教務主任の役割②:時間の管理

教職員の仕事
つばさ
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教務主任の大きな仕事のひとつが時間の管理です。

 学校では、授業を行う以外に様々な仕事があります。

 学校の教職員の仕事に、教務主任という役割があります。

 今回は、「教務主任の役割②:時間の管理」について書きます。

教務主任の役割②:時間の管理

🟠教務主任の役割②:時間の管理

<教務主任の仕事>

 教務主任は、教育計画の立案・実施、学校配付文書の作成と印刷、配付など様々な仕事をします。

 時には、教務主任は、校長や、副校長・教頭などの管理職の補佐をしたり、他の教職員の日々の仕事がスムーズに行くように助けたりします。

 そのような仕事の中の1つに、学校の様々な時間の管理があります。

<時間の管理①:月中行事の予定づくり>

 教務主任の大きな仕事の1つに、月中行事の作成があります。

 まずは、子どもが参加する学校行事です。

 入学式や始業式、卒業式などの行事は、学校の設置者である市町村の教育委員会が決めることがあります。そのような日程の発表があると、自動的に月中行事に入れ込みます。

 保健室の先生である養護教諭とは、健康診断の日程を決める必要があります。健康診断には、内科医や眼科医、歯科医などの校医さんに学校に来ていただくものと、養護教諭が行う視力検査などがあります。校医さんと打ち合わせた養護教諭さんから日程を教えてもらい、日にちを月中行事に入れます。

 遠足や社会見学なども前もって、日程を決めておく必要があります。遠足の日に、検尿などの検査が入っておくと困りますので、それらの日が重ならないようにする必要があります。

 運動会、家庭訪問、授業参観、個人懇談会、PTA関連行事、避難訓練など、保護者や外部講師などを招いて行う予定も決める必要があります。

 学校によっては、前年度の3月31日までに、そのような大きな行事の日程が大まかに決まっている場合もありますし、徐々に決まっていく場合もあります。

 学校によって、きちんと決まり方には、かなり差がありますので、学校の実情に合わせて、臨機応変に決めていく必要があります。

 修学旅行や林間学習などのような宿泊行事などについては、宿泊施設や交通機関との調節もありますから、数年前から日程が決まっている場合もあります。

 このような子どもに関わる行事だけでなく、教職員に関わる予定もあります。多くの学校で、毎月行われている職員会議やその前に校務分掌の代表や学年主任が集まって行う企画会を行なっている学校もあります。

 各部だけで事前に相談する「生活指導部会」「体育部会」「会計部会」などを必要に応じて開催することもあります。毎週、各学年の教員が集まって行う「学年会」を月中行事に組み入れる学校もあります。

 年に何回か行われる「研究授業」の日程やそれらの指導案について相談する「指導案検討会」を「研究主任」と相談して月中行事に入れることもあります。

 学校長が、職員会議の日にいないと困りますので、学校長が教育委員会などの会議に参加する出張の日も聞いておく必要もあります。

 絶えず修正も加えながら、それらの月中行事を決め、子どもに関係のある月中行事は、子どもや保護者に学校だより、学校のホームページ、玄関にある掲示板などを通して公開していきます。

 急に日程の変更があることもあります。遠足などは雨では行けませんから、前もって遠足予備日を決めておく必要があります。自治体によっては、給食の食材を何日前かまでに止める必要がありますので、遠足が流れると、給食業務を行う教職員から関係機関に連絡を入れてもらう必要があります。

 春の初めの方に予定していた遠足が数回雨で延期になって、初夏に行くことになるということもあります。

 そのような日程変更について、管理職と相談しながら、最適解を見つけ、提案していくのが教務主任の大きな仕事の1つです。

<時間の管理②:時間割の大まかな作成>

 年度当初に行う必要のある時間管理に時間割の大まかな作成があります。

 例えば、理科室や図書室のように学校に1つしかない特別教室や運動場、体育館などのような体育の時間を、同じ時間帯に複数の学級に割り当てるわけにはいきません。

 同じ時間だと、複数の学級が同時に理科室で勉強などということになってしまい困るからです。1年生の子どもに給食前の4時間めに体育などを割り当ててしまうと、着替えに時間がかかってしまい、給食が大幅に遅れることになりますから、子どもが着替えのしやすい、2時間めや3時間め、5時間めなどに割り当てることになります。

 学校によっては、教育委員会から週に1回、司書教諭などが派遣されることがあります。司書教諭などに本の読み聞かせを手伝ってもらうことを考えると、司書教諭が来校する日に、低学年の図書の時間を配置する方がいいかもしれません。そのような場合は、そのような提案をします。

 全ての学級が全く同じ条件になるわけはありませんが、できるだけいろいろな諸条件が平等になることを考えて時間割の大枠を作成します。

 最近は、習熟度指導といって、国語や算数などの授業を複数の教員で指導したり、教科担任制といって理科や英語などの教科の授業を中学校の教員にお願いしたりすることもあります。そのような教員がきちんと配置すべき学級にきちんとはまるように考えることも教務主任の役割であることが多いです。

<時間の管理③:年間指導時数の計算>

 年間指導時数の計算も教務主任の仕事の一つです。

 小学校では、それぞれの教科などの授業時数が決まっています。

 本来は、その管理は各担任がすることです。

 週案などに記載し、年間に指導すべき各教科の指導時数がきちんと予定通りに進んでいるか把握しておく必要があります。

 しかし、学校行事などによって、指導時数はどうしても絶えず変動してしまいます。道徳のように週に1回しかない教科の指導が数週間続けて学校行事などでなくなってしまうと、極端に少なくなってしまうこともあります。

 ベテランの教員は臨機応変にそのような時間数の少ない教科の指導時数をうまく調整できるのですが、新任教員や経験の少ない教員はそのようなことまで気が回らないことも多いです。

 そのような場合、前もってこの教科の時数が少ないようだと助言するのも教務主任の役割のひとつかもしれません。

 3学期になって、急に道徳の授業を増やすわけにはいきませんので、さりげなく助言するというのも教務主任の役割といえるかもしれません。

<まとめにかえて>

教務主任が10人いれば、きっとその10人のやり方は、それぞれ違うと思います。

 このやり方が正解ということもありません。自分が今までに知っている教務主任のよさを真似しつつ自分なりの教務主任像を作っていけばいいと思います。

 教務主任は、子どもと直接関わることが減り、違う職種に転職したのかな、と思うぐらい日々の仕事内容が大きく変わり、戸惑うこともあります。

 しかし、それまで、学校の教員の仕事を自分の受けもつ学級を中心に見ていた頃と比べると、学校全体を見るという視点の広がりや学校にある課題が見えてくるというよさもあります。

 教職員一人一人のよさや、時には問題点も感じることができるようになります。

 教務主任は、管理職ではありませんが、同僚という立場で、他の教職員の役に立つことができます。教職員それぞれがもつ強みや優しさに気づくこともあります。そのようなことに気づいた教務主任のちょっとした心遣いで、安心できる子どもや同僚の教職員がいるというのも確かなことです。

 この文章が、いろいろな学校で、教務主任の立場になっている人の役に立つとうれしいです。

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教務主任の役割①:大まかな仕事に進む内部リンク

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