栄養教諭の役割

教職員の仕事
つばさ
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栄養教諭の役割について知りたいです。

 学校には、授業を行う教員以外に様々な役割をになった人が勤務しています。

 今回は、その中で、給食に関係する仕事をしたり、食に関係する仕事をしたりする栄養教諭について説明します。

 今回は、「栄養教諭の役割」について書きます。

栄養教諭の役割

🟠栄養教諭の役割

<栄養教諭とは>

 文部科学省のホームページにある「栄養教諭制度の概要」というページに「趣旨と職務」について、次のようなことが書かれています。

 趣旨

 食生活を取り巻く社会環境が大きく変化し、食生活の多様化が進む中で、朝食をとらないなど子どもの食生活の乱れが指摘されており、子どもが将来にわたって健康に生活していけるよう、栄養や食事のとり方などについて正しい知識に基づいて自ら判断し、食をコントロールしていく「食の自己管理能力」や「望ましい食習慣」を子どもたちに身につけさせることが必要となっている。
 このため、食に関する指導(学校における食育)の推進に中核的な役割を担う「栄養教諭」制度が創設され、平成17年度から施行される。

 職務

 食に関する指導と給食管理を一体のものとして行うことにより、地場産物を活用して給食と食に関する指導を実施するなど、教育上の高い相乗効果がもたらされる。

(1)食に関する指導

 1.肥満、偏食、食物アレルギーなどの児童生徒に対する個別指導を行う。

 2.学級活動、教科、学校行事等の時間に、学級担任等と連携して、集団的な食に関する指導を行う。

 3.他の教職員や家庭・地域と連携した食に関する指導を推進するための連絡・調整を行う。

(2)学校給食の管理

 栄養管理、衛生管理、検食、物資管理等

栄養教諭制度の概要

 このように栄養教諭の仕事は多岐にわたります。ただ、全ての学校に、栄養教諭が配置されているわけではありません。

<栄養教諭の仕事>

 養護教諭などは、全ての学校に配置することが法律で決まっていますが、栄養教諭は、そのように定められていません。栄養教諭制度ができる前に比べると、栄養教諭の人数はとても増えていますが、全ての学校に配属されていませんので、近隣の学校の仕事も担うことがあります。

 他の小学校の仕事を担う仕事の1つが、「食に関する指導」です。

 多くの小学校では、栄養教諭は、年間に2回程度「食に関する授業」を行うことがあります。そのような「食に関する指導」の授業を自分の所属する学校の子どもたちだけでなく、近隣の小学校に出向いて授業を行うことがあります。

<食に関する指導>

 学校では、「食に関する指導」の年間指導計画を作る必要があります。その年間指導計画を、中心になって作成するのも栄養教諭の仕事です。

 食に関する指導として、例えば、次のような授業をすることがあります。

 1年生「きゅうしょくをたのしく」「なんでもたべよう」

   2年生「しっかりかんで食べよう」「やさいを食べよう」

 3年生「朝ごはんを食べよう」「おはしの使い方を知ろう」

 4年生「バランスのよい食事」「おやつを選ぼう」

 5年生「朝食の大切さ」「地元の食材を食べよう」

 6年生「食物アレルギーについて知ろう」「バランスのよいお弁当を作ろう」

 このような授業を担任と協力して実施するのも栄養教諭の仕事です。

<食物アレルギーに対する支援>

 最近は、食物アレルギーをもつ子どもが増えています

 そのような子どもは、保護者と連携をして、食べると危険な食材をきちんと給食から除去することが大切です。

 保護者や子どもと担任、給食調理員、医師、管理職などと連絡を密に取り、除去すべき食材を子どもが食べないようなシステムを作ることが大切です。その調整役になるのも栄養教諭の大切な仕事の1つです。

 できるだけダブルチェック、トリプルチェックができるシステムを作る必要があります。

なお、食物アレルギー対応については、次のページを読んでください。

保健安全指導(救命救急研修)初任者研修014に進む内部リンク

<給食調理に関する仕事>

 多くの小学校では、学校の中に給食室があり、給食調理員が学校の中で給食を調理して提供しています。

 ただ、全ての学校で、学校の敷地内に給食室があって、そこで調理されているわけではなく、自治体によっては、学校の外に給食センターなどを設置し、複数の学校の給食をそこで作り、作られた給食を車などで学校に運ぶこともあります。

 給食を作っている給食調理員に関しても、自治体によっては、その自治体の職員として雇われている場合もあれば、外部の食品調理会社などに委託し給食を作る業務を依頼している場合もあります。

 最近は、徐々に給食センターや学校の給食の業務を外部の民間に移している自治体が増えているようです。

 給食調理員を地方公務員として雇わずに、外部の民間に移している理由は明確です。公務員として雇用するよりも、外部委託した方が安くなるからです。

 通常、一般公務員の常勤労働は、1日8時間労働(1週40時間労働)で、年間240日労働が基本です。しかし、小学校などの場合、夏休みなどに大型休暇があるため、給食を実施しているのは、小学校190日前後です。定められた労働日数のうち、50日程度給食業務のない日があります。

 外部委託した場合、その期間の人件費を払う必要がありませんので、徐々に給食調理員の数を減らし、外部委託校を増やしています。

 給食の子どもへの受け渡しや残食の確認、給食室の衛生管理などを給食調理員と協力して行うのも栄養教諭の仕事の1つです。

<その他栄養教諭の仕事>

 自治体によっては、給食だよりを作ったり、他の栄養教諭と協力して、献立表を作ったりすることもあります。

 学期末などの保護者との個人懇談期間に、担任とは別に、保護者から子どもの食に関する相談を受けている養護教諭もいます。養護教諭と連携し、家庭での食物アレルギーや肥満、偏食などについて相談にのり支援をしている栄養教諭もいます。

なお、養護教諭の役割については、次のページをお読みください。

養護教諭の役割に進む内部リンク

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