問題行動に関する事例研究 小学校新任教員研修資料045

初任者研修資料
つばさ
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問題行動に対する対処法について知りたいです。

 学校では、子どもが起こした問題行動に関して会議や話し合いをもつことがあります。

 今回は、そのような「問題行動に関する事例研究」について書きます。

問題行動に関する事例研究

🟠問題行動に関する事例研究

<子どもの問題行動>

 子どもの中には、問題行動をする子どもがいます。

 学校に関係する問題行動としては、暴力行為、いじめ、不登校、仲間はずれ、けんか、物の紛失、学校のものや友だちの持ちものの意図的な破壊などがあります。

 学校では、家庭で子どもが行った問題行動に関しても相談にのることがあります。そのような子どもが家庭などで行う問題行動には、万引き、家出、深夜徘徊、喫煙、飲酒、友だち同士の金銭トラブルなどがあります。

 例えば、子どもが学校から帰宅した後で、スーパーやコンビニで万引きをすることがあります。このような場合でも、スーパーやコンビニから学校に連絡が入ることがあります。

 本来、このような家庭で子どもが行った問題行動は、学校に直接関係がない、家庭で指導すべき問題です。しかし、このような家庭で行った問題行動が学校に持ちこまれることがよくあります。

 その理由の1つが、子どもがこのような問題行動を起こす場合に、子どもが一人で行うのではなく、複数の友だち関係の中で引き起こされる場合があるからです。

<複数の子どもが関係する問題>

 複数の子どもが関係すると解決はとても複雑になります。

 子ども一人一人から個別に、事情を聞き、子どもの言い分にずれがないかを確かめる必要があります。

 多くの子どもは、自分が悪いことをした時には特に、正直に話をすることは少ないです。

 どうしても自分行ったことを少なく見積もって話をすることが大半です。

 意図的な無意識なのかわかりませんが、自分のしたことは黙っておいて、相手のしたよくないことを主張することが多いです。

 自分が悪いのではなく、自分以外の誰かのせいにするのが一般的です。

 子どもの話を記録を取りながら聞き、矛盾があった場合には、その矛盾を解き明かす必要があります。

 いじめが関係するような事柄については、学校が責任をもって解決することが大切だと思います。

 しかし、このような事柄を解決するためにかかる時間は膨大になります。

 管理職や保護者への適切な報告も必要になります。

 解決の仕方を間違えると、最初に問題行動を起こしたのは子どもなのに、いつのまにか教員の指導方法に問題があることにされてしまうことも決してないわけではありません。

 子どもの問題行動に対する解決方法には、時間がかかることも少なくありません。

<学校の役割、家庭の役割>

 本来、このような家庭での出来事は、学校に直接関係がないのでそれぞれの家庭で勝手に話し合いをもっていただく方がよいのかもしれません。

 外国の多くの学校では、このような家庭での問題行動は、学校を離れ、保護者同士で解決するのが一般的です。

 しかし、なぜか日本では、このような学校外の問題も学校に持ち込まれることが珍しくありません。

 最近はご存知の方も多いかもしれませんが、教員には、残業手当という制度はありません。放課後、何時間も子どもと保護者との話し合いの場をもったからといってそれに対する報酬はありません。夜遅くまで残業したからといって、次の日、学校を早く帰れるようになるわけでもありません。(もっとも教員が元々もっている年休を使って休むことはできますが・・。)

<解決への手立て>

 このような、問題行動が起こった場合には、子どもから事情を聞きます。その場合、できれば、一人で効くのではなく、学年の教員などに同席してもらい、複数で聞くことが大切です。

 その際、できるだけ冷静に話を聞く必要があります。時間がなくても、威圧的な態度や急かすような態度は避けるべきです。

 子どもから話を聞く際は、きちんとメモを取り、憶測でなく、複数の子どもの話から、できるだけ事実に近い内容の把握をします。

 すぐに管理職や生活指導主任、学年主任などに報告・連絡・相談をすることも大切です。

 自分なりの解決の道筋を持ちつつも、管理職や先輩教員のアドバイスを受けて、解決への道筋を模索することも大切です。

 大きな問題の場合、責任感のある管理職であれば、保護者などとの会合の席に同席してくださるばかりでなく、管理職自らが主体的に問題解決の方策や解決策などを示し、自ら進んで解決に協力してくださる方もいます。

<他の機関との連携>

 大きな問題に関しては、学校だけで解決しようとせずに、警察や児童相談所、教育委員会などと他の機関と連携をとり解決の方法を考える必要がある場合もあります。

 先程、日本では、子どもの問題行動を学校が引き受けることに関して、少し否定的な書き方をしましたが、教員の負担が増すというマイナス面だけでなく、プラスの面もあります。

 それは、諸外国に比べて、日本の若年層の犯罪率が少ないことです。

 日本の多くの学校では、すぐに警察や児童相談所などに通報し、警察や児相相談所などに引き渡すよりも、なんとか学校が中心になって問題を解決できる道はないかと考えます。

 当然、犯罪に関係するような事柄に目をつむることはよくありませんが、教員の子どもに対する熱意が、子どもを犯罪から守っている側面があることも事実です。

<問題行動に関する事例研究>

 子どもや保護者のプライバシーの問題もありますので、家族といえども、学校外の場で、学校の中でどのような問題行動があるのかを話すことは控えるべきだと思います。

 しかし、学校内においては、子どもがどのような問題行動を行い、解決のためにどのような方法を取ったのかを、教職員で共有することは大切なことだと思います。

 全く同じ事例が起こることはないかもしれませんが、よく似た事例が起こることは考えられます。その際に、過去の失敗事例や成功事例はたいへん参考になります。

 個人情報を取り除き、名前をイニシャルなどにして、互いの問題行動に対する対応方法を学び合うことは意味があります。

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