児童会活動の指導 小学校初任者研修031 

初任者研修資料
つばさ
つばさ

児童会活動の指導について知りたいです。

ここでは次のことについて書きます。

児童会活動の指導

児童会活動の指導

🟠小学校における児童会活動

小学校における児童会活動は、基本的には、時間割の中に位置付けられた活動です。

2017年(平成29年)に告示された小学校学習指導要領において、それまでの「各教科等の年間授業時数」よりも、年間時間数が増えたことにより、児童会活動に、たくさんの時間をとることは難しくなっています。

多くの小学校では、月に1回程度、委員会活動の時間をとったり、週に1回程度の児童集会を行ったりしているのではないでしょうか。

🟠小学校学習指導要領における位置付け

小学校学習指導要領には、「児童会活動の目標」について次のように書いています。

 異年齢の児童同士で協力し,学校生活の充実と向上を図るための諸問題の解決に向けて,計画を立て役割を分担し,協力して運営することに自主的,実践的に取り組むことを通して,第1の目標に掲げる資質・能力を育成することを目指す

小学校学習指導要領

ここでいう「第1の目標」とは、特別活動の目標のことで、そこには、次のように書かれています。

 集団や社会の形成者としての見方・考え方を働かせ,様々な集団活動に自主的,実践的に取り組み,互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して,次のとおり資質・能力を育成することを目指す。

(1) 多様な他者と協働する様々な集団活動の意義や活動を行う上で必要となることについて理解し,行動の仕方を身に付けるようにする。

(2) 集団や自己の生活,人間関係の課題を見いだし,解決するために話し合い,合意形成を図ったり,意思決定したりすることができるようにする。

(3) 自主的,実践的な集団活動を通して身に付けたことを生かして , 集団や社会における生活及び人間関係をよりよく形成するとともに,自己の生き方についての考えを深め,自己実現を図ろうとする態度を養う。

小学校学習指導要領

🟠児童会活動の実際                                                                                     

<委員会活動>

委員会活動とは、子どもにとって学校生活がより楽しく、より充実したものになるよう学校内の仕事を分担し、課題に自治的に取り組んでいくための活動です。 

教師の仕事を手伝うのではなく、子どもの考えを活かして、アイデアを出し合いながら活動していきます。

委員会の内容は学校によってさまざまです。

代表的なものとしては、代表、放送、集会、図書、環境、保健、給食などの委員会があります。

それぞれの委員会の活動内容は、子どもの自主性に任せる部分も大きいので、同じ委員会名でも各小学校により、さまざまな活動をしています。

例えば、それぞれの委員会では、次のような活動をしています。

代表委員会」は、本来、各委員会の代表や各学級の代表などが集まって、学校の行事や問題などについて話し合って、活動したり、解決したりする委員会です。月に1回程度の活動も、委員会とは別の日時に設定することが多かったのですが、2017年(平成29年)に告示された小学校学習指導要領において、それまでの「各教科等の年間授業時数」よりも、年間時間数が増えたことにより、代表委員会を、各委員会が活動する日と別に時間をとることは難しくなっています。

そこで、各委員を決めるときに、最初から、代表委員になるような工夫をしている学校もあります。学校によっては、前期と後期に分け、片方は、代表委員会の仕事をし、片方は普通の委員会の仕事をするようにしている学校などもあります。

放送委員会」では、放送室の機械を操作して、朝礼時に、マイクを使えるようにしたり、登校時に、その日の予定などを放送したり、給食時に、音楽やクイズなどを流したり、下校時に、下校を知らせる曲を流したりします。

集会委員会」では、週に1回程度ある児童集会の内容を計画し、全校児童が楽しめるような集会活動の準備や司会、運営などをします。児童集会では、簡単なゲームなどを行います。

図書委員会」では、昼休みなどに図書館開放を行い、本の貸し出しの手伝いをしたり、おすすめの本の紹介をしたりします。

環境委員会」では、学校の環境をよくする活動をしています。清掃用具の点検の手伝いをしたり、学校で飼っている動物の世話をしたり、花壇の花を植えたり草取りをしたりしています。教室の電灯の消し忘れをなくす呼びかけをしたり、電気や水などの省エネに向けた取り組みをしたりする環境委員会もあります。

給食委員会」では、その日の給食の献立や食材について放送や掲示物などで紹介したり、給食の配膳の手伝いをしたりします。給食後に、食べ終わった食器や牛乳カップなどを整理する手伝いをすることもあります。

<委員会活動をよりよい活動にするためには>

一般の学習と比べて、委員会活動のよさは、2つあります。

1つは、自分の興味・関心のある内容について活動できることです。

もう1つは、異学年で活動できることです。

普段の授業では、同じ年齢の子どもで学ぶことが一般的です。しかし、委員会活動では、異なる年齢で行うことが多いです。年齢の高い子どもが年下の子どもに教えることも自然にできる活動です。

これらの委員会活動を、子どもが主体的に行うためには、指導者の上手な助言や資料提示が必要になります。

例えば、昨年の活動では、具体的にどのような活動をしていたのかを示したり、どのようなことができるかを示したり、児童がどのようなことをしたいと考えて委員会を選んだのかを上手に尋ねたりする必要があると思います。

<児童集会について>

週に1回程度行う児童集会は、集会委員会が主になって行うゲームなどの児童集会だけでなく、代表委員会や各委員会が主になって行う児童集会を行う学校もあります。

給食委員会主催の児童集会では、食事に関するクイズ大会をしたり、図書委員会主催の児童集会では、図書委員会が、スクリーンに絵を示しながら、絵本の読み聞かせをしたり、小グループに分かれて、上級生が下級生に読み聞かせをする活動をしたりするなど、いろいろな工夫をしています。

ただ、コロナウイルス感染症が広がり、感染症の広がりを避けるために、このような異学年の子どもが集まる活動は、しなくなってきています。

コメント

タイトルとURLをコピーしました