教務主任の大きな仕事のひとつが教育計画の作成です。
学校では、授業を行う以外に様々な仕事があります。
学校の教職員の仕事に、教務主任という役割があります。
今回は、「教務主任の役割④:教育計画の作成」について書きます。
教務主任の役割④:教育計画の作成
🟠教務主任の役割④:教育計画の作成
<教育計画とは>
教育計画とは、学校で使う特別な用語のひとつです。教育課程やカリキュラムということもあります。
文部科学省のホームページでは、教育課程について、次のように書いています。
「教育課程とは、学校教育の目的や目標を達成するために、教育の内容を子供の心身の発達に応じ、授業時数との関連において総合的に組織した学校の教育計画であり、その編成主体は各学校である。」
学校には、様々な教育計画(指導計画・教育課程)があります。
列記すると次のようなものがあります。
・各教科、道徳科、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動 (学級活動、児童会活動、クラブ活動、学校行事)の指導計画
・道徳教育の全体計画
・総合的な学習の時間の全体計画
・特別活動の全体計画
・特別支援教育に関係する個別の指導計画
・食に関する指導の全体計画
・学校保健計画
・学校安全計画
以上のものは、法令により計画を作成することが必須になります。
次のものは、任意ですが、法令や通知、答申や報告書等によって、作成する方がよいとされています。
・日本語指導に関わる個別の指導計画(外国人や来日日本人に対して)
・学校図書館全体計画
・体育・健康に関する指導の全体計画
・部活動の指導計画
・人権教育に係る年間指導計画
・キャリア教育に係る全体計画
ここでは、学習指導関係を中心に教育計画について載せましたが、これ以外にも「生徒指導関係」「学校運営関係」の教育計画があります。
これらの計画については、文部科学省の次のページを参照してください。
学校において作成する計画等に進む(外部リンク)
運営に関する計画 初任者研修002に進む(内部リンク)
当然これらの教育計画は、教務主任が一人で作成するわけではありません。
<教育計画の作成>
教育計画の作成は、学校にいる教職員と協力して作成することになります。
教務主任の大きな役割は、教育計画を、どのような形式で、いつまでに誰が作るか計画することです。
作成された教育計画を印刷して職員室の戸棚に保管したり、データーにして教職員が閲覧できるパソコンなどに保管したりして、いつでも簡単に見ることができるようにすることです。
残念なことですが、教育委員会などには報告するために、教職員の知らないところで、教務主任や管理職などが様々な教育計画を作成して、教職員がその内容などについて詳しく知らないということもありえます。
学校によっては、これらの教育計画を作成し、ホームページなどにきちんと掲載している学校もあります。
これらの教育計画は、「計画」なので、本来、新年度の新学期の始まる4月1日までに作りあげてあることが普通なのでしょうが、なかなかそうなっていないのが実情です。
<教科書採択の年の作成>
特に数年に1度ある教科書が採択される年は、これらの教育計画の作成が遅れることはよくあることです。
教科書が採択される時には、今まで使っていた教科書会社の教科書とは違う教科書会社の教科書に変わってしまうこともあります。また、同じ教科書会社の教科書が採択されることになったとしても、国語などの場合、取り扱う教材などが変わることがあるからです。
小学校では、2023年(平成5年)は、新しい教科書を採択する年になっています。
2023年(令和5年)の8月末までに、2024年(令和6年)の4月から使う教科書の採択を終えることになっています。
2024年(令和6年)の4月に向けて、教務主任の役割も大きくなります。
事務職員や管理職などと相談して、2024年(令和6年)の新しい教科書に合わせた指導書を購入する計画も立てる必要があります。
多くの若い教員は、学習指導を指導書に頼ることも珍しくありません。
実際は、ほとんど利用しないことや使用しきれないことも多いのですが、新しい教科書に合わせた指導書がないと指導しにくいと考える教員がいないわけではありません。
多くの教科書会社は、高い指導書を学校などに買ってもらうことで利益を上げているという側面がないわけではありません。
<時数を計算する>
教育計画を作成できたからといって、教育計画作成の仕事が終わるわけではありません。計画は、絶えず見直し、計画通り実施されているか確かめる必要があります。
「教務主任の役割②:時間の管理」でも書きましたが、それぞれの指導計画が計画通りに実施されているか、きちんと時間数を管理する手伝いをするのも教務主任の役割のひとつです。
教務主任の役割②:時間の管理に進む(内部リンク)
基本的には、各担任の仕事ですが、週案などに記載し、年間に指導すべき各教科の指導時数がきちんと予定通りに進んでいるか把握しておく必要があります。
教務主任は、それが計画通りに進んでいるか把握し、指導時数が少ない教科などについては、教員に上手に助言して、調整できるように働きかけることが必要です。
特に、運動会や学習発表会などの練習の際には、ついつい予定よりも指導時数が大幅に増えてしまうことがありえます。
時には、運動会の終わった後は、しばらくの間、体育の時間を減らすように助言することも必要です。
時には、学習発表会の指導の時間を、どの教科の時間に割り振るようにするとよいかというような助言をすることも必要です。
指導指数の取り扱いについては、新任教員や若い教員などにとってはわからないことも多いことですから、上手に伝えることも必要です。
<まとめにかえて>
教務主任が10人いれば、きっとその10人のやり方は、それぞれ違うと思います。
このやり方が正解ということもありません。自分が今までに知っている教務主任のよさを真似しつつ自分なりの教務主任像を作っていけばいいと思います。
教務主任とはいえ、全ての教育に関係する事柄に精通しているわけではないと思います。
学校に関わるいろいろな事柄の全てのことがきちんとできるわけでもないと思います。
しかし、管理職の協力や他の教職員の手も借りながら、学校がよりよくなるように少しずつ努力するようの努めることも大切だと思います。
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関係する次の内容についてもお読みください。
教務主任の役割①:大まかな仕事に進む(内部リンク)
教務主任の役割②:時間の管理に進む(内部リンク)
教務主任の役割③:お知らせの作成に進む(内部リンク)
研究主任の役割①:大まかな仕事に進む(内部リンク)
研究主任の役割②:国語研究の具体例に進む(内部リンク)
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