ほめ方・しかり方 小学校初任者研修011

初任者研修資料
つばさ
つばさ

しかる」と「おこる」の違いを知っていますか。

 ここでは、次の2つのことについて書いていきます。

「ほめること」の大切さ

「しかること」の大切さ

「ほめること」の大切さ

 教師の子どもへの言葉がけにおいて、ほめる言葉やしかる言葉の割合が多いように思います。

 みなさんは、普段、子どもへの言葉がけで、ほめる言葉としかる言葉では、どちらが多いですか? 

 子どもに対しては、ほめることも大切ですし、しかることも大切です。

 なぜ、「ほめること」が大切なのでしょうか。

 それは、人には、承認欲求があるからです。

 子どもたちは、日々いろいろなことでがんばっています。

 私たち教員にとっては、当たり前の宿題をしてくることだって、授業中に音読をすることだって、子どもたちにとっては、がんばっていることなのです。

 以前、子どもたちの音読が素晴らしい学級の授業を見たことがあります。その時、担任の先生に、その秘訣をお聞きすると、次のような話をされていました。

まずは先生が手本を示すこと、その次に、子どもを褒めながら育てていくことです。先生が上手いのは当たり前だと思っている子どもたちでも、学級の友だちが練習をしてきて、上達するのを間近で知ると、自分たちも練習すれば、上手くなるということを実感するのです。まず、ほめながら、一人の子どものレベルが上達すると、学級全体の音読のレベルがぐっとあがります。

 なるほど、と思いました。

 子どもの行為を当たり前と感じて、そのまま過ごすのか、よさを認めてほめていくことで子どもを育てるのか、その先生と自分の力量の違いを痛感しました。

 ところで、みなさんは、いくつぐらいの「ほめ言葉」を知っていますか。普段使う「ほめ言葉」はなんでしょうか。限られた言葉しか使っていないということはありませんか。

 新潟県立教育センターが「子どもを認める100 の言葉~自己有用感を高める言葉かけを~」という文章を作成し、ホームページ等に掲載しています。

 ぜひ、参考にしてください。

子どもを認める100 の言葉~自己有用感を高める言葉かけを~に進む外部リンク

「しかること」の大切さ

 学校生活の中で、子どもたちは、よくないことや危険なことをすることがあります。

 そのようなことを見かけた時に、何も言わないで見逃すと、子どもたちの中には、その行動を先生が容認したと考えることがあります。

 特に、危険な行動は、その子自身や周りの人が怪我をしたり、ものがこわれたりします。

 そのような時には、きちんとしかることが必要です。

 学習しているときに、少し改善すればよくなるのに、と思うこともあります。

 そのような時にも、しかる方がよい場合もあります。

 ノーベル賞受賞山中伸弥教授が、元ラクビー日本代表の故平尾誠二さんに教えてもらった「叱るときの4つの心得」というのがあります。

1. プレーは叱っても人格は責めない。

2. あとで必ずフォローする。

3. 他人と比較しない。

4. 長時間叱らない。

平尾誠二さんをしのぶ「感謝の集い」山中伸弥さん弔辞より

 しかり方には、よくないしかり方と、よいしかり方があるように思います。

 しかるのは、自分のためではなく、相手のためであり、しかる相手の成長や改善を考えてしかる必要があると思います。

 最初に取りあげましたが、「しかる」と「怒る」の意味の違いを知っていますか? 

しかる」とは、「(目下の相手に対して)よくない言動を指摘し、教え、諭すこと」です。

怒る」とは、「気に入らない言動を体験し、腹を立てて、興奮したり、声を荒げたり、ものにあたったりすること」です。

 ですから、子どもでも「怒ること」はあります。一般的に、「しかること」は、冷静な大人にしかできないことです。

 しかるべき場面で、怒っていませんか。

 まさか、大きな声で怒鳴っていることはないでしょうか。

 私たち教員は、いつでも冷静な大人でいるべきでしょう。

 子どものことを考えて、冷静に、ていねいに話を聞き、子どものわかる言葉で、説明し、改善を求める必要があります。

 ですから、「廊下を走っている子どもを見かけたとき」は、どうすればいいのでしょうか。

こら、走るな」でしょうか。それとも、「危ないから、歩くようにしましょう」でしょうか。

物を投げている子どもを見かけたとき」は、どうすればいいのでしょうか。

物を投げるな」でしょうか。それとも、「投げた物が、人や他のものに当たると危ないからやめましょう。」でしょうか。それとも、もっとふさわしい言葉がありますか。

 子どもを、適切にほめたり、しかったりしながら、子どもの成長を促してほしいとも思います。

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 なお、臨床心理士河合隼雄さんの名言と著書の紹介を次のページでしています。今回の内容に関係することですので、よければ併せてお読みください。

説教の効果はその長さと反比例するに進む内部リンク

教育書紹介:子どもと悪に進む内部リンク

初任者研修資料一覧に進む内部リンク

印刷用画像資料 (各校で、Wordなどに貼り付けて、印刷し、研修資料としてご活用ください。)

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