母親ノート法(7)要求をきくこと 親子関係

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つばさ
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親子関係では、要求をきくことも大切なんですね。

 親子関係は時にはむずかしいことがあります。

 今回は、「母親ノート法:要求をきくこと」を中心に書きます。

母親ノート法:要求をきくこと 

🟠母親ノート法:要求をきくこと

<駄々をこねる子どもへの対応>

 子どもの中には、時々自分の要求を通したくて駄々をこねる子どもがいます。例えば、おもちゃを買って欲しくて、おもちゃ屋さんの店の前でぐずったりすねたり泣いたりします。

 そのような時に、親や保護者などがどのような対応をすることができるかで、親子の関係はできていくのかもしれません。

 よくある失敗に、親や保護者などが子どもに根負けすることがあります。

 子どもが店の前で大泣きをして、寝っ転がって「買って、買って」と訴えているときに、根負けして買うことがあります。

 これは、最悪の対処法だとされています。なぜかというと、子どもは、大泣きをして、寝っ転がって「買って、買ってと訴えると、買ってくれることを学んでしまうからです。

 もっとも最悪の子どもの訴え方に対して、その方法でいいよ、と伝えることになるからです。

 では、このような場合、どうするといいのでしょうか?

 一番いい方法は、ほっておくことだそうです。泣こうが叫ぼうが、子どもが諦めるまで子どもの行動につきあうのです。

 ただ、日本と西洋では、周りの大人の反応が違うので、親として困ることがあるみたいです。

 フランスなどでは、子どものこのような反応に対して、あまりの大人は、心の中で、たいへんですね、と思う程度で、基本的には黙って見守ることが多いそうです。

 ただ、日本では、周りの大人がおせっかいな言葉がけをしてしまうこともあるそうです。

 よくTwitterを見せていただいているぺるこさんの投稿に、次のようなものがありました。

 違うよい方法としては、子どもの要求を上手くかわすことだと思います。

ご近所さんにお裾分け頂いた果物を喜んで並べる娘さん

お片付けしてねと言ってもイヤイヤなので

片付けないとね…夜中にネズミさんが食べちゃうよ……!

と言うと、食いしん坊の娘は慌てて両手いっぱいに果物持って、冷蔵庫に入れていました

ぺるこさんのくTwitter

ぺるこさんのTwitterに進む外部リンク) 

 とても上手に子どもの気持ちを、親のしてほしい方向に向かわせていると思います。いつも子どものことをよく見てよく聞いて、子どもの気持ちに寄り添っているから、このような自然な対応ができるのだと感心しました。

 このように、子どもの要求に対しては、子どもの話をよく聞くことが大切だと思います。

 そして、どのように言葉をかけると、気持ちが親の考える方向に向かうのかをよく考えるのが大切なのかもしれません。

 時には、「今日は買わない、だめなものは、だめなの」と伝えることが大切な場合もあるでしょう。時には、「おもちゃを買いたいねぇ」「おもちゃを買ってほしいねえ」と子どもの気持ちをただおうむ返しすることが効果を発揮することがあるかもしれません。

 おもちゃなどの物を買うことが、要求をきくことなのか、おもちゃなどの物を買ってほしいという気持ちをきちんときくことが、要求を聞くことなのかということを考えることは大切なことだと思います。

<要求をきいてやることーできることと、できないこと>

 東山紘久氏は、「母親と教師がなおす登校拒否ー母親ノート法のすすめ」(創元社・1984年)という本の中で、次のように書いています。

 人間は、いくつになっても甘さがほしいものである。登校拒否の子どもたちは、どこかで自分の要求をストレートに出せないことが多い。どうしてこうなるのかは、はっきりしていないが、そうなのである。これは兄弟関係をみてみると、非常にはっきりすることが多い。兄弟のどちらか一方が登校拒否で、他がそうでない場合の母子間、あるいは、親子間の会話を調べてみると、その差は明瞭である。ストレートな甘えや要求は、親にわかりやすいし、快い。これに対して、歪んだ要求や屈折した甘えは、親にわかりにくいし、親の感情を刺激し、不快にしやすい。だから、感情をストレートに出せない子どもがいると、しらずしらずのうちに、親の愛情表現が片寄ってしまう。

 母親ノート法を実施し、Tパターン、快の原則を母親がとるようになると、今まで抑えられていた要求が、徐々に、そして、ある時点で執拗に、エスカレートしながら噴き出してくる。要求のエスカレートに出会うと、多くの母親は当惑し、母親ノート法の原則が守れなくなる。そして、「このようにしていたら、甘やかすことになりませんか」、「だんだん要求が多くなり、このまま許していたらきりがないし、どうなるか不安です」と母親ばかりでなく、父親や周囲のみんなにまで、不安が波及していく。この時期が母親ノート法にとって、一つの危機場面である。点検者と母親の相互信頼と協力が必要となる。甘さや甘やかしの違いは、子どもの要求する気持をわかって、それをかなえてやることが甘さであり、親の願いを通すために、子どもの要求をきいてやることが甘やかし(過保護)である。甘やかしの中には、実は、甘さはないのである。

母親と教師がなおす登校拒否ー母親ノート法のすすめ

 子どもと親の関係は、お互いがいくつになっても、むずかしいことだと思います。

 世の中には、とてもうまくいっている親子関係もあるでしょうし、なかなか上手にいっていないこともあるように思います。

 関係が深いだけに、親と子どもという2者関係だけでは、何か大きな問題が起こった時に解決するのがむずかしいことがあるのかもしれません。

 上手に、周りの人の助けも借りながら、よい関係を築くことができることは、とても幸せなことだと思います。

 なお、東山紘久氏の「母親と教師がなおす登校拒否ー母親ノート法のすすめ」(創元社・1984年)という本は、次のところから購入できます。

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