教務主任の役割⑤:職員会議の運営

教職員の仕事
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教務主任の大きな仕事のひとつが職員会議の運営です。

 学校では、授業を行う以外に様々な仕事があります。

 学校の教職員の仕事に、教務主任という役割があります。

 今回は、「教務主任の役割⑤:職員会議などの運営」について書きます。

教務主任の役割⑤:職員会議などの運営

🟠教務主任の役割⑤:職員会議の運営

<職員会議や企画会>

 職員会議とは、学校で使う特別な用語のひとつです。学校に務める教職員が一同に職員室などに集まり、学校行事などの進め方などについて話し合うことです。

 職員会議は、以前は、教職員の様々な考えを審議する場でもありましたが、現在は、校長の考えを教職員に伝える場に位置付けが変わりました。

 職員会議について、文部科学省(当時は、文部省)は、中央教育審議会答申「今後の地方教育行政の在り方について」(1998年・平成10年)を踏まえて、2000年(平成12年)に、学校教育法施行規則を一部改正しました。ここで初めて、職員会議について規則上明文化されました。

 第23条の2(現在では、第48条)第1項で、「小学校には、設置者の定めるところにより、校長の職務の円滑な執行に資するため、職員会議を置くことができる」、第2項で「職員会議は、校長が主宰する」として、法的位置付けを明確にしました。

 とはいえ、学校行事の進め方などを学校長が全て提案できるわけではありません。

 教職員が、学校行事などの進め方について、校務分掌に基づいて原案を作成し、相談することになります。これが職員会議です。

 学校教育法施行規則が改正されるまでは、管理職と教職員で学校行事などの進め方について意見が分かれることがありましたが、現在は、意見が分かれた時は、学校長の考えが優先されるということになっています。

 ただ、当たり前のことですが、管理職と一般の教職員が対立しているようでは、日々の活動がスムーズに進むわけがありません。

 職員会議が円滑に進むように調整するのも教務主任の役割のひとつです。

 教職員の人数が多い場合や職員会議を短時間で終えたい場合などは、学校によっては、職員会議の前に「企画会」を設ける学校もあります。

企画会」というのは、職員会議の前に、管理職や校務分掌の各部長、学年主任などと職員会議の審議事項の提案者が前もって打ち合わせをする会合です。 

<職員会議や企画会に向けて>

 職員会議や企画会の審議内容については、多くの場合、例年の審議内容をもとに、教務主任が考えます。

 どのような審議内容があるのか、次の月の行事などを考慮して考えて、レジメを作ります。

 レジメとは、職員会議(ないし、企画会)で「提案される案件」と「担当者」をまとめたものです。

 レジメを元に、職員会議や審議内容に関する原案などの資料を、校務分掌の係の教職員にお願いします。

 多くの学校では、職員会議や企画会用の冊子の表紙に「提案される案件」と「担当者」の名前が記載されることが一般的です。

 その表紙(レジメ)の「提案される案件」と「担当者」の名前の欄をマーカーなどで色付けして、いつまでに資料を集めたいか示しておくといいでしょう。

 それぞれの担当者の机の上に、その紙を置いておくという方法で、資料作成のお願いをするという方法もあるでしょうが、できたら、一言声をかけてお願いする方が、お互いに気持ちよく仕事ができるかもしれません。

 作成できた資料は、教務主任の机の周辺に、提出用の大きめの封筒(学校には、教育委員会や他の学校から多くの封筒が届きます)を用意しておきます封筒には先程の原案を貼っておき、提出できた場合は、チェックを入れてもらうようにすると、誰が提出済みであり、作成中なのかわかります

 集まった資料などを印刷して、冊子にするのも教務主任の役割です。

 ペーパレスの時代ですので、わざわざそれぞれの提案する文章を印刷しないで、教職員が共通して見ることができるパソコンで職員会議をするようにしてもいいと思います。

 先進的なある学校が、10年以上前に、ペーパーレスの制度を取り入れ、職員会議をするようにしたそうです。

 ただ、印刷物というのは便利なもので、1枚ないし数枚の紙を見ただけで、学校行事などの留意点などを把握することができます。

 その学校では、職員会議をペーパーレスにしたのですが、学校行事の前には、みんなが学校行事の進め方を把握するために印刷をすることになってしまったそうです。

 タブレットなど持ち運べる機器がある場合は別でしょうが、さっと内容を把握するためには、学校現場では、紙の手軽さが、ペーパーレスの考えを超えることはなかなかむずかしいことでもあります。

<提案資料に目を通す>

 前もって作成された提案資料に目を通しておくといいかもしれません。

 たくさんの仕事を抱えている教務主任ですから、そのような時間はなかなか取れないかもしれません。ただ、ゆとりのある時には、目を通すようにするのもいいかもしれません。

<資料作成の手伝いをしたり、事前に相談をしたりする>

 多くの提案資料は、例年の資料やパソコン上のデーターなどの日付を変えて作成されることが多いでしょう。

 ただ、他の学校から転勤してきたり、新しく教員になったりした教職員の場合は、昨年の資料を見ても、状況がよくわからない場合があるかもしれません。

 そのような場合は、学年主任や校務分掌の各部の長に相談するようにうながしたり、場合によっては教務主任自ら手助けしたりするようにしてもよいと思います。

 学校全体の状況を把握で来ているのが、教務主任のよさです。昨年の学校行事の改善策などがあれば前もって、資料を作成する前に相談をするということがあってもいいかもしれません。

 学校長の意向などがある場合は、それを上手に伝えるのも教務主任の役割といえるかもしれません。

 ただ、管理職や自分の考えを一方的に押し付けるのはよくないと思います。なぜその方がよいと思うのか、きちんと理由や根拠などを伝えることも大切だと思います。

<まとめに変えて>

 教務主任が10人いれば、きっとその10人のやり方は、それぞれ違うと思います。

 このやり方が正解ということもありません。自分が今までに知っている教務主任のよさを真似しつつ自分なりの教務主任像を作っていけばいいと思います。

 職員会議や企画会などの運営を少し工夫するだけでも、教職員の校務分掌への負担感は少なくなるかもしれません。

 教務主任は、管理職ではありませんが、同僚という立場で、他の教職員の役に立つことができます。教職員それぞれがもつ強みや優しさに気づくこともあります。そのようなことに気づいた教務主任のちょっとした心遣いで、安心できる子どもや同僚の教職員がいるというのも確かなことです。

 この文章が、いろいろな学校で、教務主任の立場になっている人の役に立つとうれしいです。

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