などの問題行動、いじめ、不登校、発達障がい、低学力、複雑な家庭環境など様々です。

このような場合、相談する相手として浮かぶのは、スクールカウンセラーと教員です。

最近は、多くの自治体がスクールカウンセラーを配置するようになってきています。

教員としては、学級担任や特別支援学級担任、養護教諭、管理職などが考えられます。

養護教諭の役割に進む内部リンク

<スクールカウンセラーによる教育相談>

スクールカウンセラーと保護者ないし子どもとの教育相談の調整は、多くの場合、教頭などの管理職が行なっている場合が多いように思います。

担任に対して、保護者や子どもからスクルーカウンセラーとの教育相談の申し込みがあった場合は、管理職にその旨を伝え、日程調整や相談場所の確認をする必要があります。

スクールカウセラーが勤務している学校に来て、相談をしている場合もありますし、進学先の中学校や近隣の小学校などに決まった曜日などに来て相談を受けている場合もあります。

このような教育相談に関しては、基本的にスクールカウンセラーにお任せすることになります。

スクールカウンセラーには、「守秘義務」があります。

守秘義務とは、「職務の特性として個人情報を扱う職業において、正当な理由なしに、職務上知り得た秘密を漏らしてはならないという職業倫理」です。

しかし、学校現場においては、教師とスクールカウンセラーは、子どもや保護者に対して共通の援助チームです。スクールカウセラーが守秘義務を盾に相談内容を、学校側に全く開示しないと、子どもや保護者の役に立たない場合もあり得ます。そこで、最近は、「集団守秘義務」という考え方が一般的です。

集団守秘義務とは、「子どもや保護者などの相談者の利益につながることを条件にして、援助チーム内において秘密の共有が許容されるという考え方」です。

スクールカウセラーさんに、相談中に、このことは学校側に伝えてもいいですか、という許可をとるようにしてもらい、学校側にも情報を伝えることを容認してもらうようにしておきます。

<教師による教育相談>

多くの教員は、学生時代に、カウンセリング(誰かの相談を専門的な方法で聞いて、相談者の問題を解決に結びつけていく援助方法)について専門的に学んだわけではありません。

ただ、カウンセリングマインドという言葉は聞いたことがあると思います。

カウンセリングマインドとは、「相談を受ける人が持つべき態度、考え、心構え」です。

カウンセリングの神様」と呼ばれるアメリカ人の心理学者のカール・ロジャーズ氏は、「来談者中心療法」という方法を用いて人々の問題を解決するようになりました。

カール・ロジャー氏は、援助者(相談を受ける人)の基本姿勢として次の3つを挙げています。

共感的理解

 相談者の体験や思いを、相談者の視点から理解しようとすること

無条件の肯定的配慮

 相談者が語る体験や思いを価値判断しないで受け入れ、尊重すること

自己一致・純粋性

 相談を受ける人が自分の気もちに歪みなく正直に気づくこと

 場合によっては、気づいたことを、十分な配慮のもとに、相談者に伝えること。

このようなカウンセリングで用いられている基本姿勢を、教師が行う教育相談においても活用できるとよいのですが、多くの教員は、専門的な訓練を受けていませんので、なかなかできないことも多いと思います。

ただ、カウンセリング場面で用いられることの多い、次にあげる基本的なコミュニケーションの技法は、知っておくと役に立つかもしれません。

傾聴

 言葉の意味や背景に関心を持ちながら積極的な態度で聴くこと

 うん、なるほどなどと肯定的に話を聞くこと

繰り返し

 相談者の言葉をそのまま繰り返すこと

 できるだけ共感的に相手の話を繰り返すこと

感情の反射

 感情に焦点を当てた応答を返すこと

明確化

 相談者の混沌とした話を言語化して確かめていくこと

 相談者がうまくまとめられない内容を、上手にまとめて話すことで言いたいことを明確にする手助けをすること

沈黙の大切さ

 沈黙につきあい、待つこと

要約

 語られた内容を簡単にまとめて返すこと

<気をつけること>

相談を受ける時間は、前もって考えておくほうがいいかもしれません。

基本的には、1時間程度が最適です。

長い時間の相談は、相談する人にとっても、相談を受ける人にとってもたいへんな負担になります。一度で全てを解決しようとしないで、「この続きは○○にしましょう」と継続することも大切です。

子どもからの相談の場合、相談の内容を保護者や管理職などへ伝えてもいいかどうかを確かめることも大切です。

秘密にしてほしいと子どもが望んだとしても、虐待やいじめなど、保護者や他の子どもが関係する内容に関しては、解決するためには、他の人に伝えることが必要であることをきちんと理解してもらうことも必要です。

相談の内容によっては、自分で解決できるかどうかを見極めることも大切です。子どもの信頼を裏切らないようにしつつ、専門家に任せた方がよいと判断した場合は、相談者に了解をとって、専門家に任せる方がよいこともあります。

教育相談において上手に話を聞くことができるようになるためには、研修を受けることも大切です。ロールプレイなどを行い、相談者の立場になって研修を受けることも役に立つことが多いです。

なお、教育相談以外の方法でも、子どもを守る方法にはいろいろあります

自殺から子どもを守るに進む内部リンク

いじめから子どもを守るに進む内部リンク

虐待から子どもを守るに進む内部リンク

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